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建国 編【L.A 2064】
なにかをすくえば だれかがぎせいになる
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授業によって多くのものたちが魔術の一端を掴むことができた。中にはちょっと土が盛り上がったり、汗なのか判断しがたい一粒の水滴が精一杯であったりと成果は様々であったのだが。とりわけ最も皆を驚かせたのはマテウスである。土は鉢ごと砕け飛び散り、水は一度大きな球体になったものの爆発して周囲を水浸しにした。魔力の観点で言えば優秀である、のだが。制御においてはトーマ以上に厄介なものとなってしまった。
アオイとの個人授業のはずであったけれど、思った以上に時間が掛かると判断されたため後回しにされたのである。
「は……畑が……こんな短時間で……」
「うんうん、いい感じ……って言ってあげたいけど、深さがもう少しほしいところかな」
10歩分の幅の範囲を同じくらいの距離になるまで5人がかりで進めていた難民たちが唖然として立ち尽くす。太陽の位置は全く変わっていない。草の生えていない場所を選んだこともあるが、土を掘り起こし水を撒く。同じ範囲を同じ人数で、なおかつ手作業で行えば体力も消耗するし時間もさらに掛かったはずだ。
柔らかくなった土に手を突っ込み、引き抜いたアオイは彼らにどのくらいの深さが望ましいか、水とともに肥料も撒いてほしいとか、そんなことを言ってから10歩分の幅を倍に増やす。
「魔導師様は、詠唱なしで魔術を使えるのですね」
「大多数の魔術師たちは基本的に詠唱なしで使えるはずだよ。頭の中で必要な文字と形を思い浮かべるんだ」
「なるほど……参考になります!」
「がんばってねぇ」
さっそく畑を耕し実用するものたちと、制御できるよう自主的に練習を繰り返すもの、同郷や知人同士で集まり試行錯誤するものたち、賑やかな空間が広がり重苦しい雰囲気は徐々にほぐれていった。
トーマたちはベネットに『狩りへ行ってきます』と告げ森の中を静かに歩く。
「アオイの魔術の授業で改めて……感じたのですが……」
「アオイの頭がいいって?」
ぽつりと洩らしたトーマの言葉にジェイソンが軽快に続きを勝手に作り、脇腹に肘を打ち込まれていた。
「そういうことじゃなくて! ベネット様が本から会得した魔術のことです。遠視魔術、移動魔術、そして幻術……これらは4つのエレメンタルをどう組み合わせようと実現できないんですよ」
先の授業を後ろで聞きながらずっと考えていた。旧字体で書かれた城が所有する大量の書物、現時点でベネットとアオイの二人にしか発動できない魔術。ベネットは書物から多くの魔術を学んだ。しかしアオイはどこから学んだのか……。それだけではない、二人が使用する魔術に共通するのは、なんのエレメンタルが作用して発動しているのかが不明であることなのだ。
「治癒魔術もな。だがこれは高位僧侶も使っているぜ」
「彼らが崇められるのは聖書の朗読、聖歌隊の歌声、それによってもたらされる治癒なんです。聖書や聖歌……それらが詠唱を兼ねているとすれば……」
「お嬢様は術式をなぞる、という形で発動している。魔術の陣は描く順番も大事な要だ……それを自然と、または偶然か。本来の形式通りの順になぞっているのだろうね」
理解しようとすればするほど答えは遠ざかっていくばかりだ。ただ『特別な存在』というだけでトーマは納得できない。自分にできない領域への羨望もないわけではないが、考えてしまうのだ。解明できれば、自分にも為し得るのではないかと。
