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なかよくしよう⑨
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この時が恐らく初めてだったであろう。人生の終わるタイミングの話などはしていたが明確に【死】と言う言葉が二人の間でつかわれたのは。胸が苦しい。おおよそ僕を初めて理解してくれた人。死が近くにあるからこそ彼女は僕を理解出来たのかもしれない。だが彼女が僕の生きる理由になった時、ほんの少しだけでも彼女が死なない可能性はないかと考えた。しかしその可能性は今彼女の言葉によって完全に消された。やはり1番初めにシンパシーを感じたとおり彼女は死ぬのだ。言葉にされたことにより単なる予測とは比べ物にならないほど心が痛かった。僕が死ぬのは全く怖くないのに、彼女が死ぬのは酷く恐ろしい。おかしな話だ。足元がおぼつかなくなってきた。また倒れそうになった。
「大丈夫?」
彼女が支えてくれた。
「ちょっと外に出て話をしない?」
僕は彼女に言われるがままに重い足取りで図書館を後にした。
* * *
校庭の木下には一つベンチが置かれていた。彼女と僕はそこに腰掛けた。
「さっきはごめんね。急に変な事言っちゃって。でも、その反応を見る限り少しは分かってたんだよね?」
僕は答えることが出来なかった。わかっていたけど彼女の死のことが全くわかっていなかった。
「普通の人ならなんの冗談?って言って軽くあしらうところだけど雪下くんは疑わ無かったから、ああやっぱり分かってたんだって思ったよ。」
嬉しさと悲しさが混ざったような表情でいう。その表情は僕の胸をさらに締め付けるのに充分なものだった。
「初めて雪下くんを見た時シンパシーを感じたの。それでああ、多分この人も私と関わると私にシンパシーを感じて気づいちゃうんだなって思った。」
シンパシーか...僕は思い口を開いていった
「うん、実は少しわかってた。僕も君と同じで自己紹介の時初めて君とあった時にシンパシーを感じたんだ。死期が近いのかなってうっすらとだけかんじたよ。」
彼女は生存志願者で僕は自殺志願者。そのシンパシーが根本は間違っていると言うことはどうしても言えなかった。
「自己紹介の時か...私は少し違うかな」
聞こえないような声でそれを言った後彼女はわざとらしくよしっといって立ち上がった。
「本当は誰にも話すつもりなんて無かったんだ。だけどどうしょうもなく不安だったの、自分のことについて同年代の人と話がしたかった。でも、死について話せる人なんているわけないよね。そんななか私は雪下くんに出会った。嬉しかった。私と対等に話ができる人がいたことが嬉しかった。なかよくなりたいとおもった。」
真っ直ぐに僕を見つめて言う。
ああ、彼女は僕と同じようなことを考えていたのか。死について本気で話ができるのは同じく死の間際にいる人だけ。彼女から求められているようで嬉しかった。だが、彼女はおそらく知らない、僕と彼女はどちらとも死のちかくにはいる。だが僕は望んで近づこうとしている。彼女は遠ざかろうとしている。彼女がこれを知った時どう思うだろうか...
彼女は目を逸らしてふわふわと少し移動しながらいった
「さっきは私が倒れたせいでなんかうやむやになってしまったよね。だから改めておねがいするよ。」
彼女はすわっている僕の前にたった。そしてただただまっすぐと僕の目をみて濁りのない口調で言った
「雪下くん私となかよくしよう。」
「大丈夫?」
彼女が支えてくれた。
「ちょっと外に出て話をしない?」
僕は彼女に言われるがままに重い足取りで図書館を後にした。
* * *
校庭の木下には一つベンチが置かれていた。彼女と僕はそこに腰掛けた。
「さっきはごめんね。急に変な事言っちゃって。でも、その反応を見る限り少しは分かってたんだよね?」
僕は答えることが出来なかった。わかっていたけど彼女の死のことが全くわかっていなかった。
「普通の人ならなんの冗談?って言って軽くあしらうところだけど雪下くんは疑わ無かったから、ああやっぱり分かってたんだって思ったよ。」
嬉しさと悲しさが混ざったような表情でいう。その表情は僕の胸をさらに締め付けるのに充分なものだった。
「初めて雪下くんを見た時シンパシーを感じたの。それでああ、多分この人も私と関わると私にシンパシーを感じて気づいちゃうんだなって思った。」
シンパシーか...僕は思い口を開いていった
「うん、実は少しわかってた。僕も君と同じで自己紹介の時初めて君とあった時にシンパシーを感じたんだ。死期が近いのかなってうっすらとだけかんじたよ。」
彼女は生存志願者で僕は自殺志願者。そのシンパシーが根本は間違っていると言うことはどうしても言えなかった。
「自己紹介の時か...私は少し違うかな」
聞こえないような声でそれを言った後彼女はわざとらしくよしっといって立ち上がった。
「本当は誰にも話すつもりなんて無かったんだ。だけどどうしょうもなく不安だったの、自分のことについて同年代の人と話がしたかった。でも、死について話せる人なんているわけないよね。そんななか私は雪下くんに出会った。嬉しかった。私と対等に話ができる人がいたことが嬉しかった。なかよくなりたいとおもった。」
真っ直ぐに僕を見つめて言う。
ああ、彼女は僕と同じようなことを考えていたのか。死について本気で話ができるのは同じく死の間際にいる人だけ。彼女から求められているようで嬉しかった。だが、彼女はおそらく知らない、僕と彼女はどちらとも死のちかくにはいる。だが僕は望んで近づこうとしている。彼女は遠ざかろうとしている。彼女がこれを知った時どう思うだろうか...
彼女は目を逸らしてふわふわと少し移動しながらいった
「さっきは私が倒れたせいでなんかうやむやになってしまったよね。だから改めておねがいするよ。」
彼女はすわっている僕の前にたった。そしてただただまっすぐと僕の目をみて濁りのない口調で言った
「雪下くん私となかよくしよう。」
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