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十章:夏那
267.仲がいいとか悪いとか
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「あたし……どうして?」
【ふぐおおおお……】
起き上がってから改めて冷静になると、おかしなことだと気づく。火口に捨てられたレスバがここに居るのも、落ちたあたしが祭壇に居て生きているのも。
『その悶絶している娘がお前を助けたのだ』
「グランさん、正気に戻ったの? あ! そういえばアヤネは……!」
『……あの恐るべき者は消えていた。魔族の娘がお前を引き上げた時には居なかったそうだ』
「レスバが……?」
あたしがレスバに目を向けると、彼女は復活して顔を近づけて来た。
【そーですよ! ……傷を受けて落とされたのですが、気づけば火口途中にある崖に居ました。傷も無く、不思議に思っていたところで上から声が聞こえてくるじゃあありませんか】
致命傷だったはずなのにレスバは生きていた。
目を覚ました直後、上からあたしが落ちているのを見つけ、慌てて飛んでいったという。
「アヤネは?」
【わたしが駆けつけると、あいつはニヤリと笑って姿を消しました。恐らく、転移でしょう】
「そう……逃げたのね」
【逃げたのね、じゃありませんよ!!】
「うわ!?」
生き残ったことよりもアヤネが消えていたことにホッとしているとレスバがあたしに頭突きをせんばかりに顔を近づけて怒鳴って来た。多分、レスバがこう怒っているのは初めてかもしれない。
【あなたが死んだらアレを止められるのは誰がやるんですか! わたしが死んだと思って逆上したらしいですけど、嬉しくありませんからね! 勇者であるカナやミズキ、フウタさんとリクさんが居てあれを止められるかどうか……いや、そんなことはどっちでもいいんです! 自分を犠牲にして倒そうなんてしないでください!】
「え、あ、うん……」
一気にまくし立ててくるレスバの目には涙が浮かんでいた。
自分が殺されたことで怒ったことは嬉しいが、自分達にはその後のことがある。だから感情に任せて破滅的な手段を選ぶのはダメだと言いたいらしい。
それ以前に、自分を大事にしろとのことだった。確かにここで生きているのは奇跡に近い。
「う……うあああああん」
【うおおおおおん】
『むう』
「さっきまで勇ましい姿が嘘みたいだな」
あたしはレスバと抱き合って大泣きをした。この世界どころか前の世界でもこんなに泣いたことはないかもしれないくらいだった――
◆ ◇ ◆
「……ふう」
【ずびー……!】
――ひとしきり泣いた後、あたし達は目を腫らした状態で落ち着きを取り戻した。レスバが派手に鼻をかんでいる中、グランさんが話しかけてきた。
『さて、落ち着いたところで話の整理をしたいがいいか? お前が勇者というのは本当か?』
「そうね。それじゃ、ドワーフ達を交えて世界の状況を話しましょうか」
【そうですね。わたしもこの姿ですし】
「魔族……」
あたしとレスバは大精霊であるグランさんに経緯を話した。魔族との戦いがさっきのアヤネに仕組まれていたこと、勇者のことや全員バラバラにされていることなどを。
『ウィンディアが協力しているとは……』
「魔族が現れたのが人間の仕業だったとは……馬鹿な……」
「我々は関わっていないが、そのまま放置していたら次は我々のところへ来るところだったのか」
【そりゃあ当たり前ですよ。召喚された時点で魔王様……いえ、アヤネの指示では世界の蹂躙でした。聖女さんや帝国、その他は人間の国が頑張っていたからですよ? さっきみたいに人を犠牲にして土地を奪おうとしている連中に我々は負けませんよ?】
「ぐぬ……」
ドワーフ達の懸念にレスバが煽る。
しかし、言い返せないあたり自分たちがやろうとしていたことが正に侵略というやつで、魔族と同じであるため言い返せないでいた。
「ま、そういうことであたし達は一旦、ロカリス王国へ行ってエピカリス様に会うつもり。ドワーフ達はなんもしなくていいけど邪魔だけはしないでよ?」
「ぐぬぬ……あの強さを見たらなんも言えん……ふう、そうだな。陛下にはこちらから話しておこう。ファーニル殿を連れて帰らねばならない」
「そうだな……」
ガッドさんとクレーズさんがファーニルさんの遺体を見てそう口にする。そこであたしは奇妙なことを思いつく。
「そういえばこの大精霊に力を貸してもらうって案は国王様なの?」
「え? いや、ファーニル殿だ。ドワーフ達の繁栄を今、するべきだと言っていた」
【なるほど】
「そういうことか」
「なんだ?」
「ううん、国王様が言い出したのならドワーフ達に未来がないかもって思っただけ」
「……」
レスバはあたしの意図に気づいたらしい。クレーズさんは訝しんだ顔をしたが、これは恐らくあたし達にしか分からないので適当にはぐらかしておく。そこへグランさんが声をかけて来た。
