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【掌編】チート
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そいつは緑の肌をしていた。
醜い赤子のようなしわくちゃな顔だった。
人型で、身長が130cmほどで、でも筋肉質で……
そして右手には、木の根を加工した棒のようなものを持っていた。
そんな化け物が、目の前にいた。
俺は、腰を抜かしていた。
ソレは、クチャクチャしたような舌たらずに、喚いている。
――クチャペチャ、クチャペチャ、チッチッ!
ソレは、クチャクチャしたような舌たらずのまま、叫んだ。
――ギッチャャーァァァァッ!!
俺は耳をふさいだ。俺はぶっちゃけパニクっていた。
もちろん、奴が何を言っているのか分からない。
でも、すぐに答えが現れた。
化け物の仲間だ。
俺を取り囲む。
へたくそなステップで踊るように。
俺を発見した最初の化け物が、棒を振り上げた。
身を縮めて、頭を両腕で庇った。
奴らはお構いなしに、その木の根で、腕を叩きつける。
――ゴガッ
「うっ」あまりの痛み、声を飲んだ。
一撃目で、腕は折れ、頭が露わになっていた。
自然と、目線を上げる。
化け物が叫んでいた。
歪むように笑っていた。
汚く並ぶ歯は、茶色に黄ばみ、そして鋭くとがっていた。
木の根を振り上げる化け物を、俺は、ただ呆然と眺めた。
ゴッ!
そうして、俺は……。
◆
気が付くと、又、同じ場所に居た。
ゴツゴツとした岩肌。一本道の洞穴。
ただし、苔のようなものがうっすらと光っており、なんとか視界を保っていられる。
いったい、俺は?
タチの悪い夢でも見てると思っていた。
でも、カビくさいじめじめした匂いがする。
静けさが耳に反響している。
岩肌の触れた感触は、リアル、だった。
「まじで?」これは現実なのか?
「まじで?」信じたくねぇ!
いや、もしかして……
「ステータス!」なにも起きない。
「システム!」「プロパティ!」「メニュー!」なにも起きない。
「嘘だろ?」「嘘だよな?」思わず自問自答した。
「ステータス!」 「ステータス!」 「ステータス!」 「ステータス!」
「ステータス!」 「ステータス!」 「ステータス!」 「ステータス!」
(ステータス!) (ステータス!) (ステータス!) (ステータス!)
(ステータス!) (ステータス!) (ステータス!) (ステータス!)
やけになって「ステータス」と連呼すると、声が洞穴に反響して、ビクッとした。
「・・・・(びびらせるんじゃねぇよ)」
にしても、ねぇよ、なってねぇ!
テンプレが基本だろうがよぉ……。
まじでわかってねぇ、作者わかってねぇよ……。
「異世界転移でチートでハーレム、ご都合展開オレ無双、そうだろ? それともハードモード? 知恵と勇気と幸運で、乗り越えるってアレか? ダメだろ? んなの、ダメに決まってるだろ!?」
俺は……
「ぐずデブのろまで、ひきニート歴10年の大台になった、キモオタだぞ……」
俺は……
「しかも、精神障害を理由に、生活保護もらってるクズ・オブ・ザ・クズだと、自分では思っている位には、ダメポ野郎で……、ネット番長で、劣等感情の、だからチートの一つや二つなきゃ、ぜってぇ無理だろよ。おい、作者いるなら、チート神だしてくれよ、な? な?」
……ちくしょう。
あれはゴブリンだよな。
ファンタジーで出てくる最弱なモンスター。
下手なヤンキーより凶悪に見えたぜ。
つーか、ヤクザとかよりも、ヤバかったよな……。
この道を、歩けば、多分あいつらに出くわす。
――……チッチッ!
――…………クチャペチャ、チッチッ!
――クチャペチャ、クチャペチャ、チッチッ!
反響した俺の声に反応したのか?