「ベネット様はエレメンタルの存在を知る前から移動魔術や幻術を使っていました。アオイの理屈から言えば、エレメンタルとビロスト、アンドーラの存在を理解することで魔術の発動条件は満たされます。しかしそうするとベネット様が魔術を発動できる理由に当てはまらない……それらはもしかすると、エレメンタルとは関係がないのか……黒魔術のように」
「じゃあ白魔術?」
「安直すぎんだろ」
自信たっぷりのジェイソンの意見はたやすく一蹴されてしまった。
ジェロシアの黒魔術はヒトの命を犠牲にして、魔術では行使できないあらゆる呪術を生み出すことが出来る。だとしたらあの二人は何を以って未知の魔術を行使しているのか。高位僧侶や聖歌隊は何を犠牲にして民たちに治癒をもたらしているのか。
「まぁつまり、あの城自体に何かあるってことだろ。高位僧侶の治癒魔術はきっと名残だ……類似したものは数多く点在していて、その多くが城の書庫に詰まっている」
「お嬢様はそれを生活に取り入れようとなさっているが……いま世界中で使われている魔術とは攻撃に特化したものだ。しかしそれも……昔は生活を楽にするために開発された術式なのかもしれない。戦争が、善きものを破壊の武器に変えてしまったのだよ」
自分たちが使っていた魔術も、誰かを助けるためや生活のためなどではなかった。優劣を明らかにするため、絶対的な力を誇示して弾圧する。魔術はいつだって破壊の先導に立っていたのだ。
「……アオイが、その変化させるものの側ではないといいんですがね」
「集めたものたちを兵隊に仕立てようと?」
「んな必要ねぇだろ、あいつの強さじゃあな」
「まぁ、そうですね」
前世においても魔術を使っていたのはトーマぐらいだった。魔術抜きでも勇者パーティーは圧倒的に強く、各々の力が単独であってもそれに勝るものが存在するなど思いもしなかった。
けれど国から追放され、ベネットと出会って、守りたいものができたから前世以上の強さを求め己を鍛え続けた。それなのに、それでも足りないと言うように、強大な力が次々と現れる。
アオイは長い間自分たちが出来なかったことをあっさり成し遂げた、数々の不可能が可能であることを証明してみせた、多くの民に希望と未来を与えた。だが……それが何のためなのかが不明瞭すぎる。『世界を救う』というのはあまりにもなおざりな言葉で、信憑性に欠けるのだ。
そして自分たちは知っている。救いと犠牲は表裏一体なのだと。何かの犠牲なしには誰も救えない。誰かを救うには誰かの命を奪うことになる。実際、そうなったではないか。『平和』を求めるにはその代償は『戦争』なのだ。
太陽が真上にのぼったところで昼の配給が始まる。汗まみれになっても、彼らの表情は涼し気で晴れやかだった。大地もところどころその景観を変え、畑になったり瓦礫が一ヵ所にまとめられたりと、一日も経っていないのに彼らの魔術における成長はめざましい。
魔獣の肉を食べることに躊躇いがあるだろう、という懸念から今日はいつもと比べると案外ふつうのメニューだった。猪肉と大鷲肉を刻んで捏ねたものを丸めて野菜と煮たスープに、ベネット特製の焼きたてパン。ちゃっかりアオイのイネも混ざっていた。
「転生局に行きたいですって?」
何人かに分かれて食事を取る中、トーマに相談を持ち掛けたのは書斎荒らしの男。
「はい……前世での資産が残っているはずなんです」
トーマはスプーンを握る手を止めてうぅんと唸る。
「まぁ、前世で指名手配をされるような覚えがなければ、残っているはずですよね」
「今まで自然に、前世を思い出したら転生局って頭になってたけど……一体どんな手を使えばあたしらの身分と家財の剥奪なんてできんだよ」
5杯目のおかわりをしながらドレアスは肉を頬張りぶつぶつ言ってむくれていた。
「不思議ですよね、前世での家族も転生者なら、探すこともできるんですから」
「転生局ってなに?」
「アオイにも知らないことあるんだ……」
自分の頭上からにゅっと出てきたアオイに驚いたベネットは空になった器を落としかける。しかし隣に座ってベネットにおかわりをねだっていたジェイソンによって地面に落下する前に事なきを得たのだった。
