落ちろと願った悪役がいなくなった後の世界で

黄金 

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空に浮かぶ国

18 幽閉された聖王陛下

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 ツビィロランは子供だった。確かに十年前は年齢よりも遥かに幼く、我儘な性格をしていた。
 十年ぶりに会ったツビィロランは別人になっていた。
 自分達がツビィロランを裏切り貶めて殺した結果が今の彼なのだろう。人は辛い経験をすると性格が変わり顔つきも変わる。
 大人になったのだというには彼の人格は様変わりしすぎていた。

 久しぶりに会った彼は殺されたことをなじるでもなく、単純に真実を知りたがった。
 背に死ぬ程の致命傷を受けながら、あの時の俺と聖王陛下の様子を観察していたらしい。意外なツビィロランの洞察力に驚いた。
 
 俺は今、切羽詰まっている。
 聖王陛下の神聖力が薄まりつつあり、これ以上無為に時間を過ごせば手遅れになると感じていた。
 話す相手がツビィロランというのは心許なかったが、藁にもすがる思いだった。

 だから俺と聖王陛下の関係をこの際ツビィロランに教えてしまおうと思う。
 そうして俺は過去を話した。





 神聖軍主の一族に生まれた俺は、いずれ聖王陛下になられるであろうロアートシュエ様に、お会いした。
 気高くも美しい彼は苦しんでいた。当時、緑の翼主は対立関係にあった青の翼主を壊滅させていた。罠にかけ聖王の座から引き摺り下ろし、前花守主と共闘して前々聖王を罪人にしてしまった。
 次期青の翼主は生まれたばかり。この子供は緑の一族のしもべとすべく教育するのだと、緑の一族達が笑っているのをみて、ロアートシュエ様は悲しんでいた。
 
「私が大人しく聖王の座に着けば、青の生き残りを守れるかもしれません。」

「では俺も神聖軍主となって貴方をお助けします。」

 それが始まり。
 金緑石の瞳を細めて笑うロアートシュエ様は、アゼディムの敬愛の対象となった。どんなことからも守ると誓った。

 いつも側にいる人はどんなものよりも愛しく感じるようになった。
 ロアートシュエ様が汚れてしまわないよう、全てから守れるよう、神聖力を高めお守りした。
 ロアートシュエ様に腐敗が移らないよう、腐ったモノは排除していった。

「アゼディム一人で手を汚さないで下さい。私は聖王なのだから。」

 聖王陛下だからこそ、俺が汚れるのです。貴方に泥水一つつけたくありません。
 俺の敬愛は妄愛となり、ロアートシュエ様はいつも苦しげに笑われるようになった。

 そんな時にツビィロランが生まれた。
 あの黒い髪の子供がロアートシュエ様の隣に立つのかと思うと腹立たしかったが、神の予言は絶対だ。天空白露なくして聖王陛下の存在はあり得ない。
 十三歳になりちょこまかとロアートシュエ様に纏わりつくようになったツビィロランを、黙って迎え入れるしかなかった。
 それから暫くして、もう一人神子候補がやって来た。
 黒い髪に瞳の少女。髪が夜の色であるばかりか、瞳まで黒く、花守主を始め次々とホミィセナを支持する者が増えていった。
 動揺する幼いツビィロランはあっという間に追い詰められていく。
 
 ロアートシュエ様はお優しい。困ってはいても弟のように可愛がっていたツビィロランを庇うかと思っていたのに、ある日態度が冷たくなってきた。
 そして一気にロアートシュエ様と親密になるホミィセナに俺は戸惑った。
 ツビィロランとロアートシュエ様の間には入り込めても、ホミィセナとロアートシュエ様の間には入ることができない。それをロアートシュエ様が許してくれなくなった。
 いつも側にいたのに、部屋の外で待たされることに憤りを感じながらも、どうすることもできない。

