【急募】バッドエンド

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怪しい者ではありません

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 じゃあヒーローする意味無かったじゃん。道端を見る。頷いて去っていった。ねえ行かないで! あとこのヘルメットどうすれば!?

 大型犬をあやす由奈の横で途方に暮れる。ヒーローいらないみたいだし帰っていいかな。

「じゃあこれで」
「わんちゃんの飼い主探してください」
「……ひゃい」

 道端カムバック。俺大ピンチ。ヒーローヒーロー切望。由奈もヘルメット被った変人と一緒でいいって、よほどの天然か雑な性格なのか。俺だったら素性の知らない変人と二人でいたくない。

 ヘルメットの内部を冷や汗で埋めながら、由奈の一歩後ろを歩く。何かないか何かないか。ここを離れる名案はないか……あった!

「交番!」

 おまわりさ~~~~ん! ここに! 迷子のワンちゃんが!

「ヘルメットの男……?」

 やっべ~~~~~~今の俺顔を隠した不審者だ!

 全速力で逃げ出したいが、すでにお巡りさんはこちらをロックオンしている。犬ではなく俺を見ている。ダメだ。逃げたら最後指名手配が待っている。

「ほんとだ。交番ある。これならすぐ見つかるかも、行きましょ」
「そうね……」

 俺には止まることさえ許されない。完全に犯罪者を見る目の専門家に向かい、上機嫌の犬と由奈とともに地獄へ旅立った。

「どうしました?」
「あの、首輪をした犬がそこで迷子になっていて」
「なるほど。それでは詳しいことをお伺いしますので、お二人とも中にどうぞ」
「はい」

 由奈は何故そんなに平然としていられるんだ。ヘルメット男と交番に入るんだぞ。怪しい男を連れているんだぞ。何かあったら身の潔白を証明してねお願いします!

 お巡りさんが由奈に書類を渡す。由奈がそれを書いている最中、目が合った。わ~~善良な一市民です!

「失礼、そのヘルメットは」
「バイクにヘルメット置いてくるの忘れまして、すみません」

 純真な俺は由奈に見えない形で目の部分だけ見せてお辞儀して謝る。ごめんなさいごめんなさい。

「そうですか。お急ぎのところ迷い犬の確保ご苦労様です」
「いえ、僕は全然」

 よかったぁぁぁぁぁぁッッッッ! 優しいお巡りさんありがとう!!

 バイク乗ったことない免許無しの十五歳で申し訳ありませんでした!

 微妙に嘘じゃないので許してください。

 道端はバイクという名になったのだ。そもそもきっかけは道端なのにさっさとどっか行ったな。お巡りさんが優しくてどうにかなったけど、もしならなかったら一緒に責任取ってくれるのかな。

「それでは宜しくお願いします」
「はい。保護頂き有難う御座いました」

 親切なお巡りさんに挨拶して交番を出る。不審者として捕まらなくてよかった。本当に。

「保護期間あるんですね。それまでに見つかるといいな」
「そうだねぇ~」

 チャラ男設定を思い出し、適当に返事する。確かに、保護期間があると言っていた。期間決めないとどんどん増えちゃうから大変なのは分かる。でも、それが過ぎたらどうなるんだろう。見つかるよね。ポスターとか作った方がいいかな。

「かんちゃんッッッッッッ!」

 犬のその後を気にしていたら、甲高い叫びとともにふわふわ金パロン毛縦ロールが爆速で交番に入っていった。
 嫌な、いや世間的には良い予感がする。

「かんちゃん~~~~~ッッ! お巡りさんありが、えッそうなんですか! ヘルメットの!?」

 バカでかい声聞こえるぅ! やっぱり飼い主さんだったビンゴ!

 お巡りさんも男女の二人組程度に説明してくれたらいいのに。特徴あって分かりやすいからだろうけど。というかこのまま帰らせてください!

「見つかったみたいですよ」
「ねぇ~~~~よかったよかった。じゃあ俺はここで」
「そこのヘルメットの君ィ~~~~!!!!!」
「わぁぁぁぁ……」
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