「まぁ、行く必要もなかったから外から見ただけなんだけど……」
「私たち前世の記憶をもつ……転生者は、記憶が戻ったらそこに行くんです。大半は資産引継ぎの手続きですね。家族が同じ転生者で、片方が再会の合意をしていたら面会もできます。前世での家にもう一度住みたいとか、逆に取り壊したいとか、転生局に登録して転生証明が認証されれば可能です」
「ふぅん……」
普段は何も食べなくていいからと断り続け、食事の際に姿を見せなかったアオイが赴いたことにベネットは喜ぶ。隣に座って和気あいあいと歓談する様に、トーマは面白くなくなって握っていたスプーンはぐにゃりと曲がり犠牲になってしまった。
共に食事の輪にいた難民たちはその多くが転生者ではないため、行くことのない転生局の話が新鮮なのか手を止めてベネットの話に耳を傾けていた。
「アオイさんは、転生者ではないのですか?」
「転生者という扱いに……なるんだろうね、前世があるし」
疑問に思っていたけれど聞くに聞けなかったことをさらりと聞いたベネットにも驚いたし、転生者であることを認めたアオイにも驚いた。驚いてドレアスは一度口に入ったはずの肉団子を器に落としている。さすがのトーマも言葉を失いひしゃげたスプーンは地面に落ちた。
「あんたまさか自分のことをよく分かってないとか……」
「ううん、ちゃんと分かってるよ。今までの家族も、今まで愛した人も、子供たちも。転生局は……なんだか異質すぎて近付かなかっただけだよ」
自分自身が異質のお前がなにを、という言葉をドレアスはなんとか飲み込む。そして家族、伴侶、子供の存在への追及も。処理しきれない情報が一気に押し寄せ頭をわしわしと掻きむしるが、自分の認識しているアオイと、新たに明らかになった人物像があまりに食い違いすぎて困惑するばかり。
「言われてみれば……まぁ、確かにそうかもしれません。私達はあそこがそういうものだと認識していましたからね。オートマタという種族……全てが同じ姿で生まれ、記憶を共有し合っている。特殊な種族によって転生局は管理されているんですよ」
「アレを種族と呼ぶの……」
その言葉に混ざるのは怒りか……それとも嫌悪か。
アオイとの個人授業のはずであったけれど、思った以上に時間が掛かると判断されたため後回しにされたのである。
「は……畑が……こんな短時間で……」
「うんうん、いい感じ……って言ってあげたいけど、深さがもう少しほしいところかな」
10歩分の幅の範囲を同じくらいの距離になるまで5人がかりで進めていた難民たちが唖然として立ち尽くす。太陽の位置は全く変わっていない。草の生えていない場所を選んだこともあるが、土を掘り起こし水を撒く。同じ範囲を同じ人数で、なおかつ手作業で行えば体力も消耗するし時間もさらに掛かったはずだ。
柔らかくなった土に手を突っ込み、引き抜いたアオイは彼らにどのくらいの深さが望ましいか、水とともに肥料も撒いてほしいとか、そんなことを言ってから10歩分の幅を倍に増やす。
「魔導師様は、詠唱なしで魔術を使えるのですね」
「大多数の魔術師たちは基本的に詠唱なしで使えるはずだよ。頭の中で必要な文字と形を思い浮かべるんだ」
「なるほど……参考になります!」
「がんばってねぇ」
さっそく畑を耕し実用するものたちと、制御できるよう自主的に練習を繰り返すもの、同郷や知人同士で集まり試行錯誤するものたち、賑やかな空間が広がり重苦しい雰囲気は徐々にほぐれていった。
トーマたちはベネットに『狩りへ行ってきます』と告げ森の中を静かに歩く。
「アオイの魔術の授業で改めて……感じたのですが……」
「アオイの頭がいいって?」
ぽつりと洩らしたトーマの言葉にジェイソンが軽快に続きを勝手に作り、脇腹に肘を打ち込まれていた。
