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プロローグ
第三話 安眠の邪魔をする狼
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「グルルルルルゥ」
六頭の狼が目を光らせながらこちらをにらみつけている。
大きさは大型犬の二倍くらいの大きさだ。
「とりあえず〈鑑定〉を使ってみるか」
ー--------------
名前 森狼 LV.6
体力 400/400
魔力 0/0
攻撃 600
防護 500
俊敏性 1000
弱点
・土属性
主に四から八頭の群れで行動し、素早い動きで獲物を捕まえる。
肉はそれなりに美味しい。
ー--------------
「弱点は土か……」
本来ならここで〈土弾〉を撃ってさっさと倒してしまうのが正しいだろう。
ただ俺は、
「〈土弾〉を使うと肉が穴だらけになりそうだな」
そう。今の俺はお腹が凄くすいているのだ。そのため、身の安全<食事という状態になっている。それほどまで今の俺は腹が減っているのだ。しかも〈鑑定〉によると肉は美味しいらしい。
(〈風刀〉で首を狙えば流石に倒せるよな…)
そう思いながら俺は森狼へと狙いを定め、〈風刀〉を撃った。
〈風刀〉は森狼の方へ一直線に飛んでいき、
「グガッ」
という音とともに二頭まとめて首を切った。
「よし!残り四頭もこの調子でいけば倒せるな」
「グルルルル」
目の前で仲間が倒されたということもあり、俺の方を見ながら警戒していた。
俺は確実に倒せるように〈風刀〉を四つ同時に飛ばした。
しかし、首を切ることができたのは二頭のみで、残りの二頭は素早い動きでかわしてきた
(マジか、これ避けてくるのかよ……)
確かによけられないスピードではないが、それでもよけられたとなると多少動揺してしまう。
そして二頭は木に足をかけた。
恐らく登ってくるつもりだろう。
「…流石にそれは無理があるだろ…」
なにせここは高さ十メートルだ。どう考えても登れ無いだろう。
(いや…ここの世界は異世界なんだ。今までの常識は通用しない。なんかの間違いで登って来るってこともある……かなあ?)
結論から言うと一メートルも登ることは出来なかった。
(まあ、狼だし…むしろ狼が十メートルの木を登れるなんてどの世界でもありえないよな)
ただなんかのミラクルパワーで登って来ることに少しだけ期待していた俺は少しだけがっかりした。
その後、俺は森狼が木に登るのに夢中になっているスキに〈風刀〉を撃って首を綺麗に切った。
「や……やっと食事にありつける」
俺は木から降りると〈アイテムボックス〉の中に五頭の森狼の死骸を入れた。〈アイテムボックス〉に収納しようと思いながら使ってみると、目の前に森狼五頭が丁度入るくらいの魔法陣のような円が現れたかと思うと、突然森狼が消え、それと共に円も消えた。今度は森狼を五頭出してみようと思いながら使ってみるとさっきと同じように魔法陣のような円が現れ、そこからせりあがるようにして出てきた。そして、出てきた瞬間に円は消えた。他にも小石で試してみると、円の大きさはそれに合わせて小さくなった。
その後、再び森狼五頭を〈アイテムボックス〉に入れ、残りの一頭は食べるために俺の前に置いた。
「どうしよう…動物の解体の仕方なんて知らないよ……」
とりあえず今は一刻も早く食べたい。しかし、人間というのは空腹状態になると頭が全然回らない。本来ならもっといい方法があったのだろうが……
「〈風刀〉で取り敢えず肉が食べられるように切れば良いか~」
俺は〈風刀〉で食べられるように細切れにした。
ちなみに骨は細切れにするときに出てきたから引っこ抜いてそこら辺に捨てて置いた。
「後は焼く為に木の枝を持ってくるか……」
まあ、木の枝をそこら辺から拾って来る訳ではなく、木を細切れにしたやつを持ってきたのだから木の枝というよりは木片と言ったほうが良いだろう。
「あとは〈火球〉で火をつければ立派な焼肉ができる」
そう言って俺は〈火球〉で木の枝に火をつけた。
この時に気がついたことなのだが、〈結界〉以外の魔法でも、多少集中してやればこめる魔力の量に応じて威力を変えることができた。
おかげで丁度いい火の大きさになった。
あとは木の枝に肉を刺していい感じに焼けば完成だ。
「あ~いい匂いがしてきた…早く食べたい…」
三分ほど焼いたところでいい感じに焼けてきたので口に入れてみた。