『勇者よ、操られてしまった俺が言うのもなんだがウィンディアが協力しているなら手伝おう。魔族も敵ではないとなれば先ほどの女を倒すため、全員が手を合わせなければならん』
「ありがとう! でもどうするの?」
『勇者カナに憑依する。それでどうだ?』
「あ、フウタみたいになるってこと?」
『多分』
【多分……】
まあウィンディア様とフウタがどういう感じになっているかはあたしも分からないしそんなもんだと思う。
もちろん、承諾することにした。
「それじゃ頼むわ」
『分かった――』
グランさんがそう言った瞬間、ドラゴンの身体が光り出した。その光があたしに飛んできて身体を包み込んだ。
『よろしく頼むぞ』
「あれ、グランさんって女性……!?」
体に入った瞬間、人型が頭に浮かび、実は女性体だったことが発覚した。そしてその瞬間、身体が熱くなり力が湧きあがってくるのが分かった。
「なに……これ!? 凄っ!?」
【お、憑依したんですか?】
「うん。これはずるいわねってくらい力が上がったのが分かるわ! って大剣が無いから試しようがないか」
【まあ、元々カナは槍がメインですしね。しばらく魔法でやり過ごせばいいんじゃないですか?】
「そうね」
『槍か。俺の宝に一本あったような気がする。ここへ行け』
レスバに力を見せたいみたいな話をしていたところでグランさんが槍を持っていると言う。そして場所のイメージが頭に浮かぶ。
「うーん、火口付近の洞窟? あたしは空を飛べないし……」
『飛べるぞ。浮くイメージをしてみせろ』
「え、ホント? ……うーん――」
ウィンディア様の時はそんなことが無かったと思うけど……そう考えながら一応、言われた通りにしてみる。
【お】
「おお……!?」
「あ」
その瞬間、身体がふわりと浮く。しかし、あ、と思った瞬間、あたしは地面に降りた。
【まあまあ、浮きましたね】
「だけどこれじゃ自在に飛ぶってことができないわよ。洞窟はレスバ行ってよ」
【抱えていくので場所を教えてください】
「では我々は戻る。生贄にしようとしたことはすまなかった。なにか詫びを用意してロカリス王国へ向かう」
「そうね。遺体もそのままにしておけないし」
ドワーフ達にはなにか言ってやりたかったけど、あたしとレスバはそのまま見送った。
【……ファーニルの独断で侵略を進めようとした、ということですもんね】
「そうね。あたしやレスバが生きているのにあいつだけ死んだままだったのは、アヤネの仕業で間違いないと思う」
【なにが目的なんでしょうか……】
「さあね」
それがわかれば苦労はしない。
ただ、グランさんの力を手に入れることができたので、次は負けないと密かにリベンジの機会を思うのだった。
【ふぐおおおお……】
起き上がってから改めて冷静になると、おかしなことだと気づく。火口に捨てられたレスバがここに居るのも、落ちたあたしが祭壇に居て生きているのも。
『その悶絶している娘がお前を助けたのだ』
「グランさん、正気に戻ったの? あ! そういえばアヤネは……!」
『……あの恐るべき者は消えていた。魔族の娘がお前を引き上げた時には居なかったそうだ』
「レスバが……?」
あたしがレスバに目を向けると、彼女は復活して顔を近づけて来た。
【そーですよ! ……傷を受けて落とされたのですが、気づけば火口途中にある崖に居ました。傷も無く、不思議に思っていたところで上から声が聞こえてくるじゃあありませんか】
致命傷だったはずなのにレスバは生きていた。
目を覚ました直後、上からあたしが落ちているのを見つけ、慌てて飛んでいったという。
「アヤネは?」
【わたしが駆けつけると、あいつはニヤリと笑って姿を消しました。恐らく、転移でしょう】
「そう……逃げたのね」
【逃げたのね、じゃありませんよ!!】
「うわ!?」
生き残ったことよりもアヤネが消えていたことにホッとしているとレスバがあたしに頭突きをせんばかりに顔を近づけて怒鳴って来た。多分、レスバがこう怒っているのは初めてかもしれない。
【あなたが死んだらアレを止められるのは誰がやるんですか! わたしが死んだと思って逆上したらしいですけど、嬉しくありませんからね! 勇者であるカナやミズキ、フウタさんとリクさんが居てあれを止められるかどうか……いや、そんなことはどっちでもいいんです! 自分を犠牲にして倒そうなんてしないでください!】
「え、あ、うん……」
一気にまくし立ててくるレスバの目には涙が浮かんでいた。
自分が殺されたことで怒ったことは嬉しいが、自分達にはその後のことがある。だから感情に任せて破滅的な手段を選ぶのはダメだと言いたいらしい。
それ以前に、自分を大事にしろとのことだった。確かにここで生きているのは奇跡に近い。
「う……うあああああん」
【うおおおおおん】
『むう』
「さっきまで勇ましい姿が嘘みたいだな」
