落ちろと願った悪役がいなくなった後の世界で

黄金 

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女王が歌う神仙国

52 いつか離れ離れ②

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 え?戦っている?お互い剣を片手に神聖力を使って攻撃しあっている。

「……………っ!な、何でこんな所で!?」
 
 二人の声にツビィロランが反応した。

「あ、おはよ。」

「ツビィ!二人は何で戦ってるの?」

 イツズは駆け寄って尋ねた。
 
「さー?来たらやってた。近寄れねーもん。何で音がしないのかな?」

 これにはサティーカジィが教えてくれた。

「遮音をかけているようです。クオラジュでしょうね。透金英の親樹と建物には保護をしているし、相変わらず器用な男です。」

 感心していた。
 攻撃しているのは主にイリダナルで、クオラジュは防戦一方のように見えるが、表情が余裕そうだ。

「イリダナル様は何で怒ってるのかな?」

「………クオラジュだからなぁ。」

「そうですねぇ。」

 イツズの疑問にツビィロランとサティーカジィは困った顔をした。
 サティーカジィが止めに行くというので、ツビィロランとイツズは待つことにした。

「大丈夫かな……。」

「サティーカジィは武闘派には見えねーもんな。」

 ワンパンでやられたりして、と冗談を言うツビィロランに、イツズは心配が増してきた。
 行っても何も出来ないからとツビィロランは壁に寄り掛かってしまったので、イツズも仕方なく待つことにした。

「昨日の夜はどこに行ったの?」

 戦うクオラジュ達を見ていたツビィロランは、少しだけイツズの方を向いた。
 
「どこってわけでもないかなぁ。たんなる原っぱだったし。」

 ということは人気がない場所だったと言うことだ。

「結構遠くまで行ったんだね。」

 モヤモヤとする。
 ツビィロランは今まで、イツズ以外に特定の誰かと一緒にいることがなかった。ずっとイツズだけだった。イツズ自身もサティーカジィと一緒にいる為、ツビィロランと二人きりという時間が減ってしまい、ツビィロランだけの所為ではないのだが、それでも何だか許せない。
 天空白露に来てから、何もかもが変わってしまったように感じていた。ツビィロランが飛行船を盗むと言った時、止めればよかったと後悔する。
 イツズはツビィロランの隣に立ち、同じように壁に寄り掛かってツビィロランにしがみついた。

「お?どうしたどうした。」

 甘えてくるイツズに、ツビィロランが琥珀の瞳を細めておどけてみせる。

「今度はクオラジュ様とどこかに行くの?」

 また離れるのだろうかと不安になる。
 きっと自分は情けない顔をしていると自覚しながらも、ツビィロランの腕に抱き付いた。
 ツビィロランはイツズより背が低い。身体だって出会った頃から変わらず細いし、二十五歳にしてはどこか幼い容姿をしている。
 だけどツビィロランと話すとその精神が歳以上に大人びていることが分かる。
 その表情も、仕草も、自信にあふれ男らしい。その容姿に似合わぬ仕草がツビィロランの魅力だとイツズは思う。見ていて飽きない、ずっと見ていたいと思わせる。

「さぁ、必要なら出るかもな。まだ決まってねーよ。」

「……そうなんだ。」

 ツビィロランの腕にぶら下がるように凭れ掛かり、頭をぐりぐりと擦り付ける。
 チラッと見上げると、ツビィロランは困ったように笑いながらイツズを見ていた。ツビィロランの意識を自分の方に向けさせたことで、向こうで続いている戦闘に勝てた気がする。ツビィロランはクオラジュ達よりもイツズをとってくれた気持ちになり、少し気が晴れた。

「イツズはサティーカジィとここに残れよ。」

「…………やだ。」

 珍しいイツズの反抗的な態度に、頭の上でフッと笑う気配がした。

「番だろ?」
 
「まだなってない。」

「嫌なのか?」

 嫌、ではない。むしろ番うならこれ以上はない程に良縁だと思う。色無のイツズには勿体無いくらいだ。
 黙り込んだイツズの頭を、ツビィロランはポンポンと叩いた。

「俺は二人が番になったら安心だ。」

 慰めるようなその言葉に、イツズはツビィロランの腕をギュウと握りしめる。
 その安心という言葉には、どんな意味が含まれているのだろうと考える。
 イツズの身の安全?それとも寿命?お金があるから?大きな家もあるし裕福な暮らしができるから?サティーカジィ様は予言者の一族の当主で番としてこれほど立派な人はいない。きっとイツズを守ってくれる。優しい人。素晴らしい番。そんな立派な人と番になれば、ツビィロランは安心なの?
 ツビィロランは?
 イツズが側にいなくなったら、ツビィはどうするの?
 予言の神子という地位に何の未練も無さそうなツビィは、そのあとどうするの?
 ずっと側にいてくれる?
 イツズが少し離れてしまっても、目の届くところにいてくれる?
 会いたいと言えば、会えるところにいる?
 
