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出会いからラブラブ編
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俺はティオと一緒に肉屋に買い物に来ていた。
俺がカゴを持って、ティオが食材を選ぶ。この世界の食材は日本に似た野菜や魚もあればまったく見たことがないものもあった。
肉もモンスター肉とかがあって俺にはどう料理するのか分からないけど店に来る人たちはそんな食材も平気で買っていくから文化の違いを感じた。
「今日は何を作るんだ?」
「ふふ、それは出来てからのお楽しみですよ」
ティオは楽しげに微笑むだけで教えてくれなかった。まぁ、いつも美味しいご飯を作ってくれるから期待してよう。
「ギスケは何が好きですか?いつもなんでも好きしか言ってくれないですけども遠慮をしないで言ってくださいね」
「本当になんでも好きだから遠慮なんてしてないよ。ティオが作るご飯は美味しいよ。それにまだどう料理したらいいか分からない食べ物もあるし、ティオに教えてもらうことがいっぱいあるから買い物も一人だと不安だからこうして一緒だと助かるよ」
「もう、本当に可愛い。私がいないとダメな人になってきましたね♡」
ティオは頼られたがりだから買い物でも何でも仕事以外は俺を連れていきたがった。俺が珍しいものや見たことがないものを見て質問するとデレデレしながら教えてくれる。面倒くさがらずに教えてくれるから聞きやすいけど何にも聞かないと残念がるところが玉に瑕なところだ。
「今日はこのお肉にしましょうか」
「おおー!」
霜降り牛肉みたいな塊の肉を手にするティオ。俺が目を輝かせているとティオはクスリと笑ってから店員を呼んだ。
「これを二つ下さい」
「はい、こちらですね。合計で銀貨二枚になります」
銀貨二枚だとスーパーみたいなよろず屋で肉がもっと買えるからこれは高級肉だと思おう。
「ありがとうございます」
ティオがお礼を言って、俺も店員に頭を下げた。
「まいどあり~」
「さて、ギスケは何か気になるお店や行きたいお店はありますか」
この肉屋に来た時から俺はずっと気になっていた屋台を指差す。
「あそこ行こう!あそこの串焼きからいい匂いがして食べたくなったんだ」
「たしかにいい匂いがしていますね。じゃあ行ってみましょう」
「へへへ。ありがと。ティオ」
俺が腕を引っ張るとティオは嬉しそうに笑ってくれる。ティオと出会っていなかったらこんな風に異世界でのんびりした生活はできなかったと思う。俺とティオは一本ずつ串焼きを買って屋台の隣に並べられた椅子に座って食べた。
「ん~♡うまいっ!!」
「本当ですね。脂が乗っていて柔らかいのに噛めばしっかり噛みごたえがあるし、タレが程よく効いていてとても美味しいです」
「うん!これならいくらでも食べられそうだ」
「でも今日はご飯前だから一本だけにしましょうね」
「そのセリフ、お母さんみたいだな」
「お母さん?……ああ、聞いたことがありますよ。異世界は女性がいて母親から子供が生まれましたね。私は母親というものを知りませんから分かりませんがギスケの世界での母親はギスケにとってどんな存在なんですか?」
「うーん……俺の家は母さんが一番偉くて、親父より強い、かな?親父が強い家もあるけど。うちの親父は母さんの尻に敷かれっぱなし」
「ふふ、そちらの世界でも家族の力関係があるんですね。ギスケの世界の事はまだまだ知らないことばかりなので興味深くて楽しいです。いつかギスケのご両親にお会いできることがあれば私がギスケを守り愛しているから心配はいらないとお伝えしますね」
「うん……きっと喜ぶと思うよ」
俺の家族は俺が急にいなくなったことを心配していると思う。だからティオのおかげで俺は怖い思いもつらい思いもせず生きれてるって伝える方法があるなら安心させたい。
そんなことを考えながら俺は串焼きを噛み締めた。
******
家に帰ってすぐに夕食の準備に取り掛かるティオ。
「今日は何を作るんだ?」
「ふふ、それは出来てからのお楽しみですよ」
買い物の時とと同じやりとりをして二人で笑い合う。料理ができるまでの間、暇になった俺は本を手にした。
この世界の週刊誌で流行とか時事問題とか載っている。ただ字は読めるけど日本にはない単語があって内容は大まかにしか理解できない。
「それ面白いですか?」
「うーん。字は読めるけど知らない言葉とかが多いからいまいち……」
「まだこの世界に来たばかりですものね。私で教えられることがあればお伝えしますから頼ってくださいね」
