文章練習ノート

クロレキシー

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【描写】蘇生魔術(詠唱・精神・霊感・オドの・マナの・霊素・現幽境界・幽魔臨界・ゲート・魔導≒魔力≒魔術・魔法現象)

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 星々の王
 遥かなるシリウスよ
 その大いなる輝きと共に
 深き星幽なる力を与えたまえ

 星々の王
 遥かなるシリウスよ
 その大いなる輝きと共に
 高き星幽なる力を与えたまえ



 導師ロドリゲスは、静かに静かに、詠唱を繰り返しながら、集中力を高めていった。
 空気の震えもゆるさないように、密やかな呪言は、沈めた息が、勝手に音を作るようでもあった。
 まるで細粒砂で塔を築くように。

 導師の肉体を循環するあらゆる霊素が、ゆっくりと止まってゆく。
 それはまるで無機物がもつ静けさに見えたが、意思の力があった。

 ――無我の間を開けよ

 それは、悟りではなく、虚ろである。
 それは、救いでなく、嘆きである。
 その時、虚に隠れた衝動が励起して、波を立てた。

 それは、怒りでもなく、喜びでもなく、悲しみでもなく、愛しさでもない。
 それは虚の向こう側。
 実存と実存の間。

 世の不条理を、嘆け。
 魂へ神性を乗せる為に、祈れ。
 世界の一部となる存在から超越する為に、願え。

 ――大いなる魔を導け

 二つの眼の間に、魂のトビラを開いてゆく。
 静まりし霊力が、魔素へ昇華してゆく。
 莫大な魔力が星々から集まりだした。

 ――世界法を裏返す力を

 導師ロドリゲスは、静かに強く唱えた。

 ――蘇生せよ

 続けて聖句を紡いでゆく。

 ――死したる者、我が愛弟子ルグィンの
 ――その肉体の刻を、健やかなる彼方へと巻き戻せ
 ――さあルヴィンなる魂よ
 ――汝の器は、今、ここに蘇り、
 ――そして、収まるべき場所へ戻れ


 朽ちた肉体の、時が逆転してゆく。
 さまよえる魂は、地上へ舞い降りた。
 ルヴィンの肉体は、鼓動を始め、肺に空気が吸い込まれてゆく、
 魂は、肉体と重なり、融和し、お互いに結び合う。

 「おかえり、ルヴィン。 我が愛弟子よ」

 こうして、偉大なる大魔導は完成したのである。
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