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7.友達
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次の日。
学校は休みだが、まだ太陽が頂点に達しない時間、音楽室からは音が漏れ始める。
「うん、だいぶいいね。昨日練習した成果が出てる」
「で……でも、まだ1番のサビまでしか出来てない」
「文化祭まではまだ時間あるんだから、焦らない焦らない」
まだ5月、文化祭までは3ヵ月ほどである。
「うぃ~す!やってるかーい?」
突然、音楽室の扉が開いた。
入ってきたのは成羽と同じクラスの渡邊龍人。
「ほんとにふたりだけでやってるんだぁ」
その後ろから入ってきたのも、成羽と同じクラスの茅凪三葉。
「来てやったぞ~。」
そして最後に入ってきたのは、これまた同じクラスだが、成羽と千瀬の中学から一緒の石山達真。
「おぉ~来たのか!」
「いらっしゃい」
ふたりはしばらく休憩することにした。
「椅子はそこのやつ使っていいよ」
千瀬が指差す先には積み重ねられた椅子。
音楽室でもいくつかあり、成羽と千瀬がいつも練習できない使っている部屋は、机や椅子がない部屋。
この部屋の使い方は、主に楽器演奏の授業に使われる。
座学や、歌の授業になると他の部屋が使われる。
そんな机がなく広く感じる部屋で5人は椅子を丸く置いて座る。
「しっかし、相変わらずふたりか~。仲良いねぇ」
達真は中学時代の成羽と千瀬を知ってる。
「付き合ってても…おかしくないと思うけど?」
三葉がふたりを見て言った。
すると、
『そんなんじゃない!』
とふたりはそろって言った。
この辺りも息がピッタリである。
「じょ…冗談だよ」
三葉は少しびっくりしたようだ。
一方、成羽の心では…、
『なんか…反射的に言ってしまったけど…』
成羽は、話に盛り上がってる千瀬の横顔を見る。
『千瀬と…つ…つつつ付き合う?ま…まさかね。でもなんか最近…』
成羽の心の中に芽生えてきたもの、だんだん本人も理解し始めた…ようだ。
成羽は千瀬から目を反らして、話に混ざる。
一方、話題が変わり今度は成羽が話に混ざった頃…、千瀬はふと成羽の横顔を見る…。
『自分でもびっくりするくらい、反射的に言ってしまったけど…。成羽は…私をそんな風には思ってない…よね』
千瀬にも芽生えてきたもの。
千瀬自身、理解は成羽よりしているらしい。
場面は会話に戻る。
「あぁ、そうそう知ってるか?最近話題になってる噂」
龍人がある話をする。
「なにそれ?」
成羽が聞く。
「なに?面白そう~」
続いて三葉も興味を持った。
その話とは…。
「出たんだってさ」
「なにが?」
4人は首を傾げた。
「幽霊…」
4人の全身に、何か電撃のようなものが走ったのだった―。
学校は休みだが、まだ太陽が頂点に達しない時間、音楽室からは音が漏れ始める。
「うん、だいぶいいね。昨日練習した成果が出てる」
「で……でも、まだ1番のサビまでしか出来てない」
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「うぃ~す!やってるかーい?」
突然、音楽室の扉が開いた。
入ってきたのは成羽と同じクラスの渡邊龍人。
「ほんとにふたりだけでやってるんだぁ」
その後ろから入ってきたのも、成羽と同じクラスの茅凪三葉。
「来てやったぞ~。」
そして最後に入ってきたのは、これまた同じクラスだが、成羽と千瀬の中学から一緒の石山達真。
「おぉ~来たのか!」
「いらっしゃい」
ふたりはしばらく休憩することにした。
「椅子はそこのやつ使っていいよ」
千瀬が指差す先には積み重ねられた椅子。
音楽室でもいくつかあり、成羽と千瀬がいつも練習できない使っている部屋は、机や椅子がない部屋。
この部屋の使い方は、主に楽器演奏の授業に使われる。
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そんな机がなく広く感じる部屋で5人は椅子を丸く置いて座る。
「しっかし、相変わらずふたりか~。仲良いねぇ」
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「付き合ってても…おかしくないと思うけど?」
三葉がふたりを見て言った。
すると、
『そんなんじゃない!』
とふたりはそろって言った。
この辺りも息がピッタリである。
「じょ…冗談だよ」
三葉は少しびっくりしたようだ。
一方、成羽の心では…、
『なんか…反射的に言ってしまったけど…』
成羽は、話に盛り上がってる千瀬の横顔を見る。
『千瀬と…つ…つつつ付き合う?ま…まさかね。でもなんか最近…』
成羽の心の中に芽生えてきたもの、だんだん本人も理解し始めた…ようだ。
成羽は千瀬から目を反らして、話に混ざる。
一方、話題が変わり今度は成羽が話に混ざった頃…、千瀬はふと成羽の横顔を見る…。
『自分でもびっくりするくらい、反射的に言ってしまったけど…。成羽は…私をそんな風には思ってない…よね』
千瀬にも芽生えてきたもの。
千瀬自身、理解は成羽よりしているらしい。
場面は会話に戻る。
「あぁ、そうそう知ってるか?最近話題になってる噂」
龍人がある話をする。
「なにそれ?」
成羽が聞く。
「なに?面白そう~」
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「なにが?」
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