悪役令息が戦闘狂オメガに転向したら王太子殿下に執着されました

黄金 

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61 新しい攻略対象者

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 定期テストも終わり、オリュガは晴れ晴れと会場となる土地を丘から見下ろした。なだらかな丘陵にはススキのような薄茶色い穂が一面に広がっている。
 
「うわぁ、綺麗~。」

 その景色にノアトゥナは感動していたが、オリュガは身を隠すにはちょうどいいなとしか考えていなかった。
 ノアトゥナとニンレネイが受け付けを済ませに行ったので、そのまま丘でナリシュ王太子殿下と待っていた。

「ここら辺燃やしても大丈夫かな?」

 火の海にして追い詰めたらどうだろうかとナリシュ王太子殿下の方を振り返って尋ねた。

「大掛かりな結界を張ってあるから大丈夫ではあるね。でも火計は危険だから学院の模擬戦ではやめておこうか。」

 やんわりと止められてオリュガはちぇーと唇を尖らせる。
 定期テストの結果はまずまずだった。順位も十番と上がったし、皆んなから褒められた。最近大人しいネイニィは相変わらず一番をとっていたけど、ネイニィの周りに残っている攻略対象者が教師陣に集中しているところを見ると、ちょっと怪しい気もしないでもない。

「宝石集めしたらダメ?」

 ナリシュ王太子殿下の前に立ち、見上げてお願いをする。殿下はウグっと変な声を出した。最近の殿下は表情豊かだ。最初の頃なんて張り付けたような微笑みだけだったから、こっちの殿下の方が楽しい。

「いいかい?前にも説明したけど、三年生の就職問題がかかっているんだ。」

「邪魔したらダメってでしょう?分かってるもん。」

 それにメネヴィオ王太子殿下もどう出てくるのか分からない。
 ネイニィはおそらく前世のネイニィ教主だ。じゃあ精神支配型もいるのではと思っている。

「隊長、準備が整いました。」

 イゼアルが荷物のチェックを終えて戻って来た。三日間行われる模擬戦は中央にある会場を中心に行われる。中央広場には本部や教師陣、後は備蓄が置かれており、生徒たちは五名一つの班で自由に動いていい。
 本部がある広場は中立地帯で夜だけ戻っていいことになっている。そこで夜を明かすかどうかはそれぞれの班の方針で決めていいことになっていた。
 僕達はナリシュ王太子殿下がいるので野営はやめてくれと ファーブリマ騎士団長から頼まれて、夜は会場のテントで寝なければならない。
 野営はやってみたかったけど、ナリシュ王太子殿下の立場は大事だもんね。一緒にいられるし、僕も納得した。
  ファーブリマ騎士団長は本日も僕に「必ずお守りします!」と謎の忠誠を見せている。僕筆頭婚約者候補でも何でもないのに堂々と人前で宣言する団長は嘘がつけない人なんだろうなと思う。
 他の学生達が何事かと驚いていた。

「あ、アルー、火計はダメなんだって。」

「それは、そうですね。怪我人が出ますし、最悪死人も出かねません。学院の催しでやるべき計画ではありません。」

 アルは昔から真面目だなぁ~。でも前世みたいに死ぬ奴が悪いとか言えないしねぇ。学生だし。戦場じゃないしね。

「ニンレネイとノアトゥナは?」

「二人は宝石を貰いに行っています。」

 ナリシュ王太子殿下から尋ねられてアルは素直に答えていく。そんなアルに殿下は含み笑いをしていた。
 ナリシュ王太子殿下はアルにちょっと嫉妬していたのだと教えてくれた。僕とアルがいつもコソコソと話すから、絶対引き剥がすと思っていたらしい。今は情報を共有したので余裕ができて、アルがいても不機嫌にならない。
 アルの前でやたらイチャつくのも笑顔が怖かったのも実は嫉妬していたかららしい。これはミリュミカがこっそり教えてくれた。

「ネイニィは何かしてくるかな?」

「その攻略とやらを進めるつもりならばするだろうね。」

 ナリシュ王太子殿下にはシュミレーションゲームというものがイマイチ飲み込めなかったようだけど、同じ登場人物で未来が決まったストーリーがいくつも用意された話があるのだということは分かったと言っていた。
 そして絶対にネイニィには攻略されたくないと言い切っている。

「殿下は気を付けて下さい。殿下に話したのもネイニィが殿下の攻略を進めたがっているように思えたからですので。」

 アルは普通にナリシュ王太子殿下のことも心配している。アルって真面目でいい子なんだよね~。

「勿論だよ。私としては卒業後に発生する戦争も回避したいのだけどね。」

 殿下は戦争反対派だ。これは国王陛下やビィゼト兄上も同じだという。僕はちょっと、ほんのちょっとっ!この世界の戦争も体験したいなぁとか思わないでもないけど、戦争は国民の生活にも響くもんね。死人も出るしね。やっぱダメだよね。
 そうしみじみと思っていたら、二人からちょっと冷たい目で見られていた。