「そういうことじゃなくて! ベネット様が本から会得した魔術のことです。遠視魔術、移動魔術、そして幻術……これらは4つのエレメンタルをどう組み合わせようと実現できないんですよ」
先の授業を後ろで聞きながらずっと考えていた。旧字体で書かれた城が所有する大量の書物、現時点でベネットとアオイの二人にしか発動できない魔術。ベネットは書物から多くの魔術を学んだ。しかしアオイはどこから学んだのか……。それだけではない、二人が使用する魔術に共通するのは、なんのエレメンタルが作用して発動しているのかが不明であることなのだ。
「治癒魔術もな。だがこれは高位僧侶も使っているぜ」
「彼らが崇められるのは聖書の朗読、聖歌隊の歌声、それによってもたらされる治癒なんです。聖書や聖歌……それらが詠唱を兼ねているとすれば……」
「お嬢様は術式をなぞる、という形で発動している。魔術の陣は描く順番も大事な要だ……それを自然と、または偶然か。本来の形式通りの順になぞっているのだろうね」
理解しようとすればするほど答えは遠ざかっていくばかりだ。ただ『特別な存在』というだけでトーマは納得できない。自分にできない領域への羨望もないわけではないが、考えてしまうのだ。解明できれば、自分にも為し得るのではないかと。
「ベネット様はエレメンタルの存在を知る前から移動魔術や幻術を使っていました。アオイの理屈から言えば、エレメンタルとビロスト、アンドーラの存在を理解することで魔術の発動条件は満たされます。しかしそうするとベネット様が魔術を発動できる理由に当てはまらない……それらはもしかすると、エレメンタルとは関係がないのか……黒魔術のように」
「じゃあ白魔術?」
「安直すぎんだろ」
自信たっぷりのジェイソンの意見はたやすく一蹴されてしまった。
ジェロシアの黒魔術はヒトの命を犠牲にして、魔術では行使できないあらゆる呪術を生み出すことが出来る。だとしたらあの二人は何を以って未知の魔術を行使しているのか。高位僧侶や聖歌隊は何を犠牲にして民たちに治癒をもたらしているのか。
「まぁつまり、あの城自体に何かあるってことだろ。高位僧侶の治癒魔術はきっと名残だ……類似したものは数多く点在していて、その多くが城の書庫に詰まっている」
「お嬢様はそれを生活に取り入れようとなさっているが……いま世界中で使われている魔術とは攻撃に特化したものだ。しかしそれも……昔は生活を楽にするために開発された術式なのかもしれない。戦争が、善きものを破壊の武器に変えてしまったのだよ」
自分たちが使っていた魔術も、誰かを助けるためや生活のためなどではなかった。優劣を明らかにするため、絶対的な力を誇示して弾圧する。魔術はいつだって破壊の先導に立っていたのだ。
「……アオイが、その変化させるものの側ではないといいんですがね」
「集めたものたちを兵隊に仕立てようと?」
「んな必要ねぇだろ、あいつの強さじゃあな」
「まぁ、そうですね」
前世においても魔術を使っていたのはトーマぐらいだった。魔術抜きでも勇者パーティーは圧倒的に強く、各々の力が単独であってもそれに勝るものが存在するなど思いもしなかった。
けれど国から追放され、ベネットと出会って、守りたいものができたから前世以上の強さを求め己を鍛え続けた。それなのに、それでも足りないと言うように、強大な力が次々と現れる。
アオイは長い間自分たちが出来なかったことをあっさり成し遂げた、数々の不可能が可能であることを証明してみせた、多くの民に希望と未来を与えた。だが……それが何のためなのかが不明瞭すぎる。『世界を救う』というのはあまりにもなおざりな言葉で、信憑性に欠けるのだ。
そして自分たちは知っている。救いと犠牲は表裏一体なのだと。何かの犠牲なしには誰も救えない。誰かを救うには誰かの命を奪うことになる。実際、そうなったではないか。『平和』を求めるにはその代償は『戦争』なのだ。
