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宝石ゴーレム

第39話 ウネウネと鶏

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絶対に少し経って思い出したら恥ずかしくなるセリフを言った、きっとというか絶対に悶える気がする。
そんな事を考えながら作ったせいか、かなり多めに料理を作ってしまった。

正直作りすぎだとは思うけど大丈夫かな?

「とても美味しかったです、ありがとうございます♪」

そんな俺の心配は杞憂に終わる。
途中少し苦しそうにしていたが綺麗に食べ切ってくれた。

「でも、次から少し量を減らして欲しいです。」
「わかりました、次から気をつけます。」

やっぱり苦しかったみたいだ。
残すのが申し訳ないと思ってくれて、無理して食べてくれたんだろう。

「自分は少し試したい事があるので砦にもう一度行ってきます。」
「う、わかりました…」

顔が曇った?!

「えっと、やりたい事は決まってるので直ぐ帰ってきます、大丈夫ですよ。」
「その…気を使わせてしまってすいません。
一緒に寝たいなって思っちゃって。
騎士達がいつ襲撃してきてもおかしくない緊急事態にこんな事してる暇ないのはわかってるんです、本当にすいません。」
「い、いえいえ!謝らなくて大丈夫です。」

励ますためにも俺からも言うか…
流石に恥ずかしすぎて目を合わせて言えるとは思えないから、ネフティー様から目線を逸らす。

「それと…
その、自分で良ければまた次の機会に……」
「ふふ…」
「と、とにかくまた今度という事でお願いします!それでは!」

スケルトンの体から出て外にいるスケルトンはと憑依する。
言いたい事は言えたけど恥ずかしすぎて、逃げるように外に出てしまった。


「ふふ、やっぱり素敵です♪」


ーーーーーー

「俺、おかしくなったのかなぁ…」

ラブコメを主人公に対してヘタレだな、なんて考えながら読んでたが実際に起こるとヘタレになっちゃう。
もうラブコメ主人公をヘタレ呼ばわり出来ないな。

砦に配置していたアンデットに憑依しなおした俺はアンデットにする前の体を1箇所にまとめ実験を開始する。

アメジストを作った時と同じようにカリカリと魔法陣を刻んでいく。

「あー、ねみぃ…」

めっちゃ眠い時の授業並みに嫌な時間に感じる。
描こうとしても妨害入ったりそもそも使えなかったりで、魔法陣にはあまりいい思い出が無い。

「これで、良し…」

魔法陣を描き終えた。
これから行う魔法は簡単に言うとアメジストを作る時に使った魔法のアンデットバージョン、普通には発生しないアンデットを作る。

「【起動】」

魔法陣が紫色に光って、中心に置かれた体が震え始める。
アメジストの時とは違って、そこまで長い時間はかからなかった。

「いや~、これは予想外…。」

ウネウネ ウネウネ

ウネウネしてるめっちゃ気持ち悪いのできたんだが…

知識の中にあった過去に作られた魔物はアンデットでもかっこよかったはずなのに、俺の作った奴はちょっと気持ち悪い。

「前の世界にいた時に見たら確実に発狂しそうだ。
俺も慣れたのかなぁ…」

遠いところを見てしまう。

完成した魔物の見た目はアンデットが植物のように絡み合って、俺の指示を待っているのか、なんとなくこっちを見ているのがわかった。

「あの倉庫に攻撃してみろ。」

性能調査だ。
流石に倉庫の破壊ぐらいはしてもらわないtーー

ガシャアァァ

うわ強えー…

指示を出してから僅か3秒で体を鞭のようにしならせ倉庫は一瞬で壊された。
何処まで攻撃が届くかわからないが、物理的にはかなりの威力を持ってる。

「これ持って帰れば防衛に…
いや見た目が少しなぁ。」

お世辞にも見た目は綺麗とは言えない、ネフティー様に不快な思いをさせないかと言われると微妙な所だ。

そもそもこいつは動けるのか?

「移動できる?」

ブン!ブン!

めっちゃ縦に体振ってる。

俺がやってみろと促すと地下に潜った。
かなり大きいはずなのに地面が盛り上がるなどはせず、砦の外側で地面から出てきた。

「すごいな、物資の移動が安全に行える。
よし、早速持って帰るぞ!」

クネクネ クネクネ///

褒められて嬉しそうにクネクネしている。
俺が作ったしこんな事は思いたくないけどちょっと、うん……

「基本的には土の中に居てもらうからな~。
それと名前は…ネクで!」

クネクネしてるからな。

割と雑な名付けだがネクは嬉しかったのかクネクネ具合が増して、動きが激しくなった。

「物資はどれぐらい運べそうだ?」

ブン!

触手のような部分を器用に動かしてアピールしてるが全然わからん。

「まぁ、少し集めてくるから此処で待機してて。」

騎士団がいつ来るかわからなくて、全部は回収できないと判断していたけど、ネクのおかげで回収できるのはありがたい。
雑魚しか居なかったけど砦だし魔道具とかあるかもしれない。
この世界の地図とか本もあれば持って帰りたい。

直ぐに残ってたアンデット達に指示を出して武器と食料をメインにネクの前に集めさせる。

コケー!

「鶏じゃん…」

俺も使えそうなものを集めている途中に飼育されている鶏を見つけた。

「これ俺が運んだ方が安全だよなぁ。」

コッコッコケ!

「前回より帰りは楽だと思ってたけど…」

コケ (つぶらな瞳)

「頑張るか…」

ある程度使えそうな物を集め終わり、ネクに運ばせアンデットを1体だけ残して先に要塞へと撤退させる。
俺の憑依しているアンデットだけ鶏3羽を籠に入れて、なるべく揺らさないように歩く。

コケ ジーー

この鶏達めっちゃこっち見てくる…
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