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十章:夏那
268.お久しぶりのロカリス国
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『俺が変身して連れて行けばいいのではないか?』
「ソアラが驚いちゃうから駄目よ。この山を越えれば後はロカリス国へ行くだけね」
【とりあえずわたし達のことを話さないといけませんね】
ドワーフ達と別れた後、神殿を後にしたあたし達は再び山を登っていく。グランさんがドラゴンで連れて行ってくれるといってくれたけどソアラと荷台を運ぶ手段が無いためお断りした。
荷台は放棄しないといけないし、ソアラが怖がりそうだもんね。
まあ、ソアラはあたしが火口に落ちたのを見ていたらしく、近づいたら顔を擦り付けて来た。『無茶をしないでください』といった感じで鳴いていた。
グランさんはあたしの身体に居るけど、話すときはウィンディア様みたいに姿を現すことが出来ていたりする・
『ま、俺は別にゆっくりでもいいが……それにしても魔族と和解とは五十年前から考えるとあり得ないぜ』
「複雑な要素が絡み合っていた結果だからね。ひとまず、みんなを見つけないことには次にいけないわ」
【そうですね……対策も考えないといけないですし】
先ほどの戦闘も転移で逃げられたはずなので、やはりあの能力……魔法をなんとかしないと二の舞になるのは間違いないと思う。
「うーむ……このまま合流するのは危険かもしれないわね」
『転移魔法とはまたレアな能力を持っているな。あの女、確かに異質な力を感じた』
「ただ戦うだけなら、この槍も手に入れたから勝負にはなると思うんだけどね。大剣は勿体なかったけどこれと交換ならアリかしら」
『俺の宝の中だとかなりの得物だ。他にも持って来ただろ』
【この炎と氷が対になっているダガーはオシャレでいいですねえ】
そして祭壇を発つ前に行ったグランさんの宝物庫から持ち出した武具とアイテムも荷台に載せていた。
槍は赤い柄をし、槍の先はゲームとかである突撃槍のような感じで、薄っすらとオレンジがかっている刃がある。前に使っていた槍よりも先が長いので斬撃にも使えると思う。
そしてレスバは言っているように火と氷のダガーを貰っていた。確かに色がキレイでまるで宝石を振り回しているような印象を受ける。
「水樹の弓もあるし、合流したら訓練をしたいわね」
【ロカリスへ行ったら少しやりますか?】
「それもアリね」
最初に召喚された国であるロカリス。
そういえばあそこでかなりの訓練をしたわねえ……そんなことを考えていると、頂上へ到着した。
「あ、いい眺め!」
【おお、ここから緑が見えますね……! 確かにドワーフ達の国に比べたら木々は多いかも?】
「これでも少ないんだけどね。木材はエラトリアから仕入れているって言ってたし」
【へえ。あの小さく見えるのが王都ですかね? 急ぎましょう】
あたし達は下山をし、休憩を挟みつつ移動を重ねた。
山から見ると行けそうだったけど、結局山から三日ほどかけて王都へと到着したのだった。
「いやあ、久しぶりねー」
「おや、あなたは……!? ゆ、勇者様!? 陛下と姫様に伝達を!」
「ありゃ、覚えていてくれたのね」
「それは当然です! ……しかし、他の勇者様は? 違う方ですね?」
「ちょっとね。エピカリス様に会いたいと思っていたからありがたいわ」
門に到着すると門番さんがあたしを見て驚愕し、すぐに笑顔になった。別の門番さんへ指示を出していた。
まだ覚えられていたのは素直に嬉しかったのと、どうやって城に入れてもらおうか悩んでいたので良かったのもある。
「それじゃあたし達はお城へ向かえばいいわね?」
「ええ。伝達してあるので問題ないかと。まあ、勇者様なら顔パスはありそうですが」
【凄いですねえ】
そういって笑う門番さんを尻目に、あたし達は道を進む。その途中、見知った子と馬を見つけた。そこでソアラが一声鳴いた。
【どうしたんですかソアラ?】
「あ、テッドくんとハリヤー!」
「え? ああ!? リクさんと一緒に居たお姉さん! 久しぶり!」
【お知り合いですか?】
「まあリクのって言った方が正しいかな? 馬のハリヤーはソアラのおじいちゃんなの。アキラスを倒すときに死にかけてまで助けてくれたのよ」