「…………すみません、アゼディムに頼みがあります。」

 ある日ロアートシュエ様からツビィロランに罪を着せ殺すよう頼まれた。
 
「!?何故ですか?どうか何かあるのならば俺を頼って下さい!貴方と私はっ!」

「ダメだ!!」

 ロアートシュエ様の両手が俺の口を塞いだ。
 口を塞ぎそっと囁かれる。それ以上口に出してはいけないと。
 金緑石の瞳に涙が浮かんでいた。

「泣かないで下さい。…………貴方の言うとおりにしますから。」

 そうして俺はツビィロランを死刑にしたのだ。









「ほほぉーーーん。アゼディムは聖王陛下の命令で俺を殺したと。」

 ツビィロランはその話を聞いて考えた。
 聖王陛下は俺を殺したくないが殺さなければならなかったわけか。そしてその理由をアゼディムは知らない。

「なぁ、聖王陛下が俺を殺せと言った理由に全く身に覚えがないのか?」

 アゼディムは俺から視線を外した。
 どうやら思い当たることがあるらしい。

「………俺と聖王陛下には共通の秘密がある。それを知られ脅された可能性を考えた。だから……、やるしかなかった。」

「その秘密教えてほしいなぁ~。」

「………………。」

 無視か。まぁいいや。

「じゃあ、俺に頼みたいことって聖王陛下の救出か?」

 アゼディムは頷いた。

「どこにいんの?」

「石碑の下にある地下室だ。聖王陛下は神聖力の薄まった天空白露に神聖力を注ぐ為に、地下室へ入られた。」

「んないくら聖王陛下の神聖力が常人より多いっつっても一人じゃどーもならんだろ?」

「わかっている!………おそらく。」

 あーーー、それもやらされたわけね。

「俺にそこに行けってこと?」

「そうだ。お前は透金英の森を焼く際、透金英の花を投げたのだろう?それをリョギエンが見ていた。黒に見えたとも言っていて、その内容はホミィセナに報告されたんだ。ホミィセナは神聖力の高い罪人をこれからは石碑の下に入れるよう指示した。」

 罪人を石碑の下の地下室にって……?そこに聖王陛下もいるのにか?聖王陛下は罪人かよ。

「じゃあ、秘密を握って脅してるのは予言の神子様ってわけか。」

 アゼディムはまた黙ってしまったが、それが答えだな。
 秘密かぁ~。秘密ねぇ~~~。

「救い出して大丈夫なわけ?」

「今日は濃霧だ。近距離じゃないと見えないから、今日直ぐに連れ出したい。夜にもう一度来て扉を開ける。本当は俺が入りたいんだが石碑には透金英の親樹が巻き付いていて、中に入れば神聖力を吸われて動けなくなる。外に出ても逃げれなければ一緒だ。なんとか連れ出してくれればお前も一緒に逃すと交渉しようと思っていた。」

「なるほどね。いいよ。じゃあ、行こう。」

 俺が了解すると霧の向こうから「待って!」と止める声がした。
 
「それ、僕もいく!僕は色無だから神聖力吸われても普通に動けるから!」
 
「イツズ!?」

 イツズが走ってきてツビィロランに抱き付いてきた。

「ねっ?僕が一緒に入った方が動きやすいよ!二人で抱えた方がいいって!」

「あーーー、うん。」

 そうだけどイツズを巻き込むのはなぁと心配になる。
 おーねーがーいー!と揺さぶられて仕方なく了承した。







 イツズはお助けキャラの特性があるのかなんでも知りたがるし記憶力もいい。そして俺は前世のこと以外は隠し事をしない。津々木学のことを教えて信じてくれそうな気もするが、特に必要なことではないと思うのでそこは今後も言うつもりはない。
 何を今からするつもりなのかお互い情報を認識し合い、天空白露の中心にある石碑の前まで連れて来られた。

「この二人が透金英の森を燃やした犯人なの?あまり神聖力は無さそうだわ。」

 アゼディムに連れて来られたが、先に連絡を受けていたのかホミィセナが待っていた。俺達の髪色を確認して神聖力が少ないと判断したらしい。俺は朝から青色になるくらい透金英に神聖力を吸わせていた。今は少し時間が経って濃くなっているが、普段からアゼディムやクオラジュ達を見ているホミィセナからすれば、今の俺の髪色なんて薄い方なんだろう。それに濃霧のおかげで近くに寄っても分かりにくかったのかもしれない。

「直ぐに地下に入れますか?」

 アゼディムは少し苦しそうだ。今俺達は地下に続く扉の直ぐ前に来ている。あまり近寄りすぎると透金英の親樹があるので神聖力を吸われてしまう為苦しくなる。
 ホミィセナは影響を受けない場所まで離れているのか、濃霧で姿は見えず声だけ聞こえた。あのむかつく主人公面を見たかった気もする。