「あ、あつっ!あふい!」
焼き立ての肉は熱かったが、それ以上に美味しかった。
ちょっと獣臭さが残っているがそれは仕方のないことだ。
あと、焼肉のタレをつけていないので思ったよりも味が薄い。ていうか焼き肉のタレをつけずに食べるのはなにげに今日が初めてだ。
一先ず俺は一頭分の肉は全て焼いた。
「は~食った食った」
狼一頭分の肉は思ったよりも多かったので、一頭を一食で食べることはできず、焼いたうちの半分は食べ、半分は〈アイテムボックス〉に入れておいた。
「あとは……」
横にあるのは森狼の頭、毛皮、骨、内臓だ。今見て思ったが森狼は前の世界にいた狼よりも毛が緑がかっていた。
(流石にここに放置したら別の魔物が寄ってきそうだし朝、異臭がヤバそう……)
頭は討伐した記念(?)という形で〈アイテムボックス〉の中に入れておいた。
骨と毛皮と内臓はどうするか悩んだ。
(こういうのは土に埋めるのがいいとは思うんだけど……)
内臓を持つのはちょっと気が引ける。それについて何とかならないだろうか…
「そうだ!〈火球〉で消し炭にしちゃえばいいんだ」
我ながらグッドアイデアだと思いつつ、〈火球〉をそこに向けて撃ってみた。
煙が消えたところで見てみると、内臓は完全に消し炭となり、骨はまだ原型を残していた。ただ、毛皮は何故か少し焦げるだけだった。
「まあ、ここまでやったならいいか……ん?」
内臓を焼いたところに直径二センチメートルで半透明の薄紫色の石がいくつかあった。断面から見るに元々一つの石であることはすぐに分かった。
「なんだこれ?森狼の中にこんなものがあるのか?」
何なのかはよくわからなかったが貴重そうなものなので、これも〈アイテムボックス〉の中に入れておいた。
そして、残りは〈風刀〉で上手いこと掘った穴の中に放り込んどいた。
「そういえばLVってどのくらい上がったのかな?」
さっき二上がったので、今度は十くらい上がるかな?と思いながらステータスを見てみたが、五しか上がらなかった。
「上がり具合的にLVっていうのはだんだん上がりにくくなるんだな…」
前の世界でやっていたゲームでも後半になるにつれてLV上げは大変になっていったし、それと同じだと思えば特に不満はない。
このまま使える魔法が増えたか確認しようとしたが、満腹になったこともあり、急に眠くなった。
「魔法は明日確認しよっと……」
そういいながら俺は木の上へと登った。
(寝返りを打ちまくって木の下に落ちませんように…)
俺は神様に祈り(?)をささげてからすぐに意識を手放した。
六頭の狼が目を光らせながらこちらをにらみつけている。
大きさは大型犬の二倍くらいの大きさだ。
「とりあえず〈鑑定〉を使ってみるか」
ー--------------
名前 森狼 LV.6
体力 400/400
魔力 0/0
攻撃 600
防護 500
俊敏性 1000
弱点
・土属性
主に四から八頭の群れで行動し、素早い動きで獲物を捕まえる。
肉はそれなりに美味しい。
ー--------------
「弱点は土か……」
本来ならここで〈土弾〉を撃ってさっさと倒してしまうのが正しいだろう。
ただ俺は、
「〈土弾〉を使うと肉が穴だらけになりそうだな」
そう。今の俺はお腹が凄くすいているのだ。そのため、身の安全<食事という状態になっている。それほどまで今の俺は腹が減っているのだ。しかも〈鑑定〉によると肉は美味しいらしい。
(〈風刀〉で首を狙えば流石に倒せるよな…)
そう思いながら俺は森狼へと狙いを定め、〈風刀〉を撃った。
〈風刀〉は森狼の方へ一直線に飛んでいき、
「グガッ」
という音とともに二頭まとめて首を切った。
「よし!残り四頭もこの調子でいけば倒せるな」
「グルルルル」
目の前で仲間が倒されたということもあり、俺の方を見ながら警戒していた。
俺は確実に倒せるように〈風刀〉を四つ同時に飛ばした。
しかし、首を切ることができたのは二頭のみで、残りの二頭は素早い動きでかわしてきた
(マジか、これ避けてくるのかよ……)
確かによけられないスピードではないが、それでもよけられたとなると多少動揺してしまう。
そして二頭は木に足をかけた。
恐らく登ってくるつもりだろう。
「…流石にそれは無理があるだろ…」
なにせここは高さ十メートルだ。どう考えても登れ無いだろう。
(いや…ここの世界は異世界なんだ。今までの常識は通用しない。なんかの間違いで登って来るってこともある……かなあ?)
