完璧なまでの美しい僕は僕であり、あの世界の僕ではなかった。

あしやおでこ。

文字の大きさ
10 / 79
第一章。

味方のいない空間は、痛みで埋め尽くされている。

しおりを挟む


「まだだ、まだ、…あんたに聞きたいことがある」

セスを睨むように告げた。
そもそもそれこそが、僕がここを訪れた理由だ。

「はて…、神子様、時間を引き伸ばしたところで事態は変わりませんよ?」
「僕がここに…っ!」

背後の気配がゆっくりとベッドを軋ませて、僕のうなじに生温かい息を吹きかけた。
僕を見つめていたセスの視線は、僕を素通りし背後へ向けられる。

「魔術師様は…ずいぶんとせっかちなようでございますね」
「どれほど待ったと…、おい神子よ、俺にかまわず話せばいい」

そう言うなり、一際若い声の主である魔術師とやらは、背後からそっと腰を撫ではじめた。
ぞわぞわとした感触に身体はビクッと揺れる。

「っ…!触んな…」
「ふぅ…神子様…」

悪代官がやれやれと言わんばかりに肩を竦めた。

「貴方様の言葉遣いは神子様として如何なものかと…」
「は…?おい悪代官…、状況を考えろよ…こんな状況で…」
「状況を理解するべきは、お前だろ?神子よ」

腰を撫でていた両手は太ももや足の付け根から脇腹と、指先や手の甲で滑るように撫で回す。
くすぐったさと嫌悪感に身を捩ってみても、身体に装着された趣味の悪い装飾品がチャリチャリと音を立てるだけだ。

「ふざけんな、触んなっ!」
「教育のしがいが、ございますね、神子様」

そう言うなり、両乳首とマイサンを繋ぐ細いチェーンにセスの指がかかり、無遠慮にくいっと引っ張った。
感じたのは、経験したことのない痛みだった。

「ひッッ!!」

引いていた腰が反射的に浮いてしまい、控えめなマイサンである初々しいペニスと桃色のこぶりな乳首は、セスに向かい突き出した。
それでも尚、チェーンを引く指は弱まらない。

「痛っ…い!!」
「協力的であれば、痛い思いもせずに済んだだろうに。馬鹿な神子だ」

背後からは腰を両手で掴まれ、引かれるチェーンと真逆に力が加えられた。

「っっうぁ…、もげ、るっ!」
「はっ、もげやしねーよ」

乳首は見たことがないくらいに引攣れ、キリキリと千切れてしまいそうなほどに痛い。
魔術師とやらは鼻で笑う。
お前が変わってみやがれと、僕は心底思った。

ベッドがぎしりと、重みに耐えかねた歪む音をたてた。
ここへきての悪代官だ。 

引攣れて形を変えてしまった、桃色から痛々しい赤に染まる乳首の先端を、でっぷりとした指で弾かれた。

「あ"ぁっっ!!!」

強烈な刺激に、高い悲鳴があがり、目元は涙で滲んだ。

「ほほほっ、可愛らしい反応でございますね、神子様」

頬を紅潮させながら、さも楽しげに悪代官は笑う。


僕は何のために、この世界にきたんだ。

こんな苦痛と恥辱を受けるためなのか…、やはり、あの世界を欺いた罰なのだろうか。

この世界へ呼び寄せたであろう神様を、僕はそっと恨んだ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夜が明けなければいいのに(洋風)

万里
BL
大国の第三皇子・ルシアンは、幼い頃から「王位には縁のない皇子」として育てられてきた。輝く金髪と碧眼を持つその美貌は、まるで人形のように完璧だが、どこか冷ややかで近寄りがたい。 しかしその裏には、誰よりも繊細で、愛されたいと願う幼い心が隠されている。 そんなルシアンに、ある日突然、国の命運を背負う役目が降りかかる。 長年対立してきた隣国との和平の証として、敵国の大公令嬢への婿入り――実質的な“人質”としての政略結婚が正式に決まったのだ。 「名誉ある生贄」。 それが自分に与えられた役割だと、ルシアンは理解していた。 部屋に戻ると、いつものように従者のカイルが静かに迎える。 黒髪の護衛騎士――幼い頃からずっと傍にいてくれた唯一の存在。 本当は、別れが怖くてたまらない。 けれど、その弱さを見せることができない。 「やっとこの退屈な城から出られる。せいせいする」 心にもない言葉を吐き捨てる。 カイルが引き止めてくれることを、どこかで期待しながら。 だがカイルは、いつもと変わらぬ落ち着いた声で告げる。 「……おめでとうございます、殿下」 恭しく頭を下げるその姿は、あまりにも遠い。 その淡々とした態度が、ルシアンの胸に鋭く突き刺さる。 ――おめでとうなんて、言わないでほしかった。 ――本当は、行きたくなんてないのに。 和風と洋風はどちらも大筋は同じようにしようかと。ところどころ違うかもしれませんが。 お楽しみいただければ幸いです。

俺の居場所を探して

夜野
BL
 小林響也は炎天下の中辿り着き、自宅のドアを開けた瞬間眩しい光に包まれお約束的に異世界にたどり着いてしまう。 そこには怪しい人達と自分と犬猿の仲の弟の姿があった。 そこで弟は聖女、自分は弟の付き人と決められ、、、 このお話しは響也と弟が対立し、こじれて決別してそれぞれお互い的に幸せを探す話しです。 シリアスで暗めなので読み手を選ぶかもしれません。 遅筆なので不定期に投稿します。 初投稿です。

【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?

キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。 知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。 今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど—— 「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」 幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。 しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。 これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。 全8話。

学園ものに転生した悪役の男について

ひいきにみゐる
BL
タイトルの通りにございます。文才を褒められたことはないので、そういうつもりで見ていただけたらなと思います。

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日
BL
大量の魔獣によって国が襲われていた。 最後の手段として行った召喚の儀式。 儀式に巻き込まれ、別世界に迷い込んだ拓。 剣と魔法の世界で、魔法が使える様になった拓は冒険者となり、 鍛えられた体、体、身体の逞しい漢達の中で欲望まみれて生きていく。 マッチョ、ガチムチな男の絡みが多く出て来る予定です。 苦手な方はご注意ください。

嫌われ者の長男

りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。 ----------------------------------------- 0時,6時,12時,18時に1話ずつ更新

処理中です...