支配の王冠~余命一年の悪役転生から始まるバトルロワイアル~

夜刀神さつき

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ファントムアイランド

海の上

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 宝石を散りばめたようにキラキラと光り輝くエメラルドグリーンの海に、小舟が浮かんでいる。そこには、3人と2匹が乗っていた。

「あんのくそ女ああああああああああああああああああ!!!!!」

 青空の下に、水色の髪をした少女の怒りに満ちた怒鳴り声が響き渡る。
 ネプト・オルトロスは、地団駄を踏みながら例の女のことを罵り続けていた。

「だいたい何よ。私たちのことを雑魚呼ばわりするなんて。『私を仲間にしたいのなら、古代竜くらい使役してからにしなさい』ですって!!やってやろうじゃないの!!!」

 ちんちくりん呼ばわりされたネプトは、ずっとセレネーの悪口を言い続けていた。

「いい加減、飽きない?さっきから、一時間くらい悪口を言っているだろう」

 貧乳だ、子供だといわれたことも根に持っているだろう。
 ベリアルは、もう耳にタコができそうなくらいネプトの言葉を聞き続けている。

「まだまだ言い足りないわっ」

「だいたい『セレネーなら大丈夫』、とか『私の人脈を信じなさい』とか豪語していたのはどこのバカだっけ?」

「くうぅぅぅ」

 ネプトは、子犬みたいに小さくうめいた。

「無礼者!!!姫様をいじめるな」

 そう剣を抜きそうな激しい勢いで怒鳴りつけてきたのは、ネプトの従者バルドルだ。

「お前だってセレネーを過信していたな」

 バルドルがそうアホ女の味方をするが、セレネーを信じていたこいつも同罪だと思う。
 ネプト・オルトロス率いる俺たちは、古くから王家と交流があったアスクレピオス家を訪ねたが、雑魚の寄せ集め呼ばわりして追い出されたのである。

 そして、ネプトは、古代竜に会いに行き仲間にするという突拍子もない案を考え出したのである。

「お前は、オルトロス家とアスクレピオス家の繋がりを理解していないから、そんな風に俺たちを批判できるんだ」

「ふんっ。だいたい、古代竜に会いに行くとか無謀すぎるだろう。俺達みんな焼き殺されていないといいけど」

「何だと!姫様の考えに口出しするのか」

「二人とも気を引き締めなさい。私たちはレイク山の向こう側にいるわ」

 急にネプトが口調を変え、緊張感を持って辺りを見ている。

「レイク山がどうかしたんだ?」

 それを聞いた二人は目を点にした。

「お前、レイク山協定も知らないのか。無学だな。今時は、子供でも知っている常識なのに」

 バルドルは、鼻で笑ってきた。本当に嫌な奴だ。こいつ……。いつか切り刻んで魔物の餌にしてやろうか。

「いいわ。教えてあげる。昔、カリロスと魔族ドワニャドが契約を結んだの。魔族はレイク山を超えてはならない。その代わり人間もレイク山を超えない魔族を傷つけない。互いに契約を守らなかった種族は殺されても仕方がない。これが、あの有名な『レイク山協定』よ」

「んん?俺たちは山なんて越えていないだろう」

「お前、地理を全然理解していないだろう。ディナヴィアから北西の海は、レイク山の向こう側に当たる。レイク山を超えたも同然だ。俺たちは魔物の餌になるかもしれない」

「はああああああああああ!!!そういう大事なことは先に言え!!!!!」

「仕方ないでしょう。私たちは、ファントムアイランドで古代竜を探さないといけないんだから」

 北西に向けて進んでいると不意に、波が止まり、船が動かなくなった。

「風がない……!?」

 そして、辺りを白いベールで覆われたような霧がゆっくりと浸食していく。

「待って。すごい濃霧だわ」

「やばい。方角がわからなくなる。一端引き返そう」

「あれ?私たちどっちから来たの?」

「は?」

 僕は、こんなあんぽんたん達と運命を共にしないといけないのか。
 ちなみに船酔いでもしたのか、スノーもロキもぐったりしていて使い物にならない。
 その時、静まり返った水中から鱗に覆われた馬のようなものが出現した。

「ひいいいいいいいい」

 思わず悲鳴をあげて船の上で尻餅をついてしまうが、二人は堂々としていた。

「ケルピーよ!!!しかも百匹以上いそうだわ!!」
「くそっ。数が多すぎる」

 バルドルは茶色の剣をぬいて、辺りを集中しながら見ていた。
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