【ほう】
ソアラがハリヤーに近づくと首を寄せて『久しぶり』という感じで鳴いていた。ハリヤーは『老い先短い身体が役に立つと思っただけです』と目で訴えていた。
「リクさんは……?」
「あー、ちょっとはぐれちゃって……あたしだけ戻って来たの」
「そうなんだ。父さんも母さんも元気だよって言いたかったんだけどなあ」
「大丈夫、また会えるわ! テッド君がそう言っていたって」
「うん!」
手を振ってテッド君に挨拶をする。
ソアラが歩き出したところで、ハリヤーが着いてきた。
「どうしたのハリヤー?」
【着いて来るんですか?】
「今からお城へ行くんだけど……ソアラと話したいのかしら?」
するとハリヤーがそうだと言わんばかりに鳴いた。あたしは少し考えた後、テッド君へ尋ねる。
「テッド君、時間はある? 良かったら一緒にお城まで来ない? ハリヤーがソアラと久しぶりに会ったから話したいみたい」
「え? お、お城? うーん、お父さん達に聞いてみないと分からないかな……」
「テッド、行ってこい」
「え?」
テッド君は真面目に考えて唸りを上げていた。子供だったら即答しそうなものだけど、きちんと両親の了解を得ないといけないことが分かっていた。そこでテッド君のお父さんが現れた。
「どうもご無沙汰しております。リク様は居ないようですな」
「ええ、ちょっと遠いところで行動してます」
「なるほど……ここへ戻られたということはなにかあるのでしょう。ハリヤーが役に立つなら連れて行ってください」
「いいんですか?」
「はい。テッド、いい機会だし、連れて行ってもらえ。こういうのもなにかの役に立つかもしれん」
「うん! 行こう、ハリヤー!」
お父さんは笑顔でハリヤーの上にテッド君を乗せた。そのままあたし達の馬車と並走してお城まで歩いていく。
そして城門へ到着するとそこには騎士団長のプラヴァスさんが待っていた。
「カナさん、お久しぶりだ! 良かった、元気そうで!」
「お久しぶりです!」
「……リクが居ないと聞きました。話を聞いても?」
「そのつもりで来ました」
あたしが神妙な顔でそう答えると、プラヴァスさんは小さく頷いた後、城内へ案内してくれた。
「ソアラが驚いちゃうから駄目よ。この山を越えれば後はロカリス国へ行くだけね」
【とりあえずわたし達のことを話さないといけませんね】
ドワーフ達と別れた後、神殿を後にしたあたし達は再び山を登っていく。グランさんがドラゴンで連れて行ってくれるといってくれたけどソアラと荷台を運ぶ手段が無いためお断りした。
荷台は放棄しないといけないし、ソアラが怖がりそうだもんね。
まあ、ソアラはあたしが火口に落ちたのを見ていたらしく、近づいたら顔を擦り付けて来た。『無茶をしないでください』といった感じで鳴いていた。
グランさんはあたしの身体に居るけど、話すときはウィンディア様みたいに姿を現すことが出来ていたりする・
『ま、俺は別にゆっくりでもいいが……それにしても魔族と和解とは五十年前から考えるとあり得ないぜ』
「複雑な要素が絡み合っていた結果だからね。ひとまず、みんなを見つけないことには次にいけないわ」
【そうですね……対策も考えないといけないですし】
先ほどの戦闘も転移で逃げられたはずなので、やはりあの能力……魔法をなんとかしないと二の舞になるのは間違いないと思う。
「うーむ……このまま合流するのは危険かもしれないわね」
『転移魔法とはまたレアな能力を持っているな。あの女、確かに異質な力を感じた』
「ただ戦うだけなら、この槍も手に入れたから勝負にはなると思うんだけどね。大剣は勿体なかったけどこれと交換ならアリかしら」
『俺の宝の中だとかなりの得物だ。他にも持って来ただろ』
【この炎と氷が対になっているダガーはオシャレでいいですねえ】
そして祭壇を発つ前に行ったグランさんの宝物庫から持ち出した武具とアイテムも荷台に載せていた。
槍は赤い柄をし、槍の先はゲームとかである突撃槍のような感じで、薄っすらとオレンジがかっている刃がある。前に使っていた槍よりも先が長いので斬撃にも使えると思う。
そしてレスバは言っているように火と氷のダガーを貰っていた。確かに色がキレイでまるで宝石を振り回しているような印象を受ける。
