処刑から逃げた呪いの精霊術師は追いかけてきた英雄から逃げ出したい

黄金 

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26 ウォルオの執着

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 ビチュテはウォルオに連れられて馬車に乗せられていた。
 一度転送装置があった支部からエルレファーニ公爵家の屋敷に連れられて行き、装備一式を取られて着替えさせられた。使用人達に囲まれお風呂に入れられ、着替えだと言われて着させられたのは貴族が着るような煌びやかな衣装だった。
 向こうでも既に夜だったが、それからこちらに来て着替えやら移動やらを考えても結構な時間が経っていた。しかも星殿の枢機卿に会うのだと言って明け方まで待たされた。ビチュテは寝室に通されたが一睡も出来なかった。
 そして漸く星殿へ向けて馬車で移動していた。
 アルエンツの部隊で車に乗った後だからか、スピードは酷く遅く感じた。時速三十キロもバカに出来ないなと思う。

「何故枢機卿に会う必要があるんですか?」

 星殿はビチュテを処刑したと見せかけて監禁するつもりだったのだと聞いている。
 すぐ転送されてくると思っていたアルエンツ達が来ないことから、星殿が何か手を回して来られないようにしたのだろう。
 初めアルエンツはまず王宮に行って保護すると言っていたが、転送装置に入る前に心配そうにしていた。星殿が待ち構えていることを知っていたのかもしれない。星殿に捕まったのならいっそのこと星殿が何をしようとしているのかを見てみようと思った。
 それにテチーオ親子は星殿騎士達に連れられて行ってしまった。あの二人は星の聖者なのですぐに何かされたりとかはないと思うが、もしビチュテのようにラエリーネに星の花を渡す精霊術を掛けられでもすれば大変だ。
 そうなる前に二人は救い出し、アルエンツ達の部隊に引き渡したい。
 そう思うから大人しくウォルオについてきた。

 馬車の中では何故かウォルオはビチュテの隣に座ってきた。前に座ればいいのにと思うが、ウォルオは壁にくっついて座るビチュテのすぐ隣に座っている。
 ビチュテはなるべくウォルオを見ないようにしていた。
 過去には婚約者として淡い期待のような好意を向けていたが、ウォルオはビチュテとの婚約をあっさりと破棄しビチュテを私生児だと言った。そうだろうけど、そう言って欲しくなかった。ルエルンが怪我した時も、ビチュテじゃないと言ったのに信じてくれなかった。
 この美しい元婚約者は、ことごとくビチュテの信頼を裏切った人だった。
 顔を合わせたくなかった人なのに、聖星国ダネトに入って真っ先に会うなんて……。
 ビチュテはソッと溜息を吐く。

「私と会いたくなかったかな?」

 分かってるなら会わないようにして欲しかった。

「……あまりいい思い出はありませんから。」

 ビチュテの膝には鳩のビツがのっている。その上にビチュテは手を揃えて乗せていたのだが、ウォルオは自分の手を重ねて握りしめてきた。ビチュテはビクッと震える。
 この馬車の中にはビチュテとウォルオの二人きりだ。
 顔を上げられず、ジッと握られた自分の手を見ていると、ウォルオの指がビチュテの指に絡んできた。

「美しい星の花だ。」

 袖から出たビチュテの右手には、星の花アジファラの模様が浮き上がっている。銀色の大輪の花や力強く伸びる蔓が指先にも美しく広がっていた。
 指と指の間にウォルオの指の感触がして、咄嗟に払い除けてしまう。

「やめて下さい。」

 ウォルオはビチュテを見つめた。底の知れない翡翠の瞳がビチュテをジッと奥底まで見ようとしてくる。
 十五歳の時ビチュテに特大の雷を落とした人間とは思えない優しい表情に、ビチュテの心はざわついた。
 アルエンツは……。アルエンツはこんな表情じゃなかった。アルエンツとウォルオの表情の違いは分からなかったが、アルエンツの時は目を離せなかったのに、ウォルオの顔は見ていたくなくて目を背けてしまった。

「…………ビチュテをずっと探していたんだよ。」

「………………。」

 処刑する為に?

