悪役令息が戦闘狂オメガに転向したら王太子殿下に執着されました

黄金 

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番外編

117 ビィゼトの珠玉⑨

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「…あぁ……、あ、やぁ……、んぐぅ、ん……!」

 台の上でビィゼトの股の間に座らされたレクピドが、震えながら喘いでいた。
 グチュグチュと指で抉られ、二本に増やされると漏れる悲鳴を抑える為に、自分の手の甲で口を押さえてしまう。
 レクピドの後孔にはビィゼト様の指が入り、音を立てて動かされている。指が一本増えただけでも苦しい…。
 お腹の中から圧迫される感覚に、レクピドは必死で慣れようとしていた。
 ジワジワと涙が溢れ、開いた足を閉じたい衝動に駆られる。
 でもダメだ。
 ビィゼト様とこんなこと出来る日が来るなんて思ってもいなかった。
 はぁはぁと荒く吐く息をなんとかして止めたい。苦しいけど、苦しいのだと思われたくない。こんなに息が上がっていては、優しいビィゼト様がやっぱり止めておこうと言われてしまう。
 オメガなら感じなければならないのに、自分は苦しいばっかりだ。いつもだったら前を触られただけで濡れる後孔が、今日は慣れない刺激であまり濡れない。
 
「…………レクピド。」

 呼ばれてレクピドは少しだけ後ろを振り返った。
 
「苦しいのだろう?」

 振り返るとちょうどビィゼト様の首元に鼻がついて、フワリと爽やかな香りが鼻から身体の中へと流れてくる。
 それに少しだけ力が抜けた。

「………ん、ちが……。」

 違いますとはっきり言いたいのに、力が入らず辿々しく否定する。
 ビィゼト様の手が顎を掴み上向かせると、チュッと軽く口付けをされた。

「無理はしなくていいんだ。」

 レクピドは身体が小さい。同じオメガ性でも、貴族として十分な栄養ある食事を摂って成長したオリュガやノアトゥナよりも、平民でも孤児として周囲から恵んでもらいながら生きてきたレクピドは身体の発育が不十分だった。
 二十代半ばだというのに背も低く身体も薄い。
 もう少し体調を整えなければと思い、無理をさせたくなくて求めたことはない。こんな腹と背中がすぐそこにあるような場所に、ビィゼトのものが入るとは思えなかった。
 唯一出来るかもと思うのが発情期中だろうかと思っているが、発情期中のオメガは記憶が飛びやすい。どうせなら初めては覚えていて欲しいというのは自分の我儘だろうか。
 そろそろ発情期だろうとは思っているが、まだ今ではない。現にレクピドの後孔から愛液の量が少ない。出ていないわけではないが、前だけを可愛がっていた時のようにダラダラと出ていない。ビィゼトの指が入り苦しいのだろう。
 ビィゼトの陰茎は今にも張り詰めたように痛いが、レクピドを泣かせてまで挿れたいわけではない。
 だがレクピドはプルプルと首を振った。

「……いや、いやです。ちゃんと、したい……。」

 泣きながらビィゼトの目を見ている。拒否しないでと訴えていた。
 本当はもう少し時間をかけて慣らしていく予定だった。発情期がきたらすぐ番にするのではなく、発情期も使って慣らす予定でいた。
 この薄い身体に直ぐに入るとは思っていない。
 
「今日挿れるのは止めておこう。レクピドが怪我をしてしまう。一本ずつ時間をかけて慣らせばいい。」

 レクピド用の香油を、挿入したままの指にダラダラと垂らす。今日のレクピドの身体はびっくりしている。
 初めての感覚に怯えていた。だから濡れない。

「………いい、いいから、俺は………。」

「いい子だから……。」

「どうしたら、してくれる?どうしたらいいの?怪我してもいいよ………?ダメなの…?ちゃんと出来ないから嫌になる?」

 グスグスと泣きながらレクピドはビィゼトの首に鼻を埋めてきた。匂いを嗅いでいる?それにいつもよりやけに甘えてくる。

「レクピド?」

 レクピドの名を呼んでも返事がない。意識はある。必死に身体を捩らせビィゼトに縋りつこうと動いているのだから。

「ビィゼトさま、ビィゼトさま………。」

 ビィゼトは嫌がるレクピドを前向かせて抱き込み、レクピドの首筋の匂いを嗅いだ。
 極々至近距離になると濃厚な甘い花の香りがする。凝縮してたった一滴に絞り込まれたような濃い匂いに、ビィゼトはクラリと意識が持っていかれそうになった。