「ええ、入れてちょうだい。」

 アゼディムは聖王陛下の為にホミィセナに従っていると言っていた。だがそれも聖王陛下が生きていればの話だ。
 アゼディムが言うには聖王陛下は神聖力を長く吸われ続けて衰弱しているらしい。離れていてもアゼディムには分かるそうだ。

「親樹の横に普通の透金英の樹を植えれば花をつけるかしら?」

 ホミィセナが思いついたようにアゼディムに尋ねた。

「俺は専門ではないので花守主に聞いて下さい。」

「……ふふ、そうね。無能な貴方は大人しく私の手足になるしかないものね。」

 聖王陛下を人質に取られたアゼディムはホミィセナから見下され言いなりになっている。そのやりとりを聞いて嫌な女だなと思う。
 道中アゼディムから聞いた話では、ホミィセナは透金英の花を集めては、その花を食事や化粧品、風呂に至るまで全て透金英の花を混ぜて使っている。
 しょっちゅう呼び出されるクオラジュも宮殿内の温室にある透金英の樹に神聖力を吸わせては花を育て、それをホミィセナが嬉々として採り、自分が使ってしまっているらしい。
 透金英の花に依存していると言っても過言ではない。

 開けられた扉から俺とイツズは中に入った。

「松明を。空調は効いているが、誰も掃除になんて入れないからどうなっているか分からん。」

 アゼディムが小声で松明を渡しながら教えてくれた。袋も押し付けられ、中を見ると薬やら食料やら雑多に色々入っていた。
 俺は黙って手を上げて中に入っていった。アゼディムの目は最後まで縋るように俺達を見つめていて、大丈夫だと笑いかける。
 扉は自然と閉まっていった。


 地下へと続く階段は長かった。暗い穴の中へ潜っていく感覚にブルリと震える。

「怖いんでしょ?」

「…………いやいや、まあまあ。へへへ。」

 イツズが松明を持って先に降りてくれている。先に入った俺の足が止まってしまったので何も言わず交代してくれたのだ。申し訳ない。
 イツズは結構強い。俺が怖がりなだけだろうか。

「着いた。奥にまだ通路が続いてるよ。」

 階段も通路も大人が二人並べる程度の広さだ。

「うう、狭い、暗い、怖い。」

「とうとう口に出し始めたねぇ。」

 声に出せば少しは紛れるかと思ったが逆に怖さが増してしまった。なんとか集中して聖王陛下の神聖力を探る。
 津々木学としては初対面になるので、記憶の中から聖王陛下の神聖力を引っ張り出し、扉の中を一つ一つ確認していった。
 今のところこの地下室には聖王陛下しかいないらしい。己の神聖力のみでどこまで延命出来るのか分からないが、ここ一年弱ほど入っている。聖王陛下という存在は天空白露で最も神聖力に長けた人間がなれる。なのでロアートシュエも勿論巨大な神聖力を持っているのだが、流石に食事は運ばれてくるらしいが、透金英の親樹に神聖力を吸われ続ける状態ではどうなっていることやら。

 聖王陛下の気配は一番奥の扉から感じた。

「ここだ。」

 俺の言葉にイツズが頷き場所を俺に譲った。
 地下に入る前からイツズは透金英の親樹に近付くと直ぐに神聖力を吸われてしまい髪は真っ白になった。それでも色無のイツズは体調を崩すことはない。それが神聖力無して生まれた色無の特徴だった。普通の人間なら神聖力を吸い取られすぎて倒れている。
 俺も吸われてはいるが神聖力を無くして体調を崩すことはない。それは地上にいる時も同じだった。今のところ髪色は青いままだ。天空白露に来てから思ったが、神聖力が身体に溜まるのが異常に早くなってきている。意識すれば無限に増え続ける感じだ。

 緊張しながら扉を開けた。松明の明かりが部屋に入り込むが、中は薄暗い。部屋の中にはベットに机と椅子、本棚が置いてあり誰かが使っていたように見えたが、全ての家具がボロボロで今にも壊れそうだった。
 奥の壁際に何か塊がある。
 塊がゴソッと動いた。

「………………っ!」
 
 うう、こわっ!

「何ビビってるのさ!聖王様だよ!」

「あ、はい。」

 慌てて駆け込むイツズに押されて、俺達は奥の塊へと走り寄った。










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