 僕達は話し合った結果、精神支配型もこの世界に来ているだろうという結論になった。しれっとミリュミカも前世話聞いていた。どこで聞いていたんだろう?あの流れから僕と殿下の、ゴニョゴニョを聞、聞いていたのかな?ちょっと尋ねたらニコッと笑顔で返してきた。
 殿下に恥ずかしいんだけどと文句を言ったら、どちらにせよ君はオメガで発情期の後始末を任せられるのはミリュミカしかいないから諦めようねと言われてしまった。
 僕はアウアウアウとしか言えなかった……。

「後は精神支配型を特定するとして、他にもこっちに来てるのいるのかな?」

 僕の疑問にアルは首を振った。

「来ていないと思います。あの時戦争人形しか座標に乗れなかったと言っていましたし、何より隊長が全員殺した後でしたし。」

 あれ?そうだったっけ?とりあえず動いてたのは全部撃ち抜きはしたけど。あそこにいたのは戦争の前線に立ったこともないような奴ばっかりだったしねぇ。

「君の戦い慣れている謎は解消されたけど、あまり戦場には立って欲しくないね。」

 ナリシュ王太子殿下が僕の落ちた横髪を耳に掛けながらそう言った。

「僕は戦うことしか知らない。」

「今の君はそうではないからね?」

 今の僕はオリュガ・ノビゼル。オメガで公爵家の子供だ。本当なら何不自由なく暮らす貴族のオメガ。
 普通に考えれば戦えるわけないもんね。
 
「でも僕は殿下が行くなら僕も行くからね!」

 場合によってはカフィノルア王家が一人も残っていないっていうエンディングもあったのだ。
 ナリシュ王太子殿下の話ではその場合になったら自分は雲隠れしていると思うって言ってたけどね。
 アルは僕に会うまで本気でゲームの世界に来たかもと震えていたらしい。それくらいこの世界はゲームと酷似していた。精神支配型は人の心を操るので、もしかしたら身体は眠らされて心だけ夢を見ていたらどうしようかと思ったらしい。例え夢でも現実でも、隊長がいてくれるなら安心ですと言われてしまった。本当に僕に懐いてるよね、アルは。

「ところでさ?誰が精神支配型だと思う?」

 僕はメネヴィオ王太子殿下じゃないかと思ってるんだよね。そう言ったんだけど、アルは考え込んだ。

「メネヴィオ王太子殿下だとすると一つ疑問があります。」

「ネイニィだね?」

 ナリシュ王太子殿下もアルと同じ意見らしい。

「でも雰囲気が一番似てるよ?」

「確かに似ていますが、精神支配型はネイニィ教主の為に多重次元を繋げたんだと思うのに、そのネイニィに対してあまり心を砕いている様子がないんです。」

「現在ネイニィはメネヴィオ王太子殿下のチームに入ってはいるけど、あまり仲が良いとは言えないね。ゲームの冒頭ではネイニィに対して愛を告げていたんだよね?それにしては対応が冷たい。」

 メネヴィオ王太子殿下は王宮に寝泊まりしている。その為ナリシュ王太子殿下が滞在中の手配を請け負っているらしいけど、メネヴィオ王太子殿下はネイニィよりもリマレシア王妃と一緒にいることが多く、ネイニィは学院でたまに会う程度になっている。

