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最悪
しおりを挟む「なんてこと…。」
後悔しても、もう遅い。何もかも手遅れじゃない。
せめてあの鳥がいたらいいんだけど見当たらないし。
一体、どこに行っちゃったのかしら。
探すにも、私はここに味方はいないし。
そもそも、悪役令嬢がいじめてきていないってどういうこと?この世界は本当に私が知ってる世界なのかしら。だって、あまりにも不自然というか、私に不利な状況すぎるもの。
王子はどいつも振り向かないし、悪役同士で仲良くやってるってどういうことよ。悪の組織でも作るつもりかしら。
あいつらが私をいじめてくれないから私が浮いちゃってるのよ。
ゲームしてる時から思ってたのよね。こんなやつが現実にいたらただのおかしな子だよなって。まさか自分がその頭のおかしなやつになってるとは思ってなかったわ。
こういうのって生まれた時とか、前世で死んだ時とか、せめて幼い時に気づくのが普通じゃない?こんな不利になってから思い出すなんて意味わかんない。
「あーあ、折角こんな綺麗な顔で生まれたのに。」
それが活かせないなんて。この世界は容姿より身分がものをいうから、イベントが1つも上手くいってないなんて最悪すぎるわ。
さて、これからどうしようかしら。
悪役令嬢エミリアは私に敵意がないどころか、王太子と婚約していない。これから私に敵意を向けさせるとしたら、モブ男のルカを狙わないといけないわけね。
でも露ほど興味ないのよね。自分を殺すかもしれない相手と一緒にいるなんて考えられない。あんだけ悪さしたエミリアを好きだったんだから、今更私がどうこうしたって意味なさそうよね。
好意が向けられても困るし。好きになれそうもないのにいい感じになって後で「嘘でした」なんてなっても殺される未来しか見えないわ。
何かいい手を考えないと。
この世界で生きていくには、今の私じゃ弱すぎる。
だって、つまりはバッドエンドということでしょう?それだけは避けたい。
ヒロインのバッドエンドがあんなんだなんて、ゲーム考えた人はどうかしてるわ。
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