憧れの騎士は幼馴染

都築稔

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「お待たせ。」

戻ってきたリーンにシャンパンを渡された。

「ありがとう。」

先程見た時、彼は私とジョシュアが話している様子を見て顔をしかめていた。だから、こちらに来たら何か聞かれるかと思ったけど、何も聞かれなかった。

ちょっと拍子抜け。

まぁ、彼は今日限りのパートナーだし面倒くさくなくていいんだけど。

「どう?」

「何が?」

「…初めてだろ?こういうところ来るの。疲れたりしてないか?」

少し気まずそうにしている。

「まだ踊ってもないじゃない。大丈夫よ。」

「そうか…。」

何?その反応。もしかしたら、他に一緒に来たいご令嬢でもいたのかしら?それとも、私がいるから女遊びができないとか?…最低。いや、私が迷惑をかけているんだけども。幼馴染が女泣かせになっているなんてショックだわ。

「別に、ずっと一緒にいなくてもいいのよ?」

「え?」

何よ、その驚いた顔。私はあなたの取り巻きの一人だと思われて、出会いがなくなったら困るのよ。

「本当は今日、他の誰かとくる予定だったんじゃない?」

彼にしか聞こえないくらい小さな声で尋ねた。

「そんなこと、どこで聞いたんだ?」

あら、もしかしてビンゴかしら。

「聞かなくてもわかるわよ。あなたのその不機嫌そうな顔を見たら。」

「あ、いや、違うんだ。」

「いいのよ、気にしなくて。私も出会いを求めてるんだから、リートと一緒じゃない方が声かけられやすいと思うし。あなたも意中の女性と過ごせて、ウィンウィンじゃない?」

「だから、違うんだ。」

もう、何が違うの?幼馴染に好きな人を知られるのが恥ずかしいの?

「あ、スミレ!」

「お姉様!」

別々に来ていたお姉様とダイアン義兄様が到着したようだ。

「どう、パーティーは?」

「そんな何回も来たいところではないわね。」

「もう。」

お姉様は美人だから楽しめるのよ。踊っていても絵になるし。私なんかとは大違い。

「リイト様、ここまで妹をありがとうございました。」

「え?あ、いいえ。スミレのデビューのパートナーなんて、光栄です。」

ほら、リートもお姉様相手だとかしこまるというか。お姉様にかっこよく見られないのかしら?男って、つくづく、美人に弱いのね。

「そう、それはよかったわ。ここからは私が姉として着きますから。」

「え…」

「ん?」

「あ、いえ。そうですか。…あの、何かあれば遠慮なく言ってください。」

「ありがとうございます。お気持ちだけ受け取っておきますわ。」

もう、お姉様は既婚者なのよ?何考えてるのかしら。お姉さまの役に立ちたいって感じだけど、下心丸見えじゃない。

「スミレ、行きましょう。」

お姉様に腕を組まれ、リートと別れた。
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