結論から言うと一メートルも登ることは出来なかった。
(まあ、狼だし…むしろ狼が十メートルの木を登れるなんてどの世界でもありえないよな)
ただなんかのミラクルパワーで登って来ることに少しだけ期待していた俺は少しだけがっかりした。
その後、俺は森狼が木に登るのに夢中になっているスキに〈風刀〉を撃って首を綺麗に切った。
「や……やっと食事にありつける」
俺は木から降りると〈アイテムボックス〉の中に五頭の森狼の死骸を入れた。〈アイテムボックス〉に収納しようと思いながら使ってみると、目の前に森狼五頭が丁度入るくらいの魔法陣のような円が現れたかと思うと、突然森狼が消え、それと共に円も消えた。今度は森狼を五頭出してみようと思いながら使ってみるとさっきと同じように魔法陣のような円が現れ、そこからせりあがるようにして出てきた。そして、出てきた瞬間に円は消えた。他にも小石で試してみると、円の大きさはそれに合わせて小さくなった。
その後、再び森狼五頭を〈アイテムボックス〉に入れ、残りの一頭は食べるために俺の前に置いた。
「どうしよう…動物の解体の仕方なんて知らないよ……」
とりあえず今は一刻も早く食べたい。しかし、人間というのは空腹状態になると頭が全然回らない。本来ならもっといい方法があったのだろうが……
「〈風刀〉で取り敢えず肉が食べられるように切れば良いか~」
俺は〈風刀〉で食べられるように細切れにした。
ちなみに骨は細切れにするときに出てきたから引っこ抜いてそこら辺に捨てて置いた。
「後は焼く為に木の枝を持ってくるか……」
まあ、木の枝をそこら辺から拾って来る訳ではなく、木を細切れにしたやつを持ってきたのだから木の枝というよりは木片と言ったほうが良いだろう。
「あとは〈火球〉で火をつければ立派な焼肉ができる」
そう言って俺は〈火球〉で木の枝に火をつけた。
この時に気がついたことなのだが、〈結界〉以外の魔法でも、多少集中してやればこめる魔力の量に応じて威力を変えることができた。
おかげで丁度いい火の大きさになった。
あとは木の枝に肉を刺していい感じに焼けば完成だ。
「あ~いい匂いがしてきた…早く食べたい…」
三分ほど焼いたところでいい感じに焼けてきたので口に入れてみた。
「あ、あつっ!あふい!」
焼き立ての肉は熱かったが、それ以上に美味しかった。
ちょっと獣臭さが残っているがそれは仕方のないことだ。
あと、焼肉のタレをつけていないので思ったよりも味が薄い。ていうか焼き肉のタレをつけずに食べるのはなにげに今日が初めてだ。
一先ず俺は一頭分の肉は全て焼いた。
「は~食った食った」
狼一頭分の肉は思ったよりも多かったので、一頭を一食で食べることはできず、焼いたうちの半分は食べ、半分は〈アイテムボックス〉に入れておいた。
「あとは……」
横にあるのは森狼の頭、毛皮、骨、内臓だ。今見て思ったが森狼は前の世界にいた狼よりも毛が緑がかっていた。
(流石にここに放置したら別の魔物が寄ってきそうだし朝、異臭がヤバそう……)
頭は討伐した記念(?)という形で〈アイテムボックス〉の中に入れておいた。
骨と毛皮と内臓はどうするか悩んだ。
(こういうのは土に埋めるのがいいとは思うんだけど……)
内臓を持つのはちょっと気が引ける。それについて何とかならないだろうか…
「そうだ!〈火球〉で消し炭にしちゃえばいいんだ」
我ながらグッドアイデアだと思いつつ、〈火球〉をそこに向けて撃ってみた。
煙が消えたところで見てみると、内臓は完全に消し炭となり、骨はまだ原型を残していた。ただ、毛皮は何故か少し焦げるだけだった。
「まあ、ここまでやったならいいか……ん?」
内臓を焼いたところに直径二センチメートルで半透明の薄紫色の石がいくつかあった。断面から見るに元々一つの石であることはすぐに分かった。
「なんだこれ?森狼の中にこんなものがあるのか?」
何なのかはよくわからなかったが貴重そうなものなので、これも〈アイテムボックス〉の中に入れておいた。
そして、残りは〈風刀〉で上手いこと掘った穴の中に放り込んどいた。
「そういえばLVってどのくらい上がったのかな?」
さっき二上がったので、今度は十くらい上がるかな?と思いながらステータスを見てみたが、五しか上がらなかった。
「上がり具合的にLVっていうのはだんだん上がりにくくなるんだな…」
前の世界でやっていたゲームでも後半になるにつれてLV上げは大変になっていったし、それと同じだと思えば特に不満はない。
このまま使える魔法が増えたか確認しようとしたが、満腹になったこともあり、急に眠くなった。
「魔法は明日確認しよっと……」
そういいながら俺は木の上へと登った。
(寝返りを打ちまくって木の下に落ちませんように…)
俺は神様に祈り(?)をささげてからすぐに意識を手放した。
応援ありがとうございます!
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