 どうしてこんなに不安なんだろう。
 
 まるで、これで安心だと言わんばかりのツビィの様子に、不安ばかりが募っていく。

「ツビィが消えてしまうなら、僕はサティーカジィ様と番にならない。」

 ボソリと口から言葉が零れ落ちる。
 ツビィロランがハッと息を呑んだ。

「サティーカジィが泣くぞ。それにお前は色無だから寿命が短いだろ?早く番になっとかないと死んじまうぞ。」

「誤魔化したって無駄だからねっ。僕を番に押し付けたら、ツビィはいなくなるんだ。」

「ならねーよ。」

 イツズはむ~~~と顔を顰める。ツビィは平気で嘘をつくことをイツズは知っている。
 そう言いながら、こめんなって言いながらいなくなる。
 ツビィロランは深々と溜息を吐いた。

「俺がツビィロランじゃないって理解してるよな?竜の住まう山で俺が元々いた場所を少し見ることができたんだ。だから、」

「だから、戻るの?元の場所に帰るの!?」

 イツズはツビィロランの腕を引っ張る。
 帰って欲しくない。
 ずっと、ずっとここにいて欲しい。
 イツズがサティーカジィと番になったら、何の憂いもなくなったツビィは、安心して元の場所に帰ってしまう!
 イツズは漸く何が不安だったのか理解した。
 ツビィロランがいなくなるかもしれない。
 最近ずっとそんな不安を抱えていたのだ。

「…いなくならないで………。」

 必死に懇願する。
 ツビィロランは大きく目を見開きイツズを見ていた。この綺麗な琥珀の瞳も、光の粒を散らす漆黒の髪も、自分のものじゃないんだとツビィロランは言った。
 そうかもしれないけど、イツズは今のツビィロランしか知らない。元々のツビィロランとは喋ったこともないのだから、今のツビィロランがイツズにとってのツビィロランだ。

「ツビィがいなくなるなら、死ぬまで番にならないんだから。」

 イツズの薄い金色の髪を、華奢な手がくしゃくしゃと掻き回した。

「…………この世界で俺を必要としてくれるイツズには幸せになってもらいたいんだ。俺がいようといまいと、それは変わらない。」

 だからサティーカジィと番になって欲しい。そして…………、ごめんな。

 ゆっくりと小さな子に言い聞かせるように言われて、イツズは本当に小さな子供のように足をバタつかせて我儘を言いたい気持ちになった。そんなことやったこともないけれど。

「ツビィも幸せにならなきゃ許さないんだからね。」

 それには苦笑しか返ってこなかった。





 暫くしてサティーカジィの介入により漸く二人の戦闘は終わった。
 イリダナルはまだ興奮気味だが、クオラジュの方はケロッとしている。

「何で戦ってたんだ?」

「イリダナルが根に持っているだけなんですよ。」

 クオラジュはぬけぬけとそんなことを言っているが、イリダナルはケッと今にも唾を吐きそうな顔だ。王様だからそんな下品なことはしないだろうけど。
 透金英の幹の影に隠れていたリョギエンがヒョコッと出て来た。髪は真っ白に変わり、白髪に変わると雰囲気がまた違ってくる。目つきは悪いけど白髪がボサボサで、頭を抱えて隠れてたんだろうと思うと、三白眼もちょっと可愛く見えるな。
 イリダナルがリョギエンの髪を手櫛で整えてやっていた。

「当たり前だ!俺には海に落ちた後の天空白露から得られる利益をダシに仲間に引き摺り込んでおいて、本当は天空白露を木っ端微塵にするつもりだったんだろうが!」

「失敗した場合の保険としてマドナス国とは契約を結んでいたでしょう?それが今回活かされていますから、良かったですね?」

「成功してたら俺に何の利益もないだろうが!」

 クオラジュは天空白露を海に落とすことを提案し、その海域をロイソデ国の横にしていた。
 透金英の親樹共々天空白露も海の中に沈めるつもりだったが、イリダナルには天空白露が海に浮かぶただの島になった場合、地上の国が攻めてこないようにしたいから、イリダナルの国マドナス国が防波堤となって欲しいと言ったらしい。その見返りとして天空白露が保有する神聖力を使った技術を提供すると契約した。
 クオラジュとしては、消えたツビィロランの遺体と、地上に出回り出した黒い透金英の花が引っかかり、地上の情報ならば地上に任せた方がいいと判断しイリダナルに白羽の矢を立てたらしい。
 ついでに滅ぼす予定のロイソデ国も、イリダナルに押し付けるつもりがあったようだ。
 
