悪役令息が戦闘狂オメガに転向したら王太子殿下に執着されました

黄金 

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7 久しぶりの学院で

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 合同練習から一週間、僕は学院を強制休みにさせられた。ビィゼト兄上の命令は絶対なので、僕は大人しく休みを謳歌した。なんてことはない、ゴロゴロと寝ていただけだ。
 それでも勉強はちゃんとやったよ?ニンレネイ兄上は僕を立派なオメガ?にすることを目標にしているのか、いつにも増して学習道具を揃えるのに余念がない。手作りテキストに、お手製テスト。ニンレネイ兄上には感謝しかない。
 お礼を言ったら、何故かニンレネイ兄上は渋い顔になったけど。

「いや、よく分からないが、ちゃんと教育をしておくようにと言われたんだ……。」

「?ビィゼト兄上に?」

 今更?と思った。なにせ前世の記憶を思い出す前の僕は一切勉強をしていなかった。学院だって行きたくなくて半分しか行ってなかったのに、僕に甘いビィゼト兄上は何も言わなかったのだ。

「いや、そうじゃなく…。」

 誰に言われたのか分からないけど、アルファであるニンレネイ兄上の顔色が悪いところを見ると、ニンレネイ兄上より強い人が命令でもしたのかな?ニンレネイ兄上も弱くはないけど、武闘派というわけではない。ノビゼル公爵家はどっちかというと文官を輩出する家柄だしね。
 弟のお守りくらいちゃんとしろよとか言われたのかもしれない。

「心配かけてごめんね。次の定期テストは絶対順位上げて見せるからね!」

 僕の意気込みにニンレネイ兄上は嬉しそうに頷いてくれた。






 久しぶりに学院に出てきたら、なんと今日は剣術の授業があった。前回の合同練習で自分の目指す方向性に、騎士や剣術を考え出した一年生が一緒に集まっていた。
 家が騎士家の子息や、少なからず女子もいる。アルファ性の女子は体力があるので、剣術を入れることが多いらしい。ベータでも家が騎士の家なら一応選んだりもするので、割と沢山集まっていた。
 これなら対戦相手がいっぱいいそうだと、僕はホクホクとしながら列に並ぶ。この前の合同練習でオメガはやっぱり弱いのだと再認識したし、アルファやベータがいっぱいいて対戦相手に困らなそうで嬉しい。
 オメガで剣術を選ぶ人間は少ない。なので細身の僕は目立っていた。チラチラと見てくる視線は多い。まぁでも前から悪名で注目は集めていたわけだし、今更気にもならない。
 剣術の授業は一年生と二年生合同で行われる。僕は一年生の時は剣術ではなく体術を取っていた。と言ってもほぼサボってたけど。前世の記憶を取り戻す前は面倒臭くて、記憶が戻ってからは必要ないから出なかった。前世の記憶頼りに自分で鍛えた方が効率が良かったからだ。
 単位はビィゼト兄上がどうにかしてくれると言ったのでお任せした。貴族って怖いねぇ。

「オリュガ・ノビゼル!一年時の体術はサボってたようだが、剣術はそうはいかんぞ!」

 熱血そうな教師が話しかけてきた。
 
「はい!剣術は楽しみです!」

 だって対戦相手欲しいからね!

「そうかっ!この前の試合は素晴らしかった。真面目に授業には出るんだぞ。」
 
 ちょっとキラキラっとした男性教師は言うだけ言って去って行った。あの教師もアルファっぽいなと見送っていると、なんとネイニィがいた。ネイニィはニコニコとそのアルファ男性教師に話し掛けている。
 え?まさかあの教師も攻略者ですかぁ?
 どこまであのネイニィ主人公は手を出す気だろう。性欲強いのかな?

 気を取り直して列に並んでいると、ふと視線を感じた。
 少し離れたところに美男子がいる。
 同じ制服だが真っ直ぐに切り揃えられた黒髪は長く胸の辺りまであり、切れ長の瞳と薄い唇が整った顔をより端正に見せていた。
 ああいう感じは貴族だよねぇと見返す。相手がガン見してるのだから、僕が見たっていいはずだ。
 オデコも頬も真っ白でツルツルだなぁとか思っていると、美男子は僕の前まで近寄ってきた。

「…………初めまして、私はイゼアル・ロイデナテルと申します。」

 オリュガはうーんと記憶を探る。最近貴族図鑑も見るようにしている。覚えておかないと今後どこのアルファとお近づきになるか分からないからだ。
 変な所には嫁ぎたくない。ビィゼト兄上は嫁がなくてもいいと言うけど、オメガは年と共に抑制剤が効かなくなってくる傾向があると聞いている。発情期の苦しみを取り除くには、アルファと番になり、発情期を一緒に過ごしてくれるのが一番と書いてあった。なのでそのうち相手を見つけるつもりだ。
 でも僕は記憶が戻ってからアルファの匂いに鈍感になった気がする。匂いは分かるんだけど、それを良いとか悪いとか思わなくなってしまったのだ。
 目の前にいるイゼアル・ロイデナテルからアルファ特有の花のような匂いがするのだが、やっぱり良いとも悪いとも思わなかった。
 ロイデナテルと言えば侯爵家だったはずだ。アルファの息子がいて、嫡男の名前がイゼアルなので、この目の前の美男子が御本人様だろう。

「初めまして。僕はオリュガ・ノビゼルです。何か用かな?」

 相手がやや緊張気味に話すので、僕は明るく問いかけてみた。僕がオメガだからお近づきになろうと近付いてくるアルファは多いのだが、イゼアル・ロイデナテルはどうも違う感じだ。
 どう話を切り出そうかと悩んでいる。