「成程、発情期を誘発していたか……。」

 だが匂いは近距離でないと分かりにくいし、愛液も少ない。目はどこかぼんやりとして、舌を出してビィゼトの匂いを求めていた。
 今までの発情期は半年に一度程度、薬を飲めば治るような軽いものだったと聞いている。薬はノビゼル公爵家製造の物ではなく、平民によく出回っている無許可の薬師が作ったものだった。効き目は緩いはずだ。それでも効いていたらしい。効いていたというより元々発情期が軽すぎたのだ。
 それを考えると、朝から抑制剤を服用しているにかかわらず、今回は意識が飛んでいる。前回よりも改善しているのだ。
 
 初めては覚えていて欲しい。
 ならば、意識が混濁している間に慣らすしかない。
 ビィゼトは一度自分の身体に浄化魔法をかけて香油を消し去り、レクピドを抱き上げて棚に向かった。
 大きめの瓶を一つ取り出し、猫足のバスタブに近寄って中身を全部お湯の中へ落としてしまう。
 瓶の中には乳白色のトロリとした液体が入っており、お湯の中に落ちた液体は広がり乳白色に変えてしまった。
 その中へレクピドを抱えたまま二人でいつもの様に入る。ビィゼトの足の間へレクピドを座らせた。

「…んん、ん、ビィゼトさま。」
 
「うん、心配しなくてもいい。私に全て任せればいいんだ。」

 優しく耳に囁くと、レクピドは嬉しそうに頷いた。




 レクピドが目覚めたのはそれから三日経ってからだった。
 場所は寝室で、ベットの上。
 ゾクゾクと快感に震えて起きるという初めての経験に、レクピドは目を白黒させた。

「……あ、ああん、んん、あ、あ、ん?ぁ、はぁ、ぁ?んん?…………ん、??………えぇ?」

 疲れているのにまだまだ何かを追い求めていたいという不思議な感覚に、レクピドはまず困惑した。
 そして自分の隣に寝ているビィゼト様と、身体に回るビィゼト様の手が、自分の粗末な陰茎を扱いていることに気付いて更に困惑した。
 ビィゼト様の手の中で力無く主張する自分のものに、かあぁぁと顔に熱が溜まる。

「起きたか?」

 いつも厳しくキリッとした声が、甘く蕩ける様に問い掛けてくる。

「……ふわぁ!」

 驚くとレクピドを胸に抱え込んだまま、ふふ、と笑われてしまった。

「………ぁ、まっ、まって………、」

 どういう状況だろう?まだ頭の中がぼんやりとして寝ぼけている。
 マッサージ、そうだ、ビィゼト様にマッサージしてあげたいとお願いして、マッサージをした。台から落ちそうになり慌てて助けられて………。
 ビィゼト様のは大きいとびっくりして、怖いかと聞かれて、怖くないなと思ったのだ。そんなことより、その大きなビィゼト様のものを欲しいとか思ってしまい、自分から誘うように言ってしまった自覚がある。
 そこまで考えて両手で顔を覆った。
 恥ずかしいぃ~~~~!
 
