将来、悲運な結末を迎える令嬢は幸せに生きる

都築稔

文字の大きさ
73 / 150

不安

しおりを挟む

「さぁ、ルカ。俺たちにもわかるように説明してくれ。」

皆が席に着くと、待ちかねたようにライト様が仰った。ルカ様はチラリと私を見ると、小さくため息をついた。

私、ついてこない方がよかったかしら?

少しの不安を感じた。

「まず、僕らがこれからどうにかしないといけないのはアメリア嬢が連れている白い鳥だよ。」

「白い鳥?あぁ、そういえば最近見かけたな。」

「白い鳥がどうしたというんだ?害はなさそうに見えるけど。」

「あれがただの鳥なら、害はないでしょう。ですがあれが精霊だとしたら?」

精霊という言葉を聞いて、少し動揺してしまった。

転生ものの物語には、ヒロインやヒーローは精霊や神獣に好かれやすい。怪我しているところを助けたとか、心が綺麗だとか、光の魔力を持ってるからとか理由は様々だけど。

このゲームにも、ヒロインには相棒とも呼べる精霊が側にいる。ヒロインはピィちゃんと呼んで、風と光の精霊だということに気づかず可愛がるのだ。

悪役令嬢が絵本の中に入ってしまうというイベントはゲームの中にない。ヒロインも同様。私が死んだ後に追加されたものかもしれない。

とにかく、出方もわからなければ犯人もわからない。私にとってはそんな状態だった。

でもこの事件にアメリア嬢の精霊が関わっているならば。私がどんなにもがいたとしても、結果は変わらない。この世界に悪役令嬢として認識されていることになるのではないかしら?

「精霊・・・本当にあれが?ただの鳥に見えるぞ?」

「でも精霊が犯人なら可能ですね。でも、どうしてエミィが被害を受けたのでしょうか?」

「確かにアメリア嬢を虐めていないどころか、あまり接点がないよね。」

皆さん、それは私が悪役令嬢だからです!・・・なんて言っても信じてもらえないだろう。だって私はそうならない為に努力してきたもの。なるほど!なんて納得されちゃ、困っちゃう。

「ここからが長い話になる。信じられない話かもしれない。・・・・・・それから、リア。先に謝っておく。ごめん。」

突然、ルカ様に謝られてしまった。

どういうことかわからないけれど、嫌な予感がする。

震える右手をもう片方の手で握りしめた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

乙女ゲームの正しい進め方

みおな
恋愛
 乙女ゲームの世界に転生しました。 目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。  私はこの乙女ゲームが大好きでした。 心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。  だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。  彼らには幸せになってもらいたいですから。

【完結】義妹(ヒロイン)の邪魔をすることに致します

凛 伊緒
恋愛
伯爵令嬢へレア・セルティラス、15歳の彼女には1つ下の妹が出来た。その妹は義妹であり、伯爵家現当主たる父が養子にした元平民だったのだ。 自分は『ヒロイン』だと言い出し、王族や有力者などに近付く義妹。さらにはへレアが尊敬している公爵令嬢メリーア・シェルラートを『悪役令嬢』と呼ぶ始末。 このままではメリーアが義妹に陥れられると知ったへレアは、計画の全てを阻止していく── ─義妹が異なる世界からの転生者だと知った、元から『乙女ゲーム』の世界にいる人物側の物語─

十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。

あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。 宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。 対極のような二人は姉妹。母親の違う。 お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。 そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。 天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。 生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。 両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。 だが……。運命とは残酷である。 ルビアの元に死神から知らせが届く。 十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。 美しい愛しているルビア。 失いたくない。殺されてなるものか。 それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。 生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。 これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。

本の通りに悪役をこなしてみようと思います

Blue
恋愛
ある朝。目覚めるとサイドテーブルの上に見知らぬ本が置かれていた。 本の通りに自分自身を演じなければ死ぬ、ですって? こんな怪しげな本、全く信用ならないけれど、やってやろうじゃないの。 悪役上等。 なのに、何だか様子がおかしいような?

公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~

谷 優
恋愛
公爵家の末娘として生まれた幼いティアナ。 お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。 お父様やお兄様は私に関心がないみたい。 ただ、愛されたいと願った。 そんな中、夢の中の本を読むと自分の正体が明らかに。 ◆恋愛要素は前半はありませんが、後半になるにつれて発展していきますのでご了承ください。

過保護の王は息子の運命を見誤る

基本二度寝
恋愛
王は自身によく似ている息子を今日も微笑ましく見ていた。 妃は子を甘やかせるなときびしく接する。 まだ六つなのに。 王は親に愛された記憶はない。 その反動なのか、我が子には愛情を注ぎたい。 息子の為になる婚約者を選ぶ。 有力なのは公爵家の同じ年の令嬢。 後ろ盾にもなれ、息子の地盤を固めるにも良い。 しかし… 王は己の妃を思う。 両親の意向のまま結ばれた妃を妻に持った己は、幸せなのだろうか。 王は未来視で有名な卜者を呼び、息子の未来を見てもらうことにした。 ※一旦完結とします。蛇足はまた後日。 消えた未来の王太子と卜者と公爵あたりかな?

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

処理中です...