支配の王冠~余命一年の悪役転生から始まるバトルロワイアル~

夜刀神さつき

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ルジア

遭遇

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 ロタンから、東に進むとルジアがある。そして、ルジアには王都イテミスという世界最高峰の都市がある。
 鉄道や馬車などの交通が非常に発達していて、レンガ造りの建物が多い。魔道具も充実していて、多様性があり、他の地域では買えないようなものも多く売られている。夜になると魔光石が光り輝くため、すごく明るい。
 おそらく古城と呼ばれるかつて、オルトロス家が住んでいた場所にルキフェルがいるはずだが、城の周りには死鬼がいて、容易に近づくことはできない。

「はあ、あれだけの死鬼がいたら侵入も大変そうだな」

 僕……ジキルは、深々としたため息をついた。もう死鬼に追われるのはたくさんだ。

「どうしますか」

「とりあえず様子見だな。ん?これは何だ?指名手配書か。バターブロンドの髪にエメラルドグリーンの瞳をした少年ヨシュカ・グンフィエズルを求む……。見つけ次第、古城に連れてくるように」

 ふと赤レンガの壁に貼り付けてあった壁紙を見つける。バターブロンド色に緑の目って、まるでナサニエルみたいな容姿だな……。

 それを聞いたギャレットは、目をらんらんと輝かせた。

「これだ!!!!」
 
 ギャレット曰く、一人が変装して、残りの二人が捕まえた振りをすれば容易に城の中に入れるということだ。
 少年を求むということで、誰が変装するか話し合おうとしたが、「「あなたしかいません」」と二人に宣言された。何でだ?ハデスが一番年上なのに……。身長が一番低いからか?童顔だからか?瞳が緑だからか。
 くううう。何か悔しい。
 
    

 バターブロンド色の金髪のカツラを用意して、少年っぽく見えるように白いシャツに黒いズボンというラフな格好に着替えた。そして、エリュシオンに手首を縛られ無理やり連行されるようなポーズで城へと進んだ。

 僕らの様子を見た門番は、中に通してくれたが、本物かどうか確かめると広間に案内された。そして、階段を降りてやってきた男を見てぎょっとした。

「あっ!」

 すぐに流れるような動作でアイゼアが剣を構えた。アイゼアが剣を構えると同時に、僕たちも自分たちの武器を構えた。

 エリュシオンも僕の手を縛っていた縄を切り落として自由にする。
 しまったあああああああああああああああああ。まさかこんなに早くばれるなんて。 

「まさか君たちだったとはね……」

 アウトになるのが早すぎるうううううううううううううう。
 もうちょっとルキフェルに近づけると思っていたのに……。シオン・リジルの後継者を相手にするのは、分が悪すぎる。

 奴は、実力では明らかに僕を上回る。下手に手を出さない方がいい。さて、どうするか……。
 ふと、バルコニーの側に刺繍がほどこされた黒いドレスを着たユリアが立っていることに気がついた。赤や青ほど派手な色ではなかったが、黒こそが彼女を最も魅力的に見せていると感じた。

「やあ、また会ったね」

 こんな状況だというのに、ギャレットは嬉しそうに手を振りながら彼女に挨拶をした。

「そうね。運命かもしれない」

 彼女は、妖しく微笑んだ。

「君と敵対関係になってしまったことが残念だ。でも、花は、一番美しいときに摘み取るものだろう」

 ギャレットは、ユリアを口説くようにブラックチョコレートのように甘くしびれるような声で囁いた。

「でも、あたしはあなたには摘まれたくないわ」

「思い通りにいかないものが、花の宿命さ」

 彼は、獲物をいたぶるような凶暴で凶悪な笑顔を浮かべた。

「嫌な男ね。アイゼア。彼らを殺しなさい」

 すると、エリュシオンが一歩前に出た。

「じゃあ、二人は先に行ってください。俺はここであいつを倒します」

「ああ。わかった」

 アイゼアは強い。何せ一人でいくつものテロ組織を壊滅させるような化け物らしい。化け物並みの戦闘力があるエリュシオンでさえも、アイゼアに勝てる保障はない。

「エリュシオン……。勝てよ」

 不安になってそう呼びかけたが、鼻で笑われた。

「当然ですよ」

 不敵な笑みを浮かべる。この間、アイゼアに押され気味だったのは、二日酔いのせいだったと信じたい。

「エリュシオンのことは、心配するだけ無駄だ。とっとと行こう」

 僕とギャレットは、一直線に走り出した。
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