太陽が真上にのぼったところで昼の配給が始まる。汗まみれになっても、彼らの表情は涼し気で晴れやかだった。大地もところどころその景観を変え、畑になったり瓦礫が一ヵ所にまとめられたりと、一日も経っていないのに彼らの魔術における成長はめざましい。
魔獣の肉を食べることに躊躇いがあるだろう、という懸念から今日はいつもと比べると案外ふつうのメニューだった。猪肉と大鷲肉を刻んで捏ねたものを丸めて野菜と煮たスープに、ベネット特製の焼きたてパン。ちゃっかりアオイのイネも混ざっていた。
「転生局に行きたいですって?」
何人かに分かれて食事を取る中、トーマに相談を持ち掛けたのは書斎荒らしの男。
「はい……前世での資産が残っているはずなんです」
トーマはスプーンを握る手を止めてうぅんと唸る。
「まぁ、前世で指名手配をされるような覚えがなければ、残っているはずですよね」
「今まで自然に、前世を思い出したら転生局って頭になってたけど……一体どんな手を使えばあたしらの身分と家財の剥奪なんてできんだよ」
5杯目のおかわりをしながらドレアスは肉を頬張りぶつぶつ言ってむくれていた。
「不思議ですよね、前世での家族も転生者なら、探すこともできるんですから」
「転生局ってなに?」
「アオイにも知らないことあるんだ……」
自分の頭上からにゅっと出てきたアオイに驚いたベネットは空になった器を落としかける。しかし隣に座ってベネットにおかわりをねだっていたジェイソンによって地面に落下する前に事なきを得たのだった。
「まぁ、行く必要もなかったから外から見ただけなんだけど……」
「私たち前世の記憶をもつ……転生者は、記憶が戻ったらそこに行くんです。大半は資産引継ぎの手続きですね。家族が同じ転生者で、片方が再会の合意をしていたら面会もできます。前世での家にもう一度住みたいとか、逆に取り壊したいとか、転生局に登録して転生証明が認証されれば可能です」
「ふぅん……」
普段は何も食べなくていいからと断り続け、食事の際に姿を見せなかったアオイが赴いたことにベネットは喜ぶ。隣に座って和気あいあいと歓談する様に、トーマは面白くなくなって握っていたスプーンはぐにゃりと曲がり犠牲になってしまった。
共に食事の輪にいた難民たちはその多くが転生者ではないため、行くことのない転生局の話が新鮮なのか手を止めてベネットの話に耳を傾けていた。
「アオイさんは、転生者ではないのですか?」
「転生者という扱いに……なるんだろうね、前世があるし」
疑問に思っていたけれど聞くに聞けなかったことをさらりと聞いたベネットにも驚いたし、転生者であることを認めたアオイにも驚いた。驚いてドレアスは一度口に入ったはずの肉団子を器に落としている。さすがのトーマも言葉を失いひしゃげたスプーンは地面に落ちた。
「あんたまさか自分のことをよく分かってないとか……」
「ううん、ちゃんと分かってるよ。今までの家族も、今まで愛した人も、子供たちも。転生局は……なんだか異質すぎて近付かなかっただけだよ」
自分自身が異質のお前がなにを、という言葉をドレアスはなんとか飲み込む。そして家族、伴侶、子供の存在への追及も。処理しきれない情報が一気に押し寄せ頭をわしわしと掻きむしるが、自分の認識しているアオイと、新たに明らかになった人物像があまりに食い違いすぎて困惑するばかり。
「言われてみれば……まぁ、確かにそうかもしれません。私達はあそこがそういうものだと認識していましたからね。オートマタという種族……全てが同じ姿で生まれ、記憶を共有し合っている。特殊な種族によって転生局は管理されているんですよ」
「アレを種族と呼ぶの……」
その言葉に混ざるのは怒りか……それとも嫌悪か。
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