「水樹の弓もあるし、合流したら訓練をしたいわね」
【ロカリスへ行ったら少しやりますか?】
「それもアリね」
最初に召喚された国であるロカリス。
そういえばあそこでかなりの訓練をしたわねえ……そんなことを考えていると、頂上へ到着した。
「あ、いい眺め!」
【おお、ここから緑が見えますね……! 確かにドワーフ達の国に比べたら木々は多いかも?】
「これでも少ないんだけどね。木材はエラトリアから仕入れているって言ってたし」
【へえ。あの小さく見えるのが王都ですかね? 急ぎましょう】
あたし達は下山をし、休憩を挟みつつ移動を重ねた。
山から見ると行けそうだったけど、結局山から三日ほどかけて王都へと到着したのだった。
「いやあ、久しぶりねー」
「おや、あなたは……!? ゆ、勇者様!? 陛下と姫様に伝達を!」
「ありゃ、覚えていてくれたのね」
「それは当然です! ……しかし、他の勇者様は? 違う方ですね?」
「ちょっとね。エピカリス様に会いたいと思っていたからありがたいわ」
門に到着すると門番さんがあたしを見て驚愕し、すぐに笑顔になった。別の門番さんへ指示を出していた。
まだ覚えられていたのは素直に嬉しかったのと、どうやって城に入れてもらおうか悩んでいたので良かったのもある。
「それじゃあたし達はお城へ向かえばいいわね?」
「ええ。伝達してあるので問題ないかと。まあ、勇者様なら顔パスはありそうですが」
【凄いですねえ】
そういって笑う門番さんを尻目に、あたし達は道を進む。その途中、見知った子と馬を見つけた。そこでソアラが一声鳴いた。
【どうしたんですかソアラ?】
「あ、テッドくんとハリヤー!」
「え? ああ!? リクさんと一緒に居たお姉さん! 久しぶり!」
【お知り合いですか?】
「まあリクのって言った方が正しいかな? 馬のハリヤーはソアラのおじいちゃんなの。アキラスを倒すときに死にかけてまで助けてくれたのよ」
【ほう】
ソアラがハリヤーに近づくと首を寄せて『久しぶり』という感じで鳴いていた。ハリヤーは『老い先短い身体が役に立つと思っただけです』と目で訴えていた。
「リクさんは……?」
「あー、ちょっとはぐれちゃって……あたしだけ戻って来たの」
「そうなんだ。父さんも母さんも元気だよって言いたかったんだけどなあ」
「大丈夫、また会えるわ! テッド君がそう言っていたって」
「うん!」
手を振ってテッド君に挨拶をする。
ソアラが歩き出したところで、ハリヤーが着いてきた。
「どうしたのハリヤー?」
【着いて来るんですか?】
「今からお城へ行くんだけど……ソアラと話したいのかしら?」
するとハリヤーがそうだと言わんばかりに鳴いた。あたしは少し考えた後、テッド君へ尋ねる。
「テッド君、時間はある? 良かったら一緒にお城まで来ない? ハリヤーがソアラと久しぶりに会ったから話したいみたい」
「え? お、お城? うーん、お父さん達に聞いてみないと分からないかな……」
「テッド、行ってこい」
「え?」
テッド君は真面目に考えて唸りを上げていた。子供だったら即答しそうなものだけど、きちんと両親の了解を得ないといけないことが分かっていた。そこでテッド君のお父さんが現れた。
「どうもご無沙汰しております。リク様は居ないようですな」
「ええ、ちょっと遠いところで行動してます」
「なるほど……ここへ戻られたということはなにかあるのでしょう。ハリヤーが役に立つなら連れて行ってください」
「いいんですか?」
「はい。テッド、いい機会だし、連れて行ってもらえ。こういうのもなにかの役に立つかもしれん」
「うん! 行こう、ハリヤー!」
お父さんは笑顔でハリヤーの上にテッド君を乗せた。そのままあたし達の馬車と並走してお城まで歩いていく。
そして城門へ到着するとそこには騎士団長のプラヴァスさんが待っていた。
「カナさん、お久しぶりだ! 良かった、元気そうで!」
「お久しぶりです!」
「……リクが居ないと聞きました。話を聞いても?」
「そのつもりで来ました」
あたしが神妙な顔でそう答えると、プラヴァスさんは小さく頷いた後、城内へ案内してくれた。
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