「分かった」
ティオは料理を作りながらも話しかけてくれるから退屈しない。
「何か手伝おうか?」
そう言って腰を上げかけた俺だけど、ティオは笑って首を振った。
「包丁は危ないから座っててください。それにギスケに私の作った料理を食べて欲しいんです」
ティオがいない時は自分で包丁を使って料理をしてるんだが、仕方ないので自分でお茶を淹れてそれを飲みながら料理が出来るまで待つことにした。
今日の晩御飯は野菜スープと塊肉のホイル包み焼きとパンだった。野菜スープからは優しい香りが漂ってきて、塊肉はティオが切り分けてくれるんだけど肉汁が溢れ出しててすごく美味しそうだ。
「いただきます!」
「どうぞ召し上がれ」
俺はまず野菜スープから口をつける。
「おいしいよ。ティオは戦いが強いし料理もできてすごいなぁ」
「ありがとうございます。でもギスケが料理を覚えたら私なんかすぐ追い抜いてしまいますよ」
「そうかな?俺、勉強苦手だからな~」
「ふふ、大丈夫です。私がちゃんと教えてあげますから」
ティオは俺のことを何でも褒めて肯定してくれる。
「ギスケは努力家で頑張り屋さんです。毎日、欠かさず家事をしてくれますから安心して仕事に出れるんですよ」
「まあ……ティオが俺を養ってくれるから家事くらいしないと」
本当は働きたいけどまだティオは奴隷の印:逃走禁止を消してくれないから普通の店に働きに出れない。
「もう、可愛いことを言うんですから♡」
「ところでさティオ、俺のこの印を消してほしいんだけど」
「私もそうしてあげたいのですが、ソレを消すとギスケがどこにいるか分からなくなってしまうんですよ。家にいてくれるって安心したいので消せないんです」
「……」
サラリとヤンデレ発言をされた俺は一瞬固まってしまう。ティオは気にした様子もなくニコニコしていた。
「そっか」
ちょっと怖かったけどそう答えるしかなかった。
食事を終えたら後片付けをする。ティオが料理を作ってくれたから皿洗いは俺がした。
「あ、そうだ。今日は一緒にお風呂に入りましょう」
「えっ!?」
「いつもは私が先に入ってますからたまには一緒に入るのもいいでしょう?」
「う……うん……いいけど」
仕事から帰るとティオはすぐにお風呂に入るし、エッチの後は浄化魔法で綺麗にしてくれる。だから二人でお風呂に入ることは少ない。
俺はティオと一緒に肉屋に買い物に来ていた。
俺がカゴを持って、ティオが食材を選ぶ。この世界の食材は日本に似た野菜や魚もあればまったく見たことがないものもあった。
肉もモンスター肉とかがあって俺にはどう料理するのか分からないけど店に来る人たちはそんな食材も平気で買っていくから文化の違いを感じた。
「今日は何を作るんだ?」
「ふふ、それは出来てからのお楽しみですよ」
ティオは楽しげに微笑むだけで教えてくれなかった。まぁ、いつも美味しいご飯を作ってくれるから期待してよう。
「ギスケは何が好きですか?いつもなんでも好きしか言ってくれないですけども遠慮をしないで言ってくださいね」
「本当になんでも好きだから遠慮なんてしてないよ。ティオが作るご飯は美味しいよ。それにまだどう料理したらいいか分からない食べ物もあるし、ティオに教えてもらうことがいっぱいあるから買い物も一人だと不安だからこうして一緒だと助かるよ」
「もう、本当に可愛い。私がいないとダメな人になってきましたね♡」
ティオは頼られたがりだから買い物でも何でも仕事以外は俺を連れていきたがった。俺が珍しいものや見たことがないものを見て質問するとデレデレしながら教えてくれる。面倒くさがらずに教えてくれるから聞きやすいけど何にも聞かないと残念がるところが玉に瑕なところだ。
「今日はこのお肉にしましょうか」
「おおー!」
霜降り牛肉みたいな塊の肉を手にするティオ。俺が目を輝かせているとティオはクスリと笑ってから店員を呼んだ。
「これを二つ下さい」
「はい、こちらですね。合計で銀貨二枚になります」
銀貨二枚だとスーパーみたいなよろず屋で肉がもっと買えるからこれは高級肉だと思おう。
「ありがとうございます」
ティオがお礼を言って、俺も店員に頭を下げた。
「まいどあり~」
「さて、ギスケは何か気になるお店や行きたいお店はありますか」
この肉屋に来た時から俺はずっと気になっていた屋台を指差す。
「あそこ行こう!あそこの串焼きからいい匂いがして食べたくなったんだ」
「たしかにいい匂いがしていますね。じゃあ行ってみましょう」
「へへへ。ありがと。ティオ」
俺が腕を引っ張るとティオは嬉しそうに笑ってくれる。ティオと出会っていなかったらこんな風に異世界でのんびりした生活はできなかったと思う。俺とティオは一本ずつ串焼きを買って屋台の隣に並べられた椅子に座って食べた。
