久しぶりに異世界召喚に巻き込まれたおっさんの俺は、どう考えても一緒に召喚された勇者候補よりも強い

 高柳 陸はどこにでもいるサラリーマン。
 
 満員電車に揺られて上司にどやされ、取引先には愛想笑い。
 彼女も居ないごく普通の男である。

 そんな彼が定時で帰宅しているある日、どこかの飲み屋で一杯飲むかと考えていた。
 繁華街へ繰り出す陸。
 まだ時間が早いので学生が賑わっているなと懐かしさに目を細めている時、それは起きた。

 陸の前を歩いていた男女の高校生の足元に紫色の魔法陣が出現した。
 まずい、と思ったが少し足が入っていた陸は魔法陣に吸い込まれるように引きずられていく。

 魔法陣の中心で困惑する男女の高校生と陸。そして眼鏡をかけた女子高生が中心へ近づいた瞬間、目の前が真っ白に包まれる。

 次に目が覚めた時、男女の高校生と眼鏡の女子高生、そして陸の目の前には中世のお姫様のような恰好をした女性が両手を組んで声を上げる。

 「異世界の勇者様、どうかこの国を助けてください」と。

 困惑する高校生に自分はこの国の姫でここが剣と魔法の世界であること、魔王と呼ばれる存在が世界を闇に包もうとしていて隣国がそれに乗じて我が国に攻めてこようとしていると説明をする。
 
 元の世界に戻る方法は魔王を倒すしかないといい、高校生二人は渋々了承。
 なにがなんだか分からない眼鏡の女子高生と陸を見た姫はにこやかに口を開く。

 『あなた達はなんですか? 自分が召喚したのは二人だけなのに』

 そう言い放つと城から追い出そうとする姫。
 
 そこで男女の高校生は残った女生徒は幼馴染だと言い、自分と一緒に行こうと提案。
 残された陸は慣れた感じで城を出て行くことに決めた。

 「さて、久しぶりの異世界だが……前と違う世界みたいだな」

 陸はしがないただのサラリーマン。
 しかしその実態は過去に異世界へ旅立ったことのある経歴を持つ男だった。

 今度も魔王がいるのかとため息を吐きながら、陸は以前手に入れた力を駆使し異世界へと足を踏み出す――
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