あたしはレスバと抱き合って大泣きをした。この世界どころか前の世界でもこんなに泣いたことはないかもしれないくらいだった――
◆ ◇ ◆
「……ふう」
【ずびー……!】
――ひとしきり泣いた後、あたし達は目を腫らした状態で落ち着きを取り戻した。レスバが派手に鼻をかんでいる中、グランさんが話しかけてきた。
『さて、落ち着いたところで話の整理をしたいがいいか? お前が勇者というのは本当か?』
「そうね。それじゃ、ドワーフ達を交えて世界の状況を話しましょうか」
【そうですね。わたしもこの姿ですし】
「魔族……」
あたしとレスバは大精霊であるグランさんに経緯を話した。魔族との戦いがさっきのアヤネに仕組まれていたこと、勇者のことや全員バラバラにされていることなどを。
『ウィンディアが協力しているとは……』
「魔族が現れたのが人間の仕業だったとは……馬鹿な……」
「我々は関わっていないが、そのまま放置していたら次は我々のところへ来るところだったのか」
【そりゃあ当たり前ですよ。召喚された時点で魔王様……いえ、アヤネの指示では世界の蹂躙でした。聖女さんや帝国、その他は人間の国が頑張っていたからですよ? さっきみたいに人を犠牲にして土地を奪おうとしている連中に我々は負けませんよ?】
「ぐぬ……」
ドワーフ達の懸念にレスバが煽る。
しかし、言い返せないあたり自分たちがやろうとしていたことが正に侵略というやつで、魔族と同じであるため言い返せないでいた。
「ま、そういうことであたし達は一旦、ロカリス王国へ行ってエピカリス様に会うつもり。ドワーフ達はなんもしなくていいけど邪魔だけはしないでよ?」
「ぐぬぬ……あの強さを見たらなんも言えん……ふう、そうだな。陛下にはこちらから話しておこう。ファーニル殿を連れて帰らねばならない」
「そうだな……」
ガッドさんとクレーズさんがファーニルさんの遺体を見てそう口にする。そこであたしは奇妙なことを思いつく。
「そういえばこの大精霊に力を貸してもらうって案は国王様なの?」
「え? いや、ファーニル殿だ。ドワーフ達の繁栄を今、するべきだと言っていた」
【なるほど】
「そういうことか」
「なんだ?」
「ううん、国王様が言い出したのならドワーフ達に未来がないかもって思っただけ」
「……」
レスバはあたしの意図に気づいたらしい。クレーズさんは訝しんだ顔をしたが、これは恐らくあたし達にしか分からないので適当にはぐらかしておく。そこへグランさんが声をかけて来た。
『勇者よ、操られてしまった俺が言うのもなんだがウィンディアが協力しているなら手伝おう。魔族も敵ではないとなれば先ほどの女を倒すため、全員が手を合わせなければならん』
「ありがとう! でもどうするの?」
『勇者カナに憑依する。それでどうだ?』
「あ、フウタみたいになるってこと?」
『多分』
【多分……】
まあウィンディア様とフウタがどういう感じになっているかはあたしも分からないしそんなもんだと思う。
もちろん、承諾することにした。
「それじゃ頼むわ」
『分かった――』
グランさんがそう言った瞬間、ドラゴンの身体が光り出した。その光があたしに飛んできて身体を包み込んだ。
『よろしく頼むぞ』
「あれ、グランさんって女性……!?」
体に入った瞬間、人型が頭に浮かび、実は女性体だったことが発覚した。そしてその瞬間、身体が熱くなり力が湧きあがってくるのが分かった。
「なに……これ!? 凄っ!?」
【お、憑依したんですか?】
「うん。これはずるいわねってくらい力が上がったのが分かるわ! って大剣が無いから試しようがないか」
【まあ、元々カナは槍がメインですしね。しばらく魔法でやり過ごせばいいんじゃないですか?】
「そうね」
『槍か。俺の宝に一本あったような気がする。ここへ行け』
レスバに力を見せたいみたいな話をしていたところでグランさんが槍を持っていると言う。そして場所のイメージが頭に浮かぶ。
「うーん、火口付近の洞窟? あたしは空を飛べないし……」
『飛べるぞ。浮くイメージをしてみせろ』
「え、ホント? ……うーん――」
ウィンディア様の時はそんなことが無かったと思うけど……そう考えながら一応、言われた通りにしてみる。
【お】
「おお……!?」
「あ」
その瞬間、身体がふわりと浮く。しかし、あ、と思った瞬間、あたしは地面に降りた。
【まあまあ、浮きましたね】
「だけどこれじゃ自在に飛ぶってことができないわよ。洞窟はレスバ行ってよ」
【抱えていくので場所を教えてください】
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「そうね。遺体もそのままにしておけないし」
ドワーフ達にはなにか言ってやりたかったけど、あたしとレスバはそのまま見送った。
【……ファーニルの独断で侵略を進めようとした、ということですもんね】
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