「君がいなくなって、君がどれほど大切な存在だったのか気付いたんだ。」

 ビチュテは目を見開く。
 はぁ?

「本当の星の聖者は君だ。ビチュテは星の大聖者だよ。ラエリーネなんかじゃない。そのことを知ってどれほど後悔したか……。」

 ビチュテは必死に思考を巡らせた。
 つまりビチュテがいなくなった後、この人はビチュテの星の花がラエリーネに奪われていたことを知ったということだ。
 そして探していた…?
 何の為に?

「公爵家に必要なのは子供を産める女性だったはずです。星の花は関係ないのでは?」

 ビチュテはウォルオを見た。何故か腹立たしい。

「………後から考えれば、子供にこだわる必要はなかったんだ。あの時はまだ公爵位を継いでいなかったし、嫡子でも発言権は弱かった。でも今なら君を私の家に。」

「嫌です。」

 すかさず断る。
 そんなの絶対に嫌だ。一度拒否された場所に、どんな顔して行けと言うんだ!
 むくりとビチュテの中の第二の人格が起き上がる。
 馬車は星殿の門を潜ろうとしていた。星殿の周りには住居が密集してはいるが、星殿を囲う塀の周りは広い道になっており、星殿と民家の間には距離がある。

「ビチュテ、そんなことを言わずに私とやり直そう。戸籍は新しく用意するし、ビチュテは私の妻になるんだ。後継もいるから心配いらない。ああ、ラエリーネなら今離婚手続きを進めているから、それも安心して欲しい。」

 はあ?
 はああ?
 何言ってるんだ?気持ち悪いっ!
 なんか今はもうよく分からないけど気持ち悪い!!
 やってしまえ!第二の人格が叫ぶ。好きにさせるな、暴れてしまえとビチュテの背中を押した。

「風よ、清浄なる朝の光よ、僕の怒りをもって天から貫け!!」

 光が降り注ぐ。
 サアァーーー………と光が空から降りて、地面に到達するとスパァンと馬車を貫いた。咄嗟にウォルオは身体を反らせて光を避ける。
 馬車は半分に壊れ、馬車を引いていた馬達は足を上げて興奮して鳴いた。
 ビチュテは壊れた馬車から飛び降りる。
 星殿の中から騎士達が出てくるのが見えた。

「僕と一緒に来た親子はどこにいますか?」

 同じように外に着地したウォルオに尋ねた。

「さあ?星殿に引き渡してしまったからね。」

 テチーオ親子のことなど関係ないといったウォルオの様子に、ビチュテはムッとする。こんなに冷たい人だったのかと失望した。

「……ラエリーネの居場所も知りませんか?」

 立ち上がるウォルオと、ビチュテは距離を置くように離れる。
 ウォルオは精霊術師だが、リデヌ侯爵家のように身体も鍛えている。身のこなしに無駄がない。

「ラエリーネから星の花を取り戻すつもりなら、私に任せなさい。」

「…………嫌です。」

 密かにエルレファーニ公爵邸にいる間、精霊にラエリーネを探させたが屋敷にはいなかった。ラエリーネはエルレファーニ公爵夫人だ。何故いないのかわからないが、いないならば星殿かと思うのだが、ウォルオの表情からはラエリーネの居場所には興味なさげに見えた。
 パッとビチュテは走り出す。
 まずはラエリーネを見つけてみよう。ラエリーネは今でも星の大聖女と言われている。ラエリーネの星の花が現在どうなっているのか確認したかった。
 枯れた星の花を持つ聖者や聖女が増えていると言っていた。まさか全ての星の花をラエリーネに集めているのだろうかと考えはしたが、そんなことを本当に?と未だに疑ってしまう。何人分、いや何十人分の星の花をたった一人に集めて、その人間はどうなるのだろう。
 兎に角こうなったからにはラエリーネに会ってみたい。
 ビチュテは精霊に頼んだ。

