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しおりを挟むあぁ、納得いかない!
結婚しろ、領地にこもるなって言うくせに結婚したい相手ができたって言ったらそれはダメって。ダメばかり言われて、私はどうしたらいいのよ。
「ねぇ、お姉様?」
「なぁに?」
次はお姉様に話を聞いてもらおうときたけど、お姉様には出かける用事があるらしい。お化粧をしている片手間で私の話を聞いている。
「ひどいと思わない?せっかく娘がやる気になったのにさ。」
「う~ん、まぁ、今回は仕方がないと思うわよ。」
「なんで?」
「今まで恋愛してこなかったもの、本当にいい相手が見つけられるとは思わないわ。」
「でも、私が選んだものは今まで成功してきたじゃない。」
「それはモノだからよ。人とモノは違うわ。」
「そうかもしれないけど~。」
お姉様みたいに私はモテない。母数が違うのよ。男性に好かれている母数が。そんなお姉様に、私の気持ちなんかわかるわけなかったわ。
「お姉様に話した私が馬鹿だったわ。」
「あら、ひどい。」
なんて言いながら、全然響いてなさそう。この余裕な感じが男にはいいのかしら?
あぁ、でも私はモテたいわけじゃないのよ。
……せっかく、結婚に乗り気だったのに。
「じゃあ、私は行ってくるわね。」
「いってらっしゃ~い。」
お姉様はこれからお義兄様とデートらしい。
「いいな~。」
何がって言われたら、はっきりとはわからないけど。
「甘いものでも食べて、気分転換しようかしら。」
この前連れて行ってもらったカフェでもいいけど、せっかく王都に来たんだから違う場所も行ってみたい。
うん、いい考えかもしれない。早速着替えに行きましょう。今日みたいないい天気の日に家から出ないなんて、もったいないもの。
なんとなく思いついたことだけど、案外良案だったかも。
「お母様!」
「どうしたの?なんだかご機嫌ね。」
「私、これからスイーツでも食べに行こうかと思うのですが一緒にいかがですか?」
「まぁ、とっても魅力的な誘いだけど…予定があるのよね。久しぶりに王都に来たからって、お友達にお茶会に誘っていただいたの。」
「え~。」
「でもそうね、あなた1人で街に出るのは不安だわ。」
「大丈夫よ。子供じゃないんだし、1人でも大丈夫!護衛もつけていくからさ。まぁ、そこら辺のチンピラなんかより私の方が強いと思うけど。」
「そうだとしても、油断は禁物でしょ。それに、あなた王都のこと何もわかってないじゃない。」
「だから護衛を連れて行くんでしょ?」
もう、お母様ったら私を子供扱いしすぎじゃなくて?
「失礼致します。お嬢様にお客様がいらっしゃっていますが、どうなさいますか?」
「私に?どなたかしら。」
「カサビアン卿ですよ。客室で待っていただいておりますが、いかが致しますか?」
「リート?」
「あら!ちょうどいいじゃない!卿とお二人でスイーツ食べにいけば!」
「え、何言ってるの?そんなの、勘違いされたら困るじゃない!」
「誰に、何を?」
「誰って…リートの婚約者とか?」
「お嬢様、卿にはご婚約者様はおられません。」
「あらそう…。でも、私の新たな出会いの邪魔にはなるわ。」
「次のパーティーのパートナーも卿なのよ?スイーツ食べに行くより噂になると思うわ。だから、そんなこと気にしても意味ないと思うの。」
「なんでまたリートなの?」
「それは…お母様の知るところではないわね。」
「あぁ、逃げた!」
「そんなことないわよ。…あら、もうこんな時間。じゃあ、行ってきます。」
「もう!逃げてるじゃない!」
お母様のばか!
「お嬢様、どうされますか?」
「…わかった。とりあえず、会えばいいんでしょ?行くわよ。行けばいいんでしょ。」
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