「レクピド、ちゃんと私を見るんだ。」

「ひゃうっ!」

 グリッと後孔の中を抉られて、レクピドは高く悲鳴を上げた。
 意識が途絶える前、同じ場所を触られている時は、あんなに圧迫感があったのに、今は軽く動くだけでも快感が走る。グチグチと音が聞こえるのが卑猥で、レクピドはジンワリと目に涙が浮かんだ。

「レクピド?」

 もう一度名前を呼ばれて、恐る恐る上を向く。

「…………はぁ、ぁ、そんなに、指を動かさないで…………んんんっ、ぁ、あぁ!」

 動いていた指が穴を広げるようにグニっと動く。入り込む空気の感覚に、レクピドはブルリと震えた。

「ほら、こんなに柔らかくなった。」

 笑うビィゼト様はグチュグチュと指を動かしながら説明してくれた。
 レクピドは発情期に入ってしまい意識が混濁してしまった。そこでレクピドの性欲を慰めようと思ったが、身体が小さいし今まで自分で慰める為にすら使ったことがなかった後ろの穴を、拡げることにした、らしい……。
 体格差を指摘され、普段から直ぐには無理だろうと思っていたと言われた。普段から…?
 いつもの香油ではなく、とろみ成分が強い油を使うことにした。油の匂いが強いので普段は使わないが、もしかしたらと思い用意し棚に置いておいたのだという。
 バスタブの中でレクピドの発情期に当てられたビィゼト様のアルファフェロモンをレクピドに当て返すことで、発情期の症状を促していった。最終的に愛液がちゃんと出るようになったので、あとはベットで過ごしていた。だからまだ挿れてないと説明された。
 そこまで聞いて、挿れてないんだ?とレクピドは思った。
 オメガの発情期に当てられたアルファは止まらないと授業で聞いたのだけど、ビィゼト様はどうだったんだろう?
 説明は手早く行われた為、そう長い時間ではない。その間に後孔の指は抜かれ、レクピドの上にビィゼト様は覆い被さっていた。
 どうせなら挿れて欲しかった。
 つ、番とか、贅沢は言わないから、初めてはビィゼト様が良かったなと思いながら、上にある綺麗な顔を見上げる。
 
「そんな顔をするな。挿れたくなくて挿れなかったわけじゃない。知ってて欲しくて待ってたんだ。」

「………知って……?」

 何日くらいこうしていたんだろう?レクピドはまだどのくらいここにいたのか聞いていない。ただ身体の倦怠感が1日程度ではないと言っている気がする。
 両足の膝裏に手を入れられて、グイッと持ち上げられるとお尻が上がった。
 その体勢にレクピドの期待が膨らむ。
 うわぁ、やっぱり大きい。レクピド自身のものも一緒に見えているので、その違いがよくわかる。
 ドキドキと心臓が鳴って、息が上がり苦しい。
 挿れるとも、いいかとも聞かれなかったけど、早く挿れて欲しかったので、レクピドは期待した目で上にいる人を見上げた。
 視線が絡まり嬉しくなって笑顔になってしまう。

 ヌププと身体の中に重たい質量が入り込む感覚がした。でも痛くない。

「あっ………、はぁ…………。」

 自分のお尻が広がっていると分かる。これでもかと広がって、大好きな人を自分の中に迎え入れる悦びに溢れる。
 何も考えられない。
 濡れる緋色の瞳がレクピドを見下ろし支配される感覚に、レクピドは口元を緩ませ歓喜した。

 ヌルッと軽く引き抜いて奥へとゆっくり挿れるを繰り返し、ビィゼトはどこまで入るかを確認していた。
 かなりの時間をかけて拡げたので傷つくことはないだろうが、それでもレクピドの身体は小さい。
 ヌプププ……と押し込むと、レクピドは「ひあぁぁーー……!」とか細い悲鳴を上げた。

 ああ、我慢の限界だ。

 そばかすの浮いた白い肌が上気して、潤んだ瞳で見あげられ、悲鳴をあげる口内に小さな赤い舌が見える。

「すまない………。」

 ズプンッーー、と奥に挿れてしまった。

「…ピッ……!」

 目を見開き小鳥のような鳴き声を上げて、レクピドはハクハクと口を動かしている。やはりこの薄い腹には大きかったか?
 興奮を抑える為に、フーーーと長く息を吐き沈める。
 オメガは難なくアルファの陰茎を受け止めることが出来る身体の作りをしているのだが、それでもレクピドの小柄な身体が心配だった為、時間をかけて体調を見てきた。
 結局最後は気持ちよさに奥まで挿れてしまったが……。
 レクピドの陰茎を見ると、元気に勃ち上がり震えていた。こういうところはオメガなのだなと思う。
 この三日間挿れることはしなかったが、お互い慰め合い射精しあって過ごした。
 それでも何度も勃ち上がるし、子種も作られる。
 流石にレクピドは出すものが無くなったのか、ヒクヒクと痙攣しているだけだった。
 
