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しおりを挟む「あら、王都に行く気になったのね。」
お母様に王都へ行く話を伝えると、そう言った。
「あまり驚かないのですね。」
「まぁ、シュリーが連れていくんだって息巻いていたもの。」
お姉様はお母様に宣言して私と話していたのね。
「それにしても、そう。スミレも王都へ行くのね。私も行こうかしら?」
「何言ってるの?お母様にはルウトを見ていただかないと。」
「少しくらいなら大丈夫。私もあなたの社交デビューを見届けたいのよ。」
うふふ、と嬉しそうに笑うお母様。少し胸が苦しくなった。
普通、令嬢の社交界デビューは16歳。学園を卒業と同時に行われるもの。しかし私は、王都の学園に行っていない。領地にずっと引きこもっていて、社交界デビューもしていなかった。
お母様にも申し訳ないことをしたわ。私の年齢なら、もう結婚していてもおかしくない。それなのに私は、社交界デビューさえしていなかったのだから。
「私のパートナーはお父様がしてくださるの?」
「いいえ、さすがにお父様もここを離れるのは無理よ。でもちゃんとした方にお願いするから、あなたは心配しなくても大丈夫よ。」
お母様だって、私の初めてのパートナーに変な人を選ばないはず。お任せしましょう。どうせ私には、王都に知り合いなんていないんだもの。
コンコンコン
「どうぞ。」
「あ、やっぱりここにいたのね。スミレ、採寸させてちょうだい。」
ほら、早く。と姉に連れられて自分の部屋に戻った。
「ねぇ、ドレスをこちらでお願いして、パーティーに間に合うの?」
「採寸だけして、サイズ表を王都に送るの。デザインはもう決めてあるから。」
楽しそうに話すお姉様。
私はオシャレに興味がないから、というより何を着ても似合うものがなくて嫌になっちゃったのよね。何を着ても同じなんだもの。野暮ったくなるというか。
ならせめて、今までお姉様とそういった話もしてこなかったんだから、楽しそうなお姉様を止めるようなことは言わない。止めても、じゃあ何着る?なんて言われたら困るもの。
ドレス・アクセサリー・靴・カバン、全てお姉様に任せた。私よりもオシャレに敏感で、センスもある。私が選ぶより、よっぽどいいはず。
嬉しそうなお姉様とお母様を見て、私も嬉しかった。
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