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間話話2
しおりを挟む水族園にリアを誘ったのには理由があった。
僕がお婆様の残した書物から読み取って実現させたもの。それがこの水族園だ。
お婆様が前世に行ったという場所、おそらくリアも行ったことがあるだろう。彼女が前世を思い出した時、恋しくなったり戻りたいと思うことがあったりするのかも・・・なんて考えるとたまらなくなった。
この先、リアがいなくなるかもしれない可能性なんて早々に潰しておくべきだ。
人間、大抵戻りたいと思う時は過去と今を比べて、過去の方が良かったと感じた時だと思う。お婆様の書物を見て思った。リアが前世で生きた世界に魔法はないけれど、それに代わる様々なものがあったということ。
そこはとても平和で、娯楽に溢れていた。
世界情勢的に世界の平和は約束できないけど、僕のそばにいる限りリアの安全は保障する。
でも、娯楽は彼女たちがいた世界の方が発達している。これは早急にどうにかしなければないない案件だと判断した。
水族園を最初に選んだのは、自分の魔法を使えば魚を捕まえるなんてとても簡単なことだったからだ。費用は今まであまり使っていなかったお小遣いで賄えた。
お婆様の言葉と僕の想像だけで作ったので、リアの反応を見るまですごくドキドキしていた。でも、喜んでもらえたようで何よりだ。
「ルカ様、あれ見てください!」
リアが率先して僕の手を引いて歩いてくれる。
ずっとニコニコしているのが可愛すぎる。可愛すぎて他の人に見せたくない。
そっと当たりを見回すが、薄暗いおかげか、ロマンティックな雰囲気に各々が各々の世界に入り込んでしまっているためか。僕たちを見てる人は誰もいなかった。
うん、やっぱり水族園にしてよかった。
自分の仕事に満足していると、横からリアの視線を感じた。
「なぁに、リア?どうかした?」
「あ・・・いや、なんでもないです。」
その反応、絶対そんなことないでしょ。
「ほんと?」
「・・・笑わないでくださいね?」
「もちろん。」
「ルカ様の横顔が綺麗だなぁって思ってました。」
なにそれ。僕に見惚れてたってこと?
「リアの(可愛さには)負けるよ。」
一つ一つの動作が可愛らしい。片時でも目を離したくない。
僕はそんなふうに思ってるのに、彼女は違うようだ。例えば今みたいに、僕といるのに違うことを考えていることがある。
「ちょっと、何考えてるの?僕といる時は他のことを考えちゃ嫌だよ。」
じゃないと、君のことをこんなに好きで思っているのは僕だけなんじゃないかと不安になってしまう。
この時間をこんなに楽しく、愛しく思っているのは僕だけなのかって。
「ルカ様のことを考えてたんです。」
えぇ、本当に?リアが嘘をつくとは思っていないけど、タイミング的にも僕の機嫌を取るために誤魔化したと言っても頷けてしまう。
「本当に?」
彼女が照れたように頷いたのを見て、キュン死しほうだ。可愛い。
仕方がない。今回は水に流そう。なんたって、考えていたのは僕のことみたいだし。本音を言えば、今の僕を見てほしい。今の僕との時間を楽しんでほしい。過去でも未来でもなく。今の僕で夢中になって、他に何も考えられなくなったら最高だ。
・・・まぁ、それは僕のワガママで、口にするつもりは今のところないけれど。
「リア、お腹空いてない?何か食べようか。」
ここにあるちょっとした出店の飲食店も、リアの前世で食べたであろうものを再現している。と言っても、料理の名前から想像したものだから、実際のものとは違うかもしれないけど。
一口サイズの白身魚のフライは揚げたてを提供している。そのため、衣カリッ、中身フワッの食感が出来上がる。
熱くて、でも温かいうちに食べたくてハフハフしているリア。それが、めちゃくちゃ可愛い。
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