文章練習ノート

クロレキシー

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【掌編】モモタロウ オブ ザ デッド

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 きびだんごを食べようとしたら、巨虎が襲ってきた。
 死んだふりをしようとして、きびだんごを落としてしまった。
 巨虎に向かってコロコロと転がっていく。
 巨虎が、それを拾って食べると、ガクガクと体が震えだして、全身から体液を流しだし、しまいには死んでしまった。

 桃太郎はそれを見て呟いた。
 「ああ、ばあちゃんが作った奴だった」

 桃太郎を育ててくれたばあさんは料理が苦手で、じいさんがいつも作っていたのだった。「ばあさんが作ると、死人がでるでのぅ」というじいさんの口癖はホントだったんだなぁ、と、桃太郎は思った。

 「どうしよう、この産業廃棄物……」残りのきびだんごを見て呟く。
 正直、危なすぎるよなぁ。うーん。と、悩んでいると、死んでいたハズの巨虎が、むくりと起き上がり、桃太郎のまえに、腹を見せた。

 「なんなりとご命令を、ご主人様」
 巨虎はゾンビ化し、桃太郎の従者になったらしい。

 「なにこの展開、しかも、なんでしゃべれるの? はぁ・・・、じゃあ、人を襲わないでね」
 「御意」

 そうして、鬼退治の旅に巨虎ゾンビがついてゆくことになった。

 山林を下り、森に入ると、今度は、大熊が襲ってきた。
 巨虎ゾンビが、その一撃を防ぐと、桃太郎は「えいっ」ときびだんごを大熊の口に投げ入れた。
 大熊は、ガクガクと体が震えだして、全身から体液を流しだし、しまいには死んでしまった。

 しばらくすると、死んだ大熊はむくりと起きだし、桃太郎にひざまづいた。
 「なんなりとご命令を、我が君」

 「やべぇ、きびだんご無双・・・」
 こうして、巨虎ゾンビと大熊ゾンビを桃太郎は従えた。

 森をぬけ、平地にでるとすぐに海が見えてくる。鬼ヶ島へゆくには船が必要だが、つてがない。
「うーん、どうしようかなぁ お金もないし・・・とりあえず、港にいくか」

 港にいくと、大きな屋敷ほどもある竜が暴れていた。
 お侍さんがバッタバッタとなぎ倒され、弾き飛ばされていた。

「この展開は、やっぱ、あれだよなぁ・・・」
 桃太郎は、竜の正面にあえて立つ。そして、竜がブレスは吐こうと息を吸い込む瞬間に、きびだんごを投げつけた。

 竜がきびだんごを吸い込むと、案の定、ガクガクと竜の体は震えだし、全身から体液を流しだした。 そのまま苦しそうにうめき声を上げ続けて、最後には死んでしまった。
 「さすが竜だなぁ。ばあちゃん製のきびだんごにかなり耐えていたよ・・・」

 またしばらくすると、死んだ竜はむくりと起きだし、その羽を一度広げた後で、首を垂らした。
 「なんなりとご命令を、マスター」

 こうして、巨虎ゾンビ、大熊ゾンビ、竜ゾンビを従えた桃太郎は、ゾンビマスターとして鬼退治どころか、世界中のダンジョンで活躍したそうな。

 おしまい
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