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長い放課後2
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「相坂さんって、お姉さんいたんだね」
「ああ、俺も昨日知り合ったばっかりなんだ。性格は全然違うよな」
「うん、なんか圧倒された」
たしかに、今見に愛想笑いをさせるとはかなりの強者かもしれない。
「でもさ、姉妹そろって美人とか最高だよな~」
「……そうね」
今見は若干不機嫌そうにこたえた。
「それぞれ個性があって、それがまた良いよな~」
「……」
彼女は俺の言葉を完全無視した。
「……ねえ」
しばらくして彼女は携帯をいじりながら聞いてきた。
「なんだ」
「……アンタさ、お姉さんのこと好きになったりしてないでしょうね?」
突然なにを言い出すんだこいつは。たしかに美人でスタイル良くて元気な女性は好きだが、きっと俺のことなど対象にはならないだろうから、そんなことは微塵も考えてなかった。
ていうか、なんでそんなこと気にしてるんだよ。
「まあ、素敵な人だとは思うけど、俺には好きな人がいるからな」
「相坂さんのこと言ってるの?」
「ひみつー」
いつも今見に教えてもらえないので仕返ししてみた。
「え~。でもいいや、知らぬが仏ってやつかもしれないから・・・」
なんだそれ。まるで俺の好きな人を知るのが悪いことみたいじゃないか。
「俺の好きな人知ったところでどうでもいいだろ?」
「・・・知らない」
自分のことなのに知らないってなんだよ・・・。
まあ、前に相坂さんに告白することは言ってあるから、だいたいの検討はついているんだろうけど。
あれこれ話しているうちに家に着いた。
「おじゃまします」
俺が鍵を開けると今見が先に家に上がり込むのは、いつものことだ。
そして俺の部屋に入るなり、ソファに座って携帯をいじり始めるのも当然のことになっている。
「なんか飲む?」
「うん」
俺の問いかけに彼女はソファから立ち上がり、冷蔵庫の前まで来た。
「なにがあるの?」
「コーラと牛乳と麦茶」
言われなくても冷蔵庫を見ているのだから分かるはずだが、俺は丁寧に答えた。
「じゃあ麦茶」
そう言って彼女は麦茶を取り出した。そして俺のコップを取って注いだ。
「前から気になってたけど、俺のコップ普通に使ってるよな」
「嫌なの?」
別に嫌ではない。今見みたいにかわいい女子に使われるのはきっとコップも喜んでいるだろう。
「そんなことはないけど、今度来客用にコップでも買っておこうかなって」
「だったらさ、今から買いに行こうよ。お金は私が出すから」
「今から? まあ、どうせ暇だからいいけど」
せっかく家に帰ってきたと思ったらまた出かけると思うと気が引けるが、今見がお金を出してくれるというのならお言葉に甘えておこう。
「コップを買うならどこに行こうか?」
「うーん、駅前のとこで良くない?」
駅前のとこというと、きっとショッピングモールのことを言っているのだろう。
「わかった。そしたら早速行くか」
「うん」
今見はそう言うと、麦茶を一気飲みし、カバンを取って外に向かった。俺もそれに合わせて向かう。
「ねえ・・・」
「ん?」
俺が鍵を閉めて彼女のほうを見ると、彼女は自転車の荷台に座っていた。
「まさかニケツして行くつもり?」
「だって、歩くのめんどいんだもん」
「まったく、仕方ないな」
俺らの間で恒例になりかけてる、二人乗りで店に向かうことにした。
「ああ、俺も昨日知り合ったばっかりなんだ。性格は全然違うよな」
「うん、なんか圧倒された」
たしかに、今見に愛想笑いをさせるとはかなりの強者かもしれない。
「でもさ、姉妹そろって美人とか最高だよな~」
「……そうね」
今見は若干不機嫌そうにこたえた。
「それぞれ個性があって、それがまた良いよな~」
「……」
彼女は俺の言葉を完全無視した。
「……ねえ」
しばらくして彼女は携帯をいじりながら聞いてきた。
「なんだ」
「……アンタさ、お姉さんのこと好きになったりしてないでしょうね?」
突然なにを言い出すんだこいつは。たしかに美人でスタイル良くて元気な女性は好きだが、きっと俺のことなど対象にはならないだろうから、そんなことは微塵も考えてなかった。
ていうか、なんでそんなこと気にしてるんだよ。
「まあ、素敵な人だとは思うけど、俺には好きな人がいるからな」
「相坂さんのこと言ってるの?」
「ひみつー」
いつも今見に教えてもらえないので仕返ししてみた。
「え~。でもいいや、知らぬが仏ってやつかもしれないから・・・」
なんだそれ。まるで俺の好きな人を知るのが悪いことみたいじゃないか。
「俺の好きな人知ったところでどうでもいいだろ?」
「・・・知らない」
自分のことなのに知らないってなんだよ・・・。
まあ、前に相坂さんに告白することは言ってあるから、だいたいの検討はついているんだろうけど。
あれこれ話しているうちに家に着いた。
「おじゃまします」
俺が鍵を開けると今見が先に家に上がり込むのは、いつものことだ。
そして俺の部屋に入るなり、ソファに座って携帯をいじり始めるのも当然のことになっている。
「なんか飲む?」
「うん」
俺の問いかけに彼女はソファから立ち上がり、冷蔵庫の前まで来た。
「なにがあるの?」
「コーラと牛乳と麦茶」
言われなくても冷蔵庫を見ているのだから分かるはずだが、俺は丁寧に答えた。
「じゃあ麦茶」
そう言って彼女は麦茶を取り出した。そして俺のコップを取って注いだ。
「前から気になってたけど、俺のコップ普通に使ってるよな」
「嫌なの?」
別に嫌ではない。今見みたいにかわいい女子に使われるのはきっとコップも喜んでいるだろう。
「そんなことはないけど、今度来客用にコップでも買っておこうかなって」
「だったらさ、今から買いに行こうよ。お金は私が出すから」
「今から? まあ、どうせ暇だからいいけど」
せっかく家に帰ってきたと思ったらまた出かけると思うと気が引けるが、今見がお金を出してくれるというのならお言葉に甘えておこう。
「コップを買うならどこに行こうか?」
「うーん、駅前のとこで良くない?」
駅前のとこというと、きっとショッピングモールのことを言っているのだろう。
「わかった。そしたら早速行くか」
「うん」
今見はそう言うと、麦茶を一気飲みし、カバンを取って外に向かった。俺もそれに合わせて向かう。
「ねえ・・・」
「ん?」
俺が鍵を閉めて彼女のほうを見ると、彼女は自転車の荷台に座っていた。
「まさかニケツして行くつもり?」
「だって、歩くのめんどいんだもん」
「まったく、仕方ないな」
俺らの間で恒例になりかけてる、二人乗りで店に向かうことにした。
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