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悪役令嬢?
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「あらぁ、これはこれはアリア様ではありませんこと?」
ライン様のダイエットが数日経過したある日、廊下を歩いていたら、どこぞのご令嬢に声をかけられた。金髪に近いロングの髪の毛をハーフアップにしている、ちょっと気の強そうな可愛い感じ。私は濃いめの茶髪だから薄い色ちょっと憧れる。
「お初にお目にかかります。私、チシャ・ミラッセと申します。以後お見知りおきを」
「私もまだ不慣れな部分が多いですが、宜しくお願いします」
ミラッセ、ミラッセ……聞いたことないファミリーネームだけど、きっとどこかの貴族よね。
「あの白豚、いえ気難しい皇子に嫁ぐのはさぞかし大変でしょう」
「いえ、大切にしてくださっていますよ」
──今、はっきり白豚って言いましたねぇぇ?
なにこの人。悪役令嬢的な人?
同世代の友人が出来るかもしれないと思っていたのに、ライン様を悪く言うなんて。額に青筋が薄っすら浮かびながらも、ライン様の妻として笑顔で対応する。
「そうですか。よほどお心が広いのですね。尊敬します。では、また」
「はい」
私は笑顔のまま固まった。小さくなっていくチシャさんの後ろ姿。
彼女が王宮にいられるレベルの令嬢だろうがなんだろうが、ライン様を侮辱する理由にはならない。というか、人を攻撃する意味が分からない。ライン様が何かしましたか。
もやもやしながら部屋に戻ろうとしたら、件のライン様が奥から歩いてきた。
「ライン様」
「アリア、これから部屋に行っていいか」
「はい、喜んで」
居酒屋みたいな返事をしつつ二人で私の部屋に行く。
お、これは早々に聞くチャンスなのでは?
「あの、突然ですが、チシャ・ミラッセという女性の方をご存知ですか?」
「チシャ? 知っているが何故?」
「いえ、先ほど初めてお会いしたので、どなたかと思いまして」
皇子が知っているってことは、やっぱり身分の高い人なんだ。
「ロウの妃候補だ」
「妃候補……!」
まずい、思ったより重要人物だった。今は候補でも後々妃になったら、ライン様に悪影響が及びそう。
ライン様のダイエットが数日経過したある日、廊下を歩いていたら、どこぞのご令嬢に声をかけられた。金髪に近いロングの髪の毛をハーフアップにしている、ちょっと気の強そうな可愛い感じ。私は濃いめの茶髪だから薄い色ちょっと憧れる。
「お初にお目にかかります。私、チシャ・ミラッセと申します。以後お見知りおきを」
「私もまだ不慣れな部分が多いですが、宜しくお願いします」
ミラッセ、ミラッセ……聞いたことないファミリーネームだけど、きっとどこかの貴族よね。
「あの白豚、いえ気難しい皇子に嫁ぐのはさぞかし大変でしょう」
「いえ、大切にしてくださっていますよ」
──今、はっきり白豚って言いましたねぇぇ?
なにこの人。悪役令嬢的な人?
同世代の友人が出来るかもしれないと思っていたのに、ライン様を悪く言うなんて。額に青筋が薄っすら浮かびながらも、ライン様の妻として笑顔で対応する。
「そうですか。よほどお心が広いのですね。尊敬します。では、また」
「はい」
私は笑顔のまま固まった。小さくなっていくチシャさんの後ろ姿。
彼女が王宮にいられるレベルの令嬢だろうがなんだろうが、ライン様を侮辱する理由にはならない。というか、人を攻撃する意味が分からない。ライン様が何かしましたか。
もやもやしながら部屋に戻ろうとしたら、件のライン様が奥から歩いてきた。
「ライン様」
「アリア、これから部屋に行っていいか」
「はい、喜んで」
居酒屋みたいな返事をしつつ二人で私の部屋に行く。
お、これは早々に聞くチャンスなのでは?
「あの、突然ですが、チシャ・ミラッセという女性の方をご存知ですか?」
「チシャ? 知っているが何故?」
「いえ、先ほど初めてお会いしたので、どなたかと思いまして」
皇子が知っているってことは、やっぱり身分の高い人なんだ。
「ロウの妃候補だ」
「妃候補……!」
まずい、思ったより重要人物だった。今は候補でも後々妃になったら、ライン様に悪影響が及びそう。
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