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最終章 最初に叶えた願い事
4(過去)
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アステルとの出会いから1年が経過した。
元々ノエルは非常に優れた才能を秘めていたらしく、教えられれば即座に覚え、まず最初に言葉遣いが丁寧になり、仕草や表情も洗練されていった。
心の中でさえも敬語を使うようになった頃、病気がちになった神官長から「神殿の総意」ということで重厚な扉の鍵を受け取った。
これで漸くアステル様の為に味方を増やすことが出来ます。外部に味方を増やせれば、アステル様をこのような場所から救うことも不可能では無いはず。
私ではアステル様を本当の意味で自由にすることは叶わないかも知れませんが、少なくとも子供を閉じ込めることが神殿の総意だとは思えません。
その証拠に私の家庭教師たちとアステル様を接触させたがらないのは、恐らく神殿内部の総意というより、神官長の独断……或いは神官長派閥によるものである可能性が極めて高い。
外部に少しずつアステル様の情報を流せば、動かざるを得ないのでは無いでしょうか?
浅知恵であることは百も承知の上です。
ですが私は世間の子供に対する真心を信じたい。
「アステル様」
「どうしたの?ノエル?」
「漸く外に続く扉の鍵を手に入れました」
「ああ、ノエルの頑張りのお陰だね」
「私はアステル様と共に外の世界で暮らしたい。誰にも邪魔されない静かな場所で、二人きりで穏やかに暮らしたいのです」
「僕が外に出たその時は、ノエルの願いを叶えよう。その代償に何をくれる?」
「私の総てをアステル様に………」
「約束だよ?」
「はい。約束です」
ノエルの願いは【アステルと共にあること】
その願いは叶えられた。
アステルとノエルが離れ離れになることはない。
何があろうと絶対に。
元々ノエルは非常に優れた才能を秘めていたらしく、教えられれば即座に覚え、まず最初に言葉遣いが丁寧になり、仕草や表情も洗練されていった。
心の中でさえも敬語を使うようになった頃、病気がちになった神官長から「神殿の総意」ということで重厚な扉の鍵を受け取った。
これで漸くアステル様の為に味方を増やすことが出来ます。外部に味方を増やせれば、アステル様をこのような場所から救うことも不可能では無いはず。
私ではアステル様を本当の意味で自由にすることは叶わないかも知れませんが、少なくとも子供を閉じ込めることが神殿の総意だとは思えません。
その証拠に私の家庭教師たちとアステル様を接触させたがらないのは、恐らく神殿内部の総意というより、神官長の独断……或いは神官長派閥によるものである可能性が極めて高い。
外部に少しずつアステル様の情報を流せば、動かざるを得ないのでは無いでしょうか?
浅知恵であることは百も承知の上です。
ですが私は世間の子供に対する真心を信じたい。
「アステル様」
「どうしたの?ノエル?」
「漸く外に続く扉の鍵を手に入れました」
「ああ、ノエルの頑張りのお陰だね」
「私はアステル様と共に外の世界で暮らしたい。誰にも邪魔されない静かな場所で、二人きりで穏やかに暮らしたいのです」
「僕が外に出たその時は、ノエルの願いを叶えよう。その代償に何をくれる?」
「私の総てをアステル様に………」
「約束だよ?」
「はい。約束です」
ノエルの願いは【アステルと共にあること】
その願いは叶えられた。
アステルとノエルが離れ離れになることはない。
何があろうと絶対に。
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