将来、悲運な結末を迎える令嬢は幸せに生きる

都築稔

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尊い

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あぁ、今日もルカ様が最高すぎる。

つい最近まで、自分の未来について奮闘してきたんだけど…この前ふと気づいてしまったんです。

ゲームであんなに推していた、あのヴィジュアルのルカ様本体が目の前にあるということに。

ヤバくない?推しが目の前にいて、私のことが大好きで、私がいないと生きていけないとか言っちゃうんですよ。オタクの心臓止める気なんですかね?

なんというか、この世界でずっと過ごしてきたエミリアより日本で過ごしてきた絵美が舞い上がってるといいますか。

私、そもそもヤンデレが好きなわけじゃないんですよ。いや、それくらい好いてくれてるってことにはキュンとくるんですけど(ルカ様限定で)。
だって、好きな人が病んでるところなんて見たい訳ないじゃん。でもゲームの中では病んでるルカ様しか出てこない訳ですよ。エミリアに狂ったルカ様しか。

でも、ここには狂ってないルカ様が私に愛を囁くんですよ。どんな妄想を叶えてんだって話な訳でして。

ずっとルカ様が好きだって気持ちで過ごしてきたけど、前世の気持ちと今世の気持ちが混ざってというよりプラスされてもう、今本当にヤバいんですよ。

ここ最近、ルカ様のこと考えてぼうっとしすぎちゃってラナに心配されている。

そして、そんな私に気づいてか偶然かわからないけど、ルカ様からのアピールがすごい。

前からお菓子を作ってきてくれたりしてたんだけど、昼食も作ってお茶まで淹れてくれる。従者要らないんじゃない?ってレベル。

ルカ様なら私と本当に2人きりになりたくて、それを狙ってしてる可能性はあるけど。

ゲーム内のルカ様ならわかるんだけど、今はゲームのシナリオとも離れているし、ルカ様はヤンデレ化してないから検討がつかなくなってきていてりして。だからといって浮気を疑うようなことは全くないのだけど。尽くし具合いに驚いたりする。

私自身は割と真っ向勝負というか、嘘がつけない性格だから態度に出してしまうし。基本的なヤンデレの思考がわかっていない。本当にルカ様についてだけ詳しかった。

「何考えてるの?」

「ルカ様についてです。」

「僕?例えば?」

「例えば…なんでお昼まで作ってくださるようになったのかなぁとか。」

だって、暇になったかと言えばルカ様はそうではない。魔塔の仕事もあれば、光の精霊を消したことについて報告書を作っているらしいし。夜遅くまで働いているのに、朝早く起きてご飯の準備なんてしなくてもいいのにって。

「聞きたい?」

「…え?」

「なんでお昼も作るようになったか。あと、慣れたら朝ごはんや夜ご飯も用意しようと思ってるよ。」

「2人の時間が欲しいとかなら、私だって作りますよ?」

「うーん、それはとてもいい提案だ。悩ましいな。リアの手料理は食べたい。でも、そうじゃないんだ。」

ニコニコと上機嫌に笑うルカ様。

えぇ、もしかして尽くしてあげたいタイプ?溺愛彼氏系?私、ドロドロに溶かされちゃう?

「ルカ様って、世話好きなんですか?」

「ある意味、そうかもね。」

他にどんな意味があるっていうのよ。

「リア、ほらよく考えて。」

「……降参です。参りました。」

ゲーム内のエミリアと違って、あの手この手で気を引かなくたって既にルカ様のことが好きだし。私にはない思考回路だ。

「リアの細胞1つ1つ、僕で埋め尽くしたいんだよ。僕が作ったものだけ食べていたら、リアの体は僕の料理でできた細胞で形作られることになるだろう?」

サラッと…サラッと怖いこと言われた気がする。

「僕が愛情込めて作った料理で作られた細胞なんて、リアが僕の愛で作られてるみたいなものでしょう?」

うーんと、すごく遠回しに私の体をルカ様の愛で満たそうとしているということかな?すっごく時間がかかりそうな作業だな。

「あんまりピンときてなさそうな顔だね。」

ヤンデレじゃないので、あぁ!なるほど!とはならないよ。

「いいんだ。これを聞いても、それでもご飯を食べる手を止めてないから。ほら、たくさん食べて。」

あーん、と差し出されたお肉をパクリと食べる。

美味しい。口の中でとろけた。美味しすぎる。

「あぁ、今の顔最高だね。」

カエラ的に黒い笑みと言われるそれを私に向けた。ヤンデレは好きじゃないんだけど、ルカ様のこの黒い笑みは大好物なんですよね。あ~、今何考えてるのかな。絶対、私で何か想像してましたよね?聞いたら答えてくれるんだろうけど、少し怖い気もして。

「あの、ルカ様。」

「なぁに?」

「大好きです。」

「っ!!…なに、突然。」

あぁぁ、お耳が赤いです。相変わらず、不意に責められるのに弱いんですね。

「えっと、思いが溢れてきて?」

「…何言ってんの?意味わかんない。」

責められたらツンとしちゃうんですよね。わかってます、照れてるんですよね。

「……僕の方が好きだから。」

ぼそっと呟いたのを聞き逃さなかった。


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