「来い。」

 手の中にナイフが現れる。アルエンツが買ってくれた高級ナイフだ。聖星石が混ぜられた金属に、精霊達が吸い込まれるように馴染んでいく。
 供物はとりあえず髪の毛でいいかな。
 プツンと何本か抜いて精霊に与えた。

「探して、僕の尋ね人を。僕を導いて。」

 精霊達が風を送る。ビチュテの身体に纏わりつき、スピードを上げつつこっちだと誘導を始めた。それでも精霊達はビチュテの動きの邪魔をするわけではない。あくまでも補助しているだけだ。

「ありがとう。」

 お礼を言ってビチュテは走り出す。抱いていた鳩のビツを空に放った。ビツは走り出したビチュテについてくる。

「ビチュテっ!」

 後ろからウォルオの制止する声が聞こえたが無視した。戦えばウォルオは優れた精霊術師なので無駄に時間をくうだけだ。それに不快感が増すから相手にしたくない。
 追おうとしたウォルオとビチュテの間の地面が突然バシィンッ!と抉れ、ウォルオは慌てて立ち止まった。
 銃撃!?どこかから狙撃する人物がいる!だがこれは、誰かがビチュテを援護したのがわかった。
 弾丸が飛んできた方向をチラリと見て、ビチュテは構わず星殿の中へと走った。後ろでウォルオがまた飛んできた弾丸に阻まれていたが、今のうちにと走る。
 走るビチュテを止める為に星殿騎士達が立ち塞がってきた。星殿騎士は基本剣や槍などの刀剣類が多い。星殿や星の聖者たちの守護が主な使命であり、古めかしい考え方から銃火器類を好まない傾向にある。
 目の前の騎士が剣を抜き斜め上から振り下ろしてきた。ビチュテは身を屈め、騎士の長剣を持つ手を左手で払い、右手のナイフで甲冑の鎧の継ぎ目に刃を滑らせた。少し弧を描く刃はスルリと入り込み肉を切っていく。鎧の隙間から血飛沫を飛ばし倒れる騎士を避け、次の騎士に意識を向ける。
 星殿の騎士は皆精霊術が使えるので、出会い頭に先制攻撃で戦闘不能にしていかなければならない。剣を振らせてはリーチが短いビチュテの方が不利だ。星殿騎士達の剣もまた聖星石が混ざる精霊術師用の剣のはずだ。精霊術を使う前に倒していく。
 基本的には手足の筋や血管を狙い、動けなくさせていく。ここには治癒が出来る精霊術師もいるはずなので遠慮はいらない。死なない限り回復させることは可能だ。
 騎士達を殺さないようにしているのは、ここがつい最近まで過ごしていた原生林溢れる場所ではなく、一人死んだだけでも大騒ぎになる聖星国ダネトだからだ。
 まぁ、既に戸籍のないビチュテにどんな罪が重なろうと構わないが、保護を約束してくれたアルエンツと王家に不利になりそうなことはやめておく。
 
「これは偵察。」

 そうそう偵察、偵察!
 第二の人格が飄々と是認ぜにんする。
 精霊達がここにはラエリーネはいないと報告してきた。

「いないの?…うーん、じゃあテチーオとナツは?」

 精霊達はクスクスと笑っていた。
 あ、これはマズイ。あの二人も暴れているのかもしれない。
 ビチュテはすぐ近くの部屋に飛び込み窓を開けた。騎士達が追いかけてくる。外に出て精霊術を使うことにした。

「清き朝の光に紛れ、ふわふわと、飛ばせ。」

 風が巻き上がりビチュテの身体がふわりと浮いた。飛んでついてきていたビツも一緒に空に舞う。
 まずは二人を探さないと。
 ビチュテの意思を汲んだ精霊達は、探し人の方へとビチュテを運んでいった。


