契約に失敗した俺は……。

ど~はん

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4.力

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あれから数十時間後―。

「ん……。んぁ?私寝てた?」

ようやく、美奈が眠りから解放された。

「起きたか?長いこと寝てたぞ。」

美奈は『あのこと』は知らないようなので、幸多は何事もなかったかのようにして、誤魔化すことにした。

「寝てたのか……。じゃあ、寝るね。」

「また寝るのかよ!」

美奈は再び寝た。

「幸多。ちょっといいですか?」
 
すると、フレイヤが小さな声で言った。

「先ほど、家の周りに罠を設置しました。罠と言っても検知するだけなんですけど。これで、どこにいても侵入者があればすぐわかります。」

「仕事がはぇなぁ。ありがとう。」

「契約してるのですから当然です。」

それからしばらくすると、スマホが震え出す。

「誰だろう。見たことない番号だな。」

恐る恐る出てみることにした幸多。

「もしもし。」

「おぉーーーー和原幸多くんの携帯でいいかな?」

「その声は……小林さん!?」

「やぁ、こんにちは。」

「こんにちはです。小林さんどうしたんです?」

「昨夜、この近くに天使2体と悪魔1体が目撃された。天使2体のうちのどちらかと悪魔が戦闘したという痕跡が発見された。」

「近くですか。戦闘していないもう片方の天使には、心当たりがありますよ。」

幸多は『あの出来事』を小林さんに説明した。

「天使ブリュンヒルデか……。なるほどな。すまないが幸多くん、そっちの方は君に頼んでいいかな?私は悪魔と戦闘があった方の調査で忙しいからね。」

「わかりました。」

「おそらくまた君の前に現れるはずだ、フレイヤがいるとはいえ、注意してくれ。」

「わかりました。というか、よくこの番号わかりましたね。」

「ははは、ちょっと裏ワザをね。なんかあったらこの番号にかけてくれ。」

「わかりました。」

「じゃあ、そう言うことでよろしく~。」

電話が切れた。
幸多は電話番号を小林の番号として登録した。

「ほんとに……あの人とブリュンヒルデはなんだったんだろうか。」

どうしても気になって仕方なかった幸多だが、疑問を解消する術がない。
そのままなにもなく、

時計の針は時を刻み続けた。


そして数日後―。

「小林さんはまだ調査してるのかな。」

「そろそろ、あの少女とブリュンヒルデが来てもおかしくないと私は思います。」

数日間、ほんとになにも起こらなかった。フレイヤの罠に反応する者も、いなかったようだ。

「あ、幸多。ひとつ伝え忘れたことがありました。」

「伝え忘れたこと?」

「【召喚の短剣】のことですが、もう一度召喚してもらえませんか?」

幸多は疑問を抱きながら短剣を取り出した。

「目覚めよ!                           ってあれ?」

幸多が唱えても何も起こらない。
何回やってもただの短剣に他ならなかった。

「フレイヤの力がないと無理とか?」

「私の力はすでにその短剣に入っていますよ。問題は幸多、あなたがその短剣に、私と契約したことによって得た力と、あなたの心を込めるのです。」

ブリュンヒルデとの戦闘時、幸多は自然とそれをやってのけたらしい。

だが今は、どうやって力を流し込むのか、発揮するのかを幸多は知らない。

そしてこの短剣を使いこなせないと、天使や悪魔との戦闘は不可能であるという事実。

幸多を、大きな課題が襲うのだった―。
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