【完結/改稿済】転生して妖狐の『嫁』になった話

那菜カナナ

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第2章:馴れ初め

09.公然もふもふ罪

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 好きにしていい? 俺が? リカさんを?

「さぁ、どうぞ」

 余裕綽々よゆうしゃくしゃくって感じだ。信頼してくれてるんだな。嬉しい……のに、何でだろう? 凄くもやもやする。

「あっ」

 体が動き出した。俺の意思じゃない。勝手に動いてる。

「おっ! 始まったぞ」

「大丈夫かニャ?」

 黙々と歩いてリカさんの背後へ。おい、俺。一体何をする気だ――。

「う゛え゛っ!?」

「おっと……」

 なっ、何ってこった!? あろうことか俺はリカさんの尻尾を鷲掴わしづかみにしてしまった。~~っ、確かにメチャメチャ気になってはいたけれども!!! 思う存分堪能したいとは思っていたけれども!!!!

「~~っ、もうちょっと……何かあんだろ」

「こんのガキィ~~~~っ!!!!! 歯ぁ食いしばれええぇええ!!!!!!!」

「ひぃいいぃいいい!!?」

「落ち着いて、大五郎だいごろう。大丈夫だから」

「看過出来ませぬ。貴方様相手に斯様かような――ぬおぉっ!!?」

「あ゛」

 もみもみ……いや、もふもふし出した。俺の手が。リカさんの尻尾を。

「わっ……! おっ、ふぉ~~♡♡♡」

 ふわふわだ!! それにあったかい!!! 揉む度に形が変わってく。ああ♡ 堪んねえ~♡♡♡

「……っ、熱烈、だね」

「っ!!!」

 リカさんの肩が震えてる。おっ、怒ってる!? まっ、マズい!!

「りっ、リカさん! 手を、俺の手を止めてくださ――ふごっ!!??」

 ぎゃああぁあああああああ!!!???? 顔を埋めてしまった。リカさんの尻尾に。これはもうアレだろ。人間で言えばパフパフ的な。

「んっ」

「っ!」

 リカさんの口から悩まし気な声が。えっろ………………………………じゃなくてぇ!!!!!!

「もう生かしちゃおけねえ!!! 覚悟しろい!!!!!」

「んんんんん!!!」

 死ぬ! 死ぬ!! 死ぬうぅうぅう!!!!

カイ

「ん? うぉ!!??」

 手が動く!! 足も動くぞ!!!

「ふぐおぉおおお!!」

 全力で後退する。

「おっ!? とっとと!! ~~っ、てぇ……」

 バランスを崩して尻もちをついてしまった。痛い。でも、今は。

「すみませんでした!!!!」

 その場で土下座をした。赦しの声は届きそうにない。だっ、だよな。うう゛っ、穴があったら入りたい……。

「あ……その……見ての通りだよ! 優太は無害だ。悪意もなければ、危害を加える意思もない。ただちょっとその……好奇心旺盛なだけで」

「「「…………」」」

「わっ、分かった! それじゃあ、しばらくはみんなには触れられないようにして……。それから……そうだ! 私の監督下に置くとしよう。決して1人では行動させない。これなら安心だよね?」

「「「…………」」」

 異論なし。ひとまずOKってことか。よっ、良かった。とはいえ、超マイナスからのスタートだ。こりゃ相当頑張らないと……っ!? あれは何だ? 黒猫? 後ろ足で立ってる。桃色の着物+前掛け姿で、木の陰からじーっとこっちを見てて。

「っ、可愛い♡♡♡」

椿つばき? どうしたの?」

「ニャニャ!」

 駆けてくる。今度は4本の足を使って。

「六花様! 六花様!」

 来た。2本の足で立ち上がる。背の高さは幼稚園の子供ぐらいか。全身真っ黒で目の色は緑。丸顔で体格は少しぽっちゃりめだ。黒くて短い毛が、椿ちゃんの呼吸に合わせて上下に小さく揺れている。くっ! モフりたい。でも、ダメだ。堪えろ、俺!!!!

「椿もニンゲンに命令してみたいですニャ!」

「へっ?」

「ん?」


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