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運命の日④
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* * *
『死とは不思議なものだな。誰に言われたわけでもないけどもう時期死ぬのがよくわかる。まずは謝罪からはいらんといけんのかもしれん。寿紀、急なことでごめんな。でも、お前にそれを言って無駄に気を使われるのがどうも癪に思えてしまってな。まあせめてもとして葬式やその他の死後のことはこちらですませておいた。そして一人にしてすまん。お前の親父やおふくろが死んでしまってその後ばあちゃんも死んだ。どう考えてもわしの方がお前よりも早く死ぬことはわかっていた。だから最期になにか残してやりたいと思っていたがどうも叶わんかったらしい。この事がわしがこの世界に残した唯一の後悔かもしれん。なにも残せなくて本当にすまん。』
ところどころが字がふやけていて紙にしわができていた。おじいちゃんはこれをどんな心情で書いたのだろうか。
「なにも残せなかったなんて言わないでよ。僕はおじいちゃんからたくさんのものをもらったきがするよ。」
気づけばそう呟いていた。もう一つの紙を手に取った。
* * *
『寿紀、わしは間違っていたのかもしれんな。お前になにかを残したいその一心がむしろお前を束縛したのかもしれん。わしはお前になにを残してやろうかと考えていた。そして一つ名案が浮かんだんだ。寿紀、お前はわしが記憶している限り自らこれをやってみたいと発言したことはなかった。わしにとってはそれは不安だった。お前がこのまま受動で人生を終わらせるのは損だと思った。だからわしはお前をヴァイオリン教室に連れていった。ヴァイオリンに触れることで自らヴァイオリンをやりたいといってくれるのではないかと思ったからだ。だが、だめだった。わしがやりたいと言いやすい環境をつくってもお前はやりたいとは言わなかった。ひどく後悔した。ああ、失敗だったんだと。わしがお前をひっぱりだこにしたせいでお前の自主性が育まれる場を奪ってしまったんだとかんじた。わしは死の間際になり寿紀が能動的な行動がとれない原因はわしだと気づいた。あまりにおそすぎた。本当に悪いと思った。どうかこの馬鹿なわしを許してくれ。すまない、すまない、すまない.....』
その後も無数に続けられた謝罪の言葉。
読み終わる頃にはその紙の上には水滴がいくつか落ちていた。そしてその数は段々と増えていった。
おじいちゃんは気づいていたのか。僕が能動的な行動をとれないことを。そしてその事をこんなに悩んでくれていたのか。なのに僕はそんなことに全く気付けなかった。そしてそれがおじいちゃんの死の瞬間におじいちゃんに後悔をあたえてしまった。能動的になれなかったのはおじいちゃんのせい?そんなことはない、おじいちゃんのおかげで最後の最後に僕はやりたいという感情は生まれていた。だが僕はそれをことばにできなかった。言葉にするのが怖かった。
「僕はここまでしてくれていたおじいちゃんの気持ちに気付かずおじいちゃんを苦しめていたのか...」
気づけばこえにでていた。後悔の念がおしよせてきた。あの時やりたいと一言いうことが出来れば...おじいちゃんはもっと良い最期をむかえられたのかもしれないのに。衝動が押させられなくなった。拳を握り思いっきり壁を叩いた。
「くそっ、くそっ、くそっ」
力の限り殴り続けた。僕の拳からは血がでていた。だけど、そんなことはどうでもよかった。むしろ痛みだけが今の僕から後悔を忘れさせてくれた。そして気づくと僕は血まみれになった拳を握りしめ疲れきってその場に崩れ落ちた。ああ、このまま消えてしまいたい...
これは10月11日だった。僕が自殺志願者となるのはこれから17日後のことである。
『死とは不思議なものだな。誰に言われたわけでもないけどもう時期死ぬのがよくわかる。まずは謝罪からはいらんといけんのかもしれん。寿紀、急なことでごめんな。でも、お前にそれを言って無駄に気を使われるのがどうも癪に思えてしまってな。まあせめてもとして葬式やその他の死後のことはこちらですませておいた。そして一人にしてすまん。お前の親父やおふくろが死んでしまってその後ばあちゃんも死んだ。どう考えてもわしの方がお前よりも早く死ぬことはわかっていた。だから最期になにか残してやりたいと思っていたがどうも叶わんかったらしい。この事がわしがこの世界に残した唯一の後悔かもしれん。なにも残せなくて本当にすまん。』
ところどころが字がふやけていて紙にしわができていた。おじいちゃんはこれをどんな心情で書いたのだろうか。
「なにも残せなかったなんて言わないでよ。僕はおじいちゃんからたくさんのものをもらったきがするよ。」
気づけばそう呟いていた。もう一つの紙を手に取った。
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『寿紀、わしは間違っていたのかもしれんな。お前になにかを残したいその一心がむしろお前を束縛したのかもしれん。わしはお前になにを残してやろうかと考えていた。そして一つ名案が浮かんだんだ。寿紀、お前はわしが記憶している限り自らこれをやってみたいと発言したことはなかった。わしにとってはそれは不安だった。お前がこのまま受動で人生を終わらせるのは損だと思った。だからわしはお前をヴァイオリン教室に連れていった。ヴァイオリンに触れることで自らヴァイオリンをやりたいといってくれるのではないかと思ったからだ。だが、だめだった。わしがやりたいと言いやすい環境をつくってもお前はやりたいとは言わなかった。ひどく後悔した。ああ、失敗だったんだと。わしがお前をひっぱりだこにしたせいでお前の自主性が育まれる場を奪ってしまったんだとかんじた。わしは死の間際になり寿紀が能動的な行動がとれない原因はわしだと気づいた。あまりにおそすぎた。本当に悪いと思った。どうかこの馬鹿なわしを許してくれ。すまない、すまない、すまない.....』
その後も無数に続けられた謝罪の言葉。
読み終わる頃にはその紙の上には水滴がいくつか落ちていた。そしてその数は段々と増えていった。
おじいちゃんは気づいていたのか。僕が能動的な行動をとれないことを。そしてその事をこんなに悩んでくれていたのか。なのに僕はそんなことに全く気付けなかった。そしてそれがおじいちゃんの死の瞬間におじいちゃんに後悔をあたえてしまった。能動的になれなかったのはおじいちゃんのせい?そんなことはない、おじいちゃんのおかげで最後の最後に僕はやりたいという感情は生まれていた。だが僕はそれをことばにできなかった。言葉にするのが怖かった。
「僕はここまでしてくれていたおじいちゃんの気持ちに気付かずおじいちゃんを苦しめていたのか...」
気づけばこえにでていた。後悔の念がおしよせてきた。あの時やりたいと一言いうことが出来れば...おじいちゃんはもっと良い最期をむかえられたのかもしれないのに。衝動が押させられなくなった。拳を握り思いっきり壁を叩いた。
「くそっ、くそっ、くそっ」
力の限り殴り続けた。僕の拳からは血がでていた。だけど、そんなことはどうでもよかった。むしろ痛みだけが今の僕から後悔を忘れさせてくれた。そして気づくと僕は血まみれになった拳を握りしめ疲れきってその場に崩れ落ちた。ああ、このまま消えてしまいたい...
これは10月11日だった。僕が自殺志願者となるのはこれから17日後のことである。
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