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王宮騎士団

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「疲れた……」

 いちおう食事マナーは及第点がもらえて無事部屋に帰ってこられた。でも、また一時間しないうちに授業が始まるらしい。うう、ずっと緊張するのストレスが溜まる……。これじゃ、魔法の練習もままならない。

「はッ魔法の授業もあったりして……?」

 いや、期待するのは止めておこう。あくまで妃になるための授業だから魔法はいらないと思う。

 でも、魔法の知識を誰かから教えてもらいたい。独学じゃ高が知れているし。

 午後の授業は二時間だら、終わったら王宮を散歩してみよう。何か分かるかもしれない。

 セリさんに聞くのが一番だけど、なんとなく積極的に会話をしにくいというか。悪い人じゃないんだけど、会話が弾まない気がして……少しずつ距離を縮める努力をしよう。

 シュリオ先生の授業を無事乗り越え、私はセリさんにお願いして自由時間をもらうことに成功した。

 時間は一時間、図書館か王宮内なら歩いていいらしい。ただし、万が一外に出たら、今後自由時間もセリさんが付くことになっているので気を付けて散歩しよう。

 さて、どこから散歩しようかな。と言っても、私の王宮知識は昨日大門から自分の部屋まで歩いた時と図書館くらい。食事の間は部屋からわりと近いし、まだ全然知らないと言ってもいい。

 まずは図書館まで歩いてみて、その間で気になったところを見て回ろう。

 昨日の記憶を頼りに進む。角で左に曲がって真っすぐ行ったら確か──。

「わぁ」

 右手に中庭が見えた。しかも、昨日とは違って人がいる。これ多分、騎士団の人たちでは!

 すっごい。ラッキー。騎士団の練習中だ。剣を構えていて格好良い。筋肉ムキムキだ。

 騎士団のことはパパから聞いていたから知っていたけど、こうして間近で見ると大迫力で感動しちゃった。

 そういえば、騎士団に宜しくってパパが言っていたけど、あれどういう意味だったんだろう。騎士団にパパの知り合いでもいるのかな。

 少しの間練習風景を眺めていたら、強面の人が一人、こちらに向かって歩いてきた。

 どうしよう、めちゃめちゃ睨んでいる。勝手に見学していたから怒られる……!?
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