 震える手がビィゼトを探している。
 何かを言おうとしているようだが、まだ衝撃に息も絶え絶えに震えていた。
 
「………うん?」

 よく聞こうと顔を近付ける。
 ハラハラと泣きながらレクピドは押し出すように声を出した。

「………嬉しい……。」

「……っ!」

 ビィゼトは自分の陰茎が感情に流されて膨らむのを感じた。硬く張り詰め、早く中に出したいと暴れるのを必死で制御し止める。
 ゆるゆると腰を動かすと、中で感じるのか顔を快感に歪めてレクピドは喘いでいた。

「ぁ、ぁぁ、やぁぁ、ふぅん、んんんっ!」

 揺らして奥を突くと、ビクビクと腰が跳ねる。
 まだまだ肉付きが薄い腹に、ビィゼトは手のひらを乗せた。
 自分が入っているのが何となく分かる。
 グリッと擦ると、レクピドが手のひらを抑えて泣き続けていた。

「…………ここにある。」

 ビィゼトが確かめるように囁くと、レクピドはほんの少し泣き笑いをして頷いた。

「………ん、ある。」

 そう言ってビィゼトの手の甲の上からゆっくりと撫でる。嬉しい……、とまた呟くので、あまりの可愛さに口付けを落とした。
 中に出しても大丈夫だろうか。既にビィゼトの陰茎で腹の中はいっぱいいっぱいになっている。そう心配してはいるが、止められるわけでもない。
 
「すまない、レクピド。一度だけだ………。」
 
 腰を早めると、レクピドの身体はその動作を受け止めきれずに上にズレていくので、身体を抱き締めて拘束し、奥を穿って中に射精した。

「あ、あ、あ、あぁっ!あ、ああぁぁあーー!」

 レクピドもしっかりと抱き締め返し受け止める。
 お互い汗を流し荒く息を吐いていた。
 ビィゼトがぼんやりとするレクピドを覗き込むと、視線が合い嬉しそうに笑い返してくるので、ホッと息を吐く。
 レクピドの腹にまた手を添えて撫でると、少しぽっこりしたかもしれない。
 ズルリと抜くと、白い精液が溢れてきた。

「………お終い?」

 不安そうなレクピドにビィゼトは優しくオデコにキスを贈る。

「もう少し太ってくれ。心配になる。」

「………太ったらいい?」

 ビィゼトは、ああ、と頷く。

「何度出しても大丈夫なくらい、レクピドの身体が整ったら回数も増やそう。そして……。」

 そこまで言って何かまだ続けそうだったのに、一度口を閉ざしたビィゼトに、何だろうかとレクピドは首を傾げた。

「……………そして私と番になってくれ。生涯レクピドだけを妻として迎え入れたい。」

 レクピドはポカンと口を開けて、上から見下ろすビィゼトを見上げた。

「番……?」

「そうだ。」

「俺と?」

「嫌か?」

 嫌なはずない。でも、俺と?俺とで大丈夫なの?
 レクピドは嬉しいやら困惑やらで忙しなく瞳を揺らした。

「レクピドっ。」

「ぴゃ…!」

 強く名を呼ばれて慌てて視線を戻す。そんな小さな子供のようなレクピドに、ビィゼトは髪をかき上げながら強く告げた。

「返事を、レクピド。拒否は許さない。」

「……拒否。拒否なんて、するわけありません。」

 恥ずかしそうに応えるレクピドへ、ビィゼトは頭を撫でながらもう一度オデコにキスを贈った。











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