「技術提供は受けれたのでしょう?」

「もっと寄越せ!迷惑料を貰わねば気が済まん。」

「そこはもう聖王陛下に提案してはいかがでしょう?」

 私はもう代理業務はしておりませんとクオラジュはそっぽを向く。

「あののんびり屋に言ってもいつ動くか分からんだろうが!」

 のんびり屋って…………。確かにあの穏やかそうな金緑石の瞳を思い浮かべて、せかせかと急いでいるイメージがわかない。
 イリダナルから見ると聖王陛下はのんびりしているのか……。

 そんなこんなでイリダナルがキレて喧嘩?になったらしい。激しすぎるな。

 結局この後溜まった書類を片付けなければならないクオラジュに暇がなかった。
 ツビィロランの身体についてと、元の世界について話をしたかったのに、どうやら出来そうにない。

「夜にまたお伺いします。」

 クオラジュからそう言われて、仕方ないなと肩をすくめる。

「うん。そっちが急ぎだし、無理しなくていい。」

 クオラジュはイリダナルに引っ張られて行ってしまった。リョギエンは残ろうとしたのにイリダナルに腕を掴まれ一緒に引き摺られて行った。
 今から聖王陛下の所に向かって交渉しに行くんだそうだ。パワフルだな。


「うーん、暇になったからお茶でも飲むか。」

 俺が提案するとイツズはパッと顔を輝かせる。
 サティーカジィがそれを見て何とも言えない顔をした。

「ちょっとイツズ借りていいか?」

「ええ、ではツビィロランの部屋で待っていて下さい。私も聖王陛下の所へ行ってみますので。帰りに迎えに行きます。」

 サティーカジィもそう言って離れて行った。
 イツズと二人でその場に残される。離れた位置で待機していた護衛二人が近寄って来たので、俺の部屋へ戻ることにした。






 久しぶりにツビィロランと二人きりになった。
 ちょっと前まで当たり前だったのに、今はなかなか二人になれない。
 僕の様子が不安定でおかしかったから、きっと気を利かせてサティーカジィ様に断ってくれたんだろうと思う。
 今はツビィの部屋でお茶を飲んで、ゆっくりとお喋りしていた。

 僕はきっと凄く我儘を言ってるんだろうと思う。
 サティーカジィ様みたいな許嫁がいるのに、ツビィにも側にいて欲しいって駄々を捏ねている。
 クオラジュ様が夜にツビィの所に来るって言っているのを聞いて、嫌だなと思ってしまった。
 誰と会おうが、誰と仲良くなろうがツビィロランの自由なのに、誰とも仲良くなって欲しくないと思ってしまう。こんなに独占欲が強かったんだと自分で自分が嫌になる。

「クオラジュ様と会って大丈夫なの?」
 
 心配で尋ねる。

「んあ?ああ、平気だろ。」

 ツビィは何でかクオラジュ様のことを嫌わない。命を狙われたんだよね?しかも天空白露を壊そうとした人だよ?物騒な人なのに、何でか信頼しているように感じる。

「クオラジュ様って、どういう人なの?信じて大丈夫?」

 ツビィはうーんと考えるように上を向いた。

「本人曰く、弱いらしい。」

「え?クオラジュ様が?」

 そう、とツビィロランは頷いた。
 今度はイツズが考える。イツズが考えだしたのを察したのか、ツビィロランはお茶のおかわりを淹れだした。上等な茶葉の正しい淹れ方なんて知らないので、ツビィロランのお茶は適当だが、イツズもよく知らないので構わない。
 一見すると青の翼主は物腰柔らかく理知的で、何事も卒なく熟す、およそ弱点がなさそうな人だ。
 そんな人がツビィロランに興味を持っている。多分好意的な興味だ。
 クオラジュの側にはいつも元赤の翼主トステニロスがいるのだが、トステニロスには一定の距離感があるのに対して、ツビィロランにはクオラジュの方から近付いている気がする。
 勘違いではないと思う。
 クオラジュが自分のことを弱いというのなら、もしかしたらそうなのかもしれないと思った。
 ツビィロランは強い。
 その意志の強さは、弱い人間には光りに感じる。
 ツビィロランの光の側に居れば、大丈夫なんだと思えてしまう強さ。
 クオラジュもツビィの強い光に寄ってきたんだ。
 あんなに強そうなのに、どこか弱い部分があって、ツビィで埋めようとしている。
 
「よく話してみたらそんなに悪いやつじゃないし、心配しなくても大丈夫だ。」

 トポポとカップに紅茶を注ぎながら、ツビィロランはそう言っている。

「うん……。」

 そうじゃないんだよ。
 勿論、ツビィの身の安全もだけど、僕の心配はもっと別のところなんだ。
 僕の心配はね、ツビィがいなくなることだよ。
 元の場所に帰るにしても、クオラジュ様と去るにしても、ツビィの居場所は僕の隣じゃないってこと。
 家族はいずれ離れ離れになるんだと、家族がいる人は当たり前のように言うけれど、僕達にその時が来た時、僕は笑って見送れるんだろうか……。

 その時が来るのが不安だよ。
 












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