「……この前の、試合を見たのですが…。」

 迷うように口元に長い指を当て、腰にもう片方の腕を回して首を傾げるようにして話し出す。その仕草に既視感を覚えた。
 なんだろう?見たことがある………。
 貴族は幼い頃から徹底的にマナーを躾けられる。話す時は微笑みを湛えて表情を読ませない。癖などもってのほか。どんな時でも状況を読まなければならないので、相手から視線や注意を外すことは許されない。
 なのにイゼアルは視線を彷徨わせ、癖なのであろう口元に手をやっている。

「うーーーーん?」

 ある。どこかで見てる。でもどこで?イゼアル・ロイデナテルは確か一つ年下だ。パーティーとかで会ったことはあるかもしれないが、話した記憶はない。
 ロイデナテル侯爵家は厳格なザ・貴族!といった感じの家柄だ。古くからあるし、いくら公爵家とはいえ僕みたいな放蕩息子とは関わろうとしないはず。

 でも見たことがある。
 どこで?
 チカっと記憶に何かが引っ掛かる。



 隊長ーーー………!

 いつも側にいた。最も信頼していた部下がいた。
 どんな作戦を立てようとついてきた部下だった。最後の最後まで一緒にいたのは………。



「アル………?」

 名前がポンと思い浮かび口に出る。
 イゼアル・ロイデナテルがハッと目を見開いた。

「……!、隊長?」

「おーーー、まじで?本物?え、なんで、なんでぇ?アルもここきてたんだ?」

 僕の返事にイゼアルは切長の目を見開き輝かせた。

「やっぱり………。この前の試合を見て戦い方が隊長そっくりで、もしかしてと思ったんです。」

 イゼアルは嬉しそうに話し出す。

「あ、ちょっと待って待って。ここじゃアレだよ。」

 ちょっと注目を浴びてしまっている。
 悪名高いオリュガ・ノビゼルと、超厳格なロイデナテル侯爵家の嫡男イゼアルの会話だ。何を話してるのだろうと視線が集まっている。

「あ、そうですね。」

 イゼアルもそれに気付き表情を取り繕った。要は貴族の顔を作ったのだ。

「どっかで話したいね。学院じゃ人目がねぇ。」

 僕が迷っていると、イゼアルは自分が公爵家を訪問すると申し出た。オメガからアルファの家に行くのはマナーが悪いと言われる。アルファからの訪問が普通なので、その方が変な目で見られないだろうということだ。

「一度訪問の申し入れをしますので、ノビゼル公爵に許可をお願いして下さい。」

「ウチの兄上の許可っているんだっけ?」

「…………オリュガ様へのあらゆる申込みは全て公爵閣下の手で揉み消されてますよ?」

「あ、そうなんだ。分かった。」

 そうかなと思ってたけど、婚約申込み以外も全部断ってるのか…。僕は結婚できる日がくるのだろうか。

 こうやって僕は前世の部下との邂逅を果たしたのだった。








 ビィゼト・ノビゼルは執務机に座り、一枚の手紙を何度も読みながら、ぐぬぬと呻き声を上げた。その目の前では弟のニンレネイが困った顔で立っている。
 手紙の主はイゼアル・ロイデナテル侯爵子息。アルファ性の男子で性格は歳に似合わず冷静沈着。大人も舌を巻く頭脳を持っていると言われており、まだ学院に入学したてにも関わらず、既に侯爵の右腕として活躍していると言われている男だ。
 そんな男が何故オリュガに!?
 ビィゼトにとっては可愛い弟だが、世間の評価は冷たいことをちゃんとビィゼトは認識している。こんな引く手数多のアルファが近付いてくる理由が分からない。正直断りにくい。しかもオリュガから、ロイデナテル侯爵子息から訪問の申し込みがくるからちゃんと了承してねとお願いされてしまった。
 
「何故急に…!」

 ビィゼトの兄弟に対する過保護っぷりは昔から変わらない。ニンレネイに対してはアルファなのでそこまで酷くはないが、オメガのオリュガとノアトゥナへの可愛がりっぷりは半端ない。何を強請ってもいくらかかろうとも金額に糸目を付けず与えてしまう。おかげて二人とも我儘し放題な性格になってしまった。

「剣術の授業で意気投合したとか…。この前の合同練習の時にロイデナテル侯爵子息がオリュガの戦いっぷりに感動したらしいですよ。」

「ロイデナテル侯爵子息は武闘派ではなかったはずだがな。」

「実業家の顔の方が広いですからね。ですが学院での様子を見ている限り武芸にも秀でていますよ。」

 それを聞いてビィゼトはさらにぐぬぬ…と眉間に皺を寄せた。

「良い縁談先だと思いますが…。」

 ニンレネイも手紙を読んだが、時候の挨拶から始まり、我が公爵家を持ち上げつつ、要件をサラッと告げる文章に、二つ年下とは思えない有能さを感じる。

「単なる訪問だ。縁談の申し込みではない!」

 ニンレネイはそうですねぇと返事をしながら、当日はどうしますかと尋ねた。もう訪問することは決定している。イゼアル・ロイデナテルからの手紙は二通あった。兄上への許可を求める手紙とオリュガへ対する手紙だ。オリュガは早速返事を返し、次の休日に日付を決定していた。向こうの都合は全く確認していないのが気になるが、二人は学院でも話している姿を最近見かけるので、既に決めていたのかもしれない。
 そこまではビィゼト兄上には言えないが…。言えば怒り狂いそうだ。

「私も出迎えよう。」

 メラメラと燃える闘志に、ニンレネイは心配になり自分も一緒に出迎えることにした。







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