「ん~♡うまいっ!!」
「本当ですね。脂が乗っていて柔らかいのに噛めばしっかり噛みごたえがあるし、タレが程よく効いていてとても美味しいです」
「うん!これならいくらでも食べられそうだ」
「でも今日はご飯前だから一本だけにしましょうね」
「そのセリフ、お母さんみたいだな」
「お母さん?……ああ、聞いたことがありますよ。異世界は女性がいて母親から子供が生まれましたね。私は母親というものを知りませんから分かりませんがギスケの世界での母親はギスケにとってどんな存在なんですか?」
「うーん……俺の家は母さんが一番偉くて、親父より強い、かな?親父が強い家もあるけど。うちの親父は母さんの尻に敷かれっぱなし」
「ふふ、そちらの世界でも家族の力関係があるんですね。ギスケの世界の事はまだまだ知らないことばかりなので興味深くて楽しいです。いつかギスケのご両親にお会いできることがあれば私がギスケを守り愛しているから心配はいらないとお伝えしますね」
「うん……きっと喜ぶと思うよ」
俺の家族は俺が急にいなくなったことを心配していると思う。だからティオのおかげで俺は怖い思いもつらい思いもせず生きれてるって伝える方法があるなら安心させたい。
そんなことを考えながら俺は串焼きを噛み締めた。
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家に帰ってすぐに夕食の準備に取り掛かるティオ。
「今日は何を作るんだ?」
「ふふ、それは出来てからのお楽しみですよ」
買い物の時とと同じやりとりをして二人で笑い合う。料理ができるまでの間、暇になった俺は本を手にした。
この世界の週刊誌で流行とか時事問題とか載っている。ただ字は読めるけど日本にはない単語があって内容は大まかにしか理解できない。
「それ面白いですか?」
「うーん。字は読めるけど知らない言葉とかが多いからいまいち……」
「まだこの世界に来たばかりですものね。私で教えられることがあればお伝えしますから頼ってくださいね」
「分かった」
ティオは料理を作りながらも話しかけてくれるから退屈しない。
「何か手伝おうか?」
そう言って腰を上げかけた俺だけど、ティオは笑って首を振った。
「包丁は危ないから座っててください。それにギスケに私の作った料理を食べて欲しいんです」
ティオがいない時は自分で包丁を使って料理をしてるんだが、仕方ないので自分でお茶を淹れてそれを飲みながら料理が出来るまで待つことにした。
今日の晩御飯は野菜スープと塊肉のホイル包み焼きとパンだった。野菜スープからは優しい香りが漂ってきて、塊肉はティオが切り分けてくれるんだけど肉汁が溢れ出しててすごく美味しそうだ。
「いただきます!」
「どうぞ召し上がれ」
俺はまず野菜スープから口をつける。
「おいしいよ。ティオは戦いが強いし料理もできてすごいなぁ」
「ありがとうございます。でもギスケが料理を覚えたら私なんかすぐ追い抜いてしまいますよ」
「そうかな?俺、勉強苦手だからな~」
「ふふ、大丈夫です。私がちゃんと教えてあげますから」
ティオは俺のことを何でも褒めて肯定してくれる。
「ギスケは努力家で頑張り屋さんです。毎日、欠かさず家事をしてくれますから安心して仕事に出れるんですよ」
「まあ……ティオが俺を養ってくれるから家事くらいしないと」
本当は働きたいけどまだティオは奴隷の印:逃走禁止を消してくれないから普通の店に働きに出れない。
「もう、可愛いことを言うんですから♡」
「ところでさティオ、俺のこの印を消してほしいんだけど」
「私もそうしてあげたいのですが、ソレを消すとギスケがどこにいるか分からなくなってしまうんですよ。家にいてくれるって安心したいので消せないんです」
「……」
サラリとヤンデレ発言をされた俺は一瞬固まってしまう。ティオは気にした様子もなくニコニコしていた。
「そっか」
ちょっと怖かったけどそう答えるしかなかった。
食事を終えたら後片付けをする。ティオが料理を作ってくれたから皿洗いは俺がした。
「あ、そうだ。今日は一緒にお風呂に入りましょう」
「えっ!?」
「いつもは私が先に入ってますからたまには一緒に入るのもいいでしょう?」
「う……うん……いいけど」
仕事から帰るとティオはすぐにお風呂に入るし、エッチの後は浄化魔法で綺麗にしてくれる。だから二人でお風呂に入ることは少ない。
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