 
 窓から飛び降りたように見えたが、ビチュテは下にも上にもいなかった。
 腰の高さにある窓に手をつき、ウォルオは朝日に眩しく目を眇めた。
 公爵家の使用人にビチュテの支度をさせたが、ビチュテの右腕にはそれは美しい星の花の模様が咲いていたという。ウォルオもその美しい星の花を見たかったのだが、星殿から連絡がはいり、先に枢機卿が会いたいと言うので朝早くから向かわなければならなかった。
 折角星殿を出し抜いて、エルレファーニ公爵家が抱き込んだ星殿騎士で固めてビチュテを連れ去ったのに、星殿は残りの騎士と精霊術師を迎えによこしてきた。
 ここで反抗しても小競り合いに発展する。
 エルレファーニ公爵家は精霊術師を輩出する家で、精霊術師は星殿で管理されている。公爵家に対する影響力が強い星殿と対立するのもあまり良くはない。信仰心深い家臣も多いのだ。
 星殿はビチュテの身柄を星殿のものと主張するだろうが、先に連れてきたのはエルレファーニ公爵家だ。
 美しい星の花を持つ聖者を所有するのはエルレファーニ公爵家だ。
 信仰心篤い家臣達もこれには賛成している。
 星殿もエルレファーニ公爵家の援助を切られるのはマズイだろうから、ビチュテの所有を主張はしても強くは出れないだろう。
 ビチュテは元々ウォルオの婚約者で、現妻の弟だ。上手く言い繕ってビチュテをエルレファーニ公爵家のものにするつもりだった。
 少し枢機卿に合わせてすぐに連れ帰るつもりだったのに、ビチュテはウォルオから逃げて行った。
 
 ーーー嫌です。ーーー

 ビチュテはウォルオを拒否した。
 まさかウォルオの申し出を断るなんて……。
 これからは一緒に暮らせると思っていたのに。

 転送装置から出てきたビチュテは、少し大人になっていた。最後に見た時はまだ幼い顔立ちで、細い手足も柔らかそうだったのに、顎はシャープになり、ピッタリとした服から筋肉のついた手足がよく分かった。防弾チョッキと銃で武装して、あどけなかった空色の瞳は鋭くウォルオ達を一瞥していた。
 それでも、いやそれだからこそ、ビチュテは美しかった。
 孤高な獣のようで、息を呑む騎士は多かった。
 
 あのまま婚約者のままで、ウォルオと結婚していたら自分達は今でも一緒にいたはずだった。
 ビチュテの星の花が枯れてようと関係ない。
 ウォルオは初めて会った時からビチュテを気に入っていた。見上げる空色の瞳はいつもウォルオを信頼していた。頬を染め嬉しそうに見ていたのに、もうあの瞳はない。
 
 あの時はどうすることも出来なかった。
 兄が死ねばスペアの自分が後継として繰り上がる。ウォルオの下には誰もいないのだから拒否は出来ない。そして後継となったウォルオは次の後継を作らなければならない。
 男のビチュテでは子供は産めないのだから。
 だから仕方ないじゃないか。

 だが今は子供が一人いる。ビチュテと血の繋がりのある男の子だ。
 ビチュテは誰よりも美しい星の花アジファラを持っている。偽物ではない本物の星の花だ。
 ラエリーネあれは偽物なのだから、もういいだろう。
 公爵夫人には本物がいい。美しいビチュテが似合っている。
 
 だからビチュテを手に入れるのは自分だ。

「急いでビチュテを探せ!」
 
 星殿の外からビチュテを援護する射撃があったことから、ビチュテには仲間がいるのだと気付いた。そしてそれはアルエンツ・リデヌである可能性が高い。星殿の結界をものともせず外から撃たれたのだ。そんなことが可能な人間は限られていた。
 こちら側の転送装置は壊したが、首都にある転送装置全てを壊すことは不可能だ。ましてや王宮の中にある王族専用の転送装置は公爵であるウォルオでも触れたことがない。
 おそらくもう近くにいる。急いでビチュテを捕まえないと。
 騎士達に命じてウォルオも星殿の中へと入っていった。










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