「そー言えばネイニィは何してるの?」

 また悪巧みを考えているんだろうかと二人に尋ねた。

「最近は魔法理論の教師にくっついてます。」

「フィナゼ・ロビトーだよ。ロビトー子爵家の当主だけど領地ではなくほぼ王都に住んで領地経営の傍ら学院で魔法学を教えている。知ってるかな?」

 あー、知ってる。アルファで優しい先生だったはず。主人公ネイニィの聖魔法を一緒に特訓してくれる先生だったはず。
 ネイニィがフィナゼ教師を選択すると、出て来る悪役はノアトゥナになる。でも僕はこの教師を攻略していないんだよね。
 だって半分くらいはナリシュ王太子殿下を攻略していたのだ。何度も繰り返して溺愛までもっていって堪能していた。本人には恥ずかしくて言えないけど。
 ノアトゥナが悪役令息になる場合、攻略対象者はどこか気が弱かったり優しかったりする人物が多い。イゼアルは気弱でフィナゼ教師は優しい人だ。
 ゲームのノアトゥナはネイニィに嫉妬していた。理由は聖魔法だ。魔力量が少ないノアトゥナは、どうしても同じ聖魔法をもつネイニィの影に隠れがちだった。しかも同じオメガ男性というのも嫌だったみたい。
 聖魔法を教える先生は一人しかいない。それは聖魔法を使える者が少ないからだ。ネイニィとノアトゥナは歳が一つ違いではあるけど、同じフィナゼ教師から聖魔法について教わっていた。
 フィナゼ教師は水色の髪に濃紺の瞳の性格が優しい穏やかな先生だった。ロビトー子爵領は農業が基本の普通の領地だ。得意な魔法は索敵と風魔法だけど、聖魔法を教えれる人間がいない為、アルファで聖魔法は使えないけどフィナゼ教師が担当している。
 聖魔法はオメガにしか現れない。そして使える人間も少なかった。学院でも三学年合わせても数えるほどしかいない為、フィナゼ教師が全員教鞭をとっていた。
 だからノアトゥナとネイニィはこの授業で毎回会っているはずだった。

「そのフィナゼ教師にくっついてどーするつもりかな?今更攻略者変更?」

 自分で言ってなんとなく納得出来なかった。
 攻略してない人物だけど、確かこんなシナリオだったはず。
 フィナゼ教師は特に可もなく不可もない穏やかな教師だ。主人公ネイニィが知り合うきっかけになったのも聖魔法の授業で担当教師だったからというだけの理由になる。
 懸命に努力するネイニィに、フィナゼ教師は徐々に心を動かされていく。主に一年生時魔法を学ぶ時期に仲良くなる教師だ。二年生でもあまり立ち位置は変わらない。メイン攻略対象者のサブのザブって感じの面白みのない攻略対象者ともいう。
 
「アルはフィナゼ教師の攻略情報見た?」

 確かアルは過去歴を見ていた気がするので確認する。

「はい。ですが面白みのない攻略対象者なので親密度八十越えのエンディングしかありませんでした。溺愛エンディングは知りません。」

「因みに八十超えのエンディングはどんなの?」

 アルはスラスラと説明する。
 恋人同士となった二人は、ネイニィの二年生時が終わってすぐに始まる戦争も割と他人事のように穏やかに過ごす。
 ロビトー子爵領はオリュガが伯爵位を継ぐはずのガルクラープ山岳地帯とは真反対の位置にある。戦場になることもないし、精々が備蓄の徴収を受けるくらいの平和な土地だ。
 本当にごく普通の攻略で終わってしまう為、必要だったのかなと思うくらい平和な攻略者だ。
 途中で悪役令息ノアトゥナが邪魔しに入りイベントが発生したりするが、それもまた二人にとって必要な途中過程となる。
 だがそれは親密度九十四までの話になる。九十五以上から溺愛エンディングと言われるこのゲームで、ガラリと内容が変わるのがフィナゼ教師の攻略だ。
 アルが見た人の攻略履歴には載っていなかったけど、その人がフレンドと話していた過去歴にフィナゼ教師の溺愛エンディングについて話している履歴があったらしい。
 
 フィナゼ教師はやばい。
 愛されすぎるとこうなるのか?
 
 そんな感想が多く入っていた。
 フィナゼ・ロビトー子爵はリマレシア・カフィノルア王妃の遠縁にあたる。
 リマレシア王妃はアニナガルテ王国の中でも力のあるロズノセムテ侯爵家の長女として生まれている。
 ロズノセムテ侯爵家は積極的に他国間でも自国の貴族間でも婚姻を結び力をつけてきた貴族家だった。第二婦人第三婦人とオメガを娶り子供達を他家へ嫁がせるやり方を毛嫌いする貴族もいるが、ロズノセムテ侯爵の子供を使った人脈は脅威でもある為、表立って意を唱えるものはいない。カフィノルア王家ですら侯爵家の正妻の子を正妃に迎えて国の中で力をつけていくロズノセムテ侯爵家を抑えようとしたくらいだ。
 そんなロズノセムテ侯爵家とロビトー子爵家は遠縁にあたる。
 ロビトー子爵家に生まれたフィナゼ教師は幼い頃はロズノセムテ侯爵家に奉公に出て侍従として働いた経験がある。
 親密度九十五パーセントを超えると、フィナゼ教師が八歳の時侯爵家に入った頃の経験を話すらしいのだが、あまりいい話ではないらしい。

「何があったかは話してなかったの?」

「ありませんでしたね。」

 オリュガとイゼアルはくるりとナリシュ王太子殿下を見た。黙って聞いている様子にこれは何かを知っているなと期待して。
 殿下はニコリと笑う。

「じゃあ手短に話そうか。」

 どうやらナリシュ王太子殿下は今回の模擬戦で何か考えがあるらしく、オリュガとイゼアルに説明を始めた。









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