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尊がる男と嫉妬する少年。

告白の返事(ハレル視点)

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ボクの手を握ったジェイドさんが紡いだ「ハレル、君が好きだ」と言う言葉にボクは「色恋を知らない無垢な反応」そう自然に見えるように笑みを向けました。

「ボクもジェイドさんが好きですよ。ボクに優しいお兄さんができて嬉しいです」

ジェイドさんが初めて村に泊まった夜、姉の代わりに体を差し出しにいきました。だから未経験とはいえ夜伽の知識がありボクが無垢な性格とはいえないのです。
それに気がつかれていないようでジェイドさんは安心したような落ち込んだような顔で笑っていました。

「そうか、そっちになるかぁ。ははは」

乾いた笑いになにも気がつかない振りをしてボクも笑うんです。コンラッドさんもジェイドさんもボクの姉も、皆、呪われていないことに嫉妬してしまう。

「ジェイドさんと旅ができて、ますますそう思うんです。素敵なお兄さんができたって」

口では感謝を述べても愛することを許されないボクは嫉妬しながらもがき苦しむしかないんです。
なぜなら自分の前々生が犯した罪が原因で呪いという形でボクを罰を受けているからです。

前世ではボクを愛してくれた人が死んでいく呪いのために孤独に生きることが1つ目の罰でした。
今生の呪いは「ボクが愛した人が死ぬ」こと。
ボクを産み、愛してくれた母と守ってくれた父。ボクが7歳を過ぎた時に呪いは両親の命を奪った。
姉は村の金持ちの娘で体の弱い彼女のために「友達」として泊まり仕事をしていたからボクと距離があった。ボクもたまに会う優しい女の人という意識だった。だから家族で生き残れたのは姉一人だけ。
葬式が終わって泣く姉とまだ死を受け入れられないボクに師匠が言ったんだ。

「晴留には魂に呪いがかけられている。封じたはずなのに呪いの力がそれを上回った。晴留はもう人を愛することが許されない。修行を積み、贖罪しなければならない」

よく分からないボクは泣き声が哭き声に変わった姉を見ているしかなかった。
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