軽音部の恋物語は音を奏でるだけでは成立しない?

ど~はん

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12.続く……

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「こんなのに驚いてたのか……俺たちは」

彼らの目の前にあるのは1体の骨格模型。
鬘に白衣というおまけ付きの……。

「誰がこんなことを?」

「成羽……わかるだろ?」

「決まってるじゃない……先生よ」

三葉が言った。

彼らには確信があった。

「栗島先生……」

そうこんなことができるのは栗島先生しかいない。

「今日は休みだから、また今度聞いてみるとするか。」

今日は先生はいない。
諦めて今日は帰ることにした成羽たちだった。


数日後―。

「あぁ、あれ?バレちゃったか……」
 
予測通り栗島先生の仕業だったようだ。

「先生…あんなものをなぜ廊下へ?」

「三葉、よく考えろ廊下に置く前になんで鬘と白衣よ……」

龍人が言う。

「あ~それね、整理してたんだよ。そしたら鬘と新品の白衣が出てきてね。で、その骸骨が邪魔だったから廊下に……」

「あ……そういうことか、ってなんで鬘が!?」

「去年買っておいたんだよ、面白そうだから」

「龍人、深追いはやめよう霧がない」

達真の一言でこの幽霊騒動は幕を閉じた。

逆に成羽と千瀬の恋物語は完全に幕を開けたようだ……。

「成羽、幽霊騒動で弾けなくなりましたとか言わないよね?」

「千瀬こそ、声出なくなりました~とか言うなよ」

そんな感じで日常に戻る…………予定だったのだが。

「とりあえず、きぇーけい!」

龍人がいい始めた。

「今度の連休にさ、出掛けようぜ!」

「いい……けど」

「おう……」

「いいわよ……でもどこへ?」

「長野県!」

彼らは気づかなかった。
これは更なる地獄の始まりだと……。

「長野の大自然を肌で感じれば!作曲も今後もうまくいくのではないかと。もちろん恋愛もなぁ?」

微笑んで成羽を見る龍人。

「長野……で山登りでもするつもり?」

三葉が聞いた。

「いいや、フェスティバルだ!」

『フェスティバル??』

全員、疑問に思った。

「そう、長野県の野草を食べ歩く!題して……信州野草フェスティバル!」

「はぁ?」

「意味わからん……」

「聞いたことない」

地獄が始まろうとしていた……。
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