後ろは、行き止まりだ。
ああ……、
――死んで終われるなら、いいのに。
「ループチートとかいらねぇんだよぉ!!!! くそ作者がぁぁぁああ!!!」
醜い赤子のようなしわくちゃな顔だった。
人型で、身長が130cmほどで、でも筋肉質で……
そして右手には、木の根を加工した棒のようなものを持っていた。
そんな化け物が、目の前にいた。
俺は、腰を抜かしていた。
ソレは、クチャクチャしたような舌たらずに、喚いている。
――クチャペチャ、クチャペチャ、チッチッ!
ソレは、クチャクチャしたような舌たらずのまま、叫んだ。
――ギッチャャーァァァァッ!!
俺は耳をふさいだ。俺はぶっちゃけパニクっていた。
もちろん、奴が何を言っているのか分からない。
でも、すぐに答えが現れた。
化け物の仲間だ。
俺を取り囲む。
へたくそなステップで踊るように。
俺を発見した最初の化け物が、棒を振り上げた。
身を縮めて、頭を両腕で庇った。
奴らはお構いなしに、その木の根で、腕を叩きつける。
――ゴガッ
「うっ」あまりの痛み、声を飲んだ。
一撃目で、腕は折れ、頭が露わになっていた。
自然と、目線を上げる。
化け物が叫んでいた。
歪むように笑っていた。
汚く並ぶ歯は、茶色に黄ばみ、そして鋭くとがっていた。
木の根を振り上げる化け物を、俺は、ただ呆然と眺めた。
ゴッ!
そうして、俺は……。
◆
気が付くと、又、同じ場所に居た。
ゴツゴツとした岩肌。一本道の洞穴。
ただし、苔のようなものがうっすらと光っており、なんとか視界を保っていられる。
いったい、俺は?
タチの悪い夢でも見てると思っていた。
でも、カビくさいじめじめした匂いがする。
静けさが耳に反響している。
岩肌の触れた感触は、リアル、だった。
「まじで?」これは現実なのか?
「まじで?」信じたくねぇ!
いや、もしかして……
「ステータス!」なにも起きない。
「システム!」「プロパティ!」「メニュー!」なにも起きない。
「嘘だろ?」「嘘だよな?」思わず自問自答した。
「ステータス!」 「ステータス!」 「ステータス!」 「ステータス!」
「ステータス!」 「ステータス!」 「ステータス!」 「ステータス!」
(ステータス!) (ステータス!) (ステータス!) (ステータス!)
(ステータス!) (ステータス!) (ステータス!) (ステータス!)
やけになって「ステータス」と連呼すると、声が洞穴に反響して、ビクッとした。
「・・・・(びびらせるんじゃねぇよ)」
にしても、ねぇよ、なってねぇ!
テンプレが基本だろうがよぉ……。
まじでわかってねぇ、作者わかってねぇよ……。
「異世界転移でチートでハーレム、ご都合展開オレ無双、そうだろ? それともハードモード? 知恵と勇気と幸運で、乗り越えるってアレか? ダメだろ? んなの、ダメに決まってるだろ!?」
俺は……
「ぐずデブのろまで、ひきニート歴10年の大台になった、キモオタだぞ……」
俺は……
「しかも、精神障害を理由に、生活保護もらってるクズ・オブ・ザ・クズだと、自分では思っている位には、ダメポ野郎で……、ネット番長で、劣等感情の、だからチートの一つや二つなきゃ、ぜってぇ無理だろよ。おい、作者いるなら、チート神だしてくれよ、な? な?」
……ちくしょう。
あれはゴブリンだよな。
ファンタジーで出てくる最弱なモンスター。
下手なヤンキーより凶悪に見えたぜ。
つーか、ヤクザとかよりも、ヤバかったよな……。
この道を、歩けば、多分あいつらに出くわす。
――……チッチッ!
――…………クチャペチャ、チッチッ!
――クチャペチャ、クチャペチャ、チッチッ!
反響した俺の声に反応したのか?
後ろは、行き止まりだ。
ああ……、
――死んで終われるなら、いいのに。
「ループチートとかいらねぇんだよぉ!!!! くそ作者がぁぁぁああ!!!」
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