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奇跡のバッドエンドルート
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由奈が好きなものはひらひらした服と可愛いキャラクター物。好きな食べ物はスイーツ系と激辛も。でも、ヘルメットはそんなこと知っていたらおかしい。こういう時ってどんな話題がいいんだ。
「今日は良い天気だね~」
「そうですね。あったかい」
たった今、近所のおばちゃんや顔見知りの店員さんがすぐ今日の天気について話しかけてくる理由を明確に理解した。それしかないんだ。誰に言っても通じて、誰に言っても失礼じゃない話題。
「そうだ。この前は有難う御座いました。今回も」
「えっそんなの気にしなくていいのに!」
真面目なイイコちゃんだ。純粋に良い意味で。どんどん狂っていく由奈ばかり目にしていたから、新鮮で体中がくすぐったい。どうしちゃったんだよ。模範生徒みたい。
「お礼とか」
「いらないいらないいらない」
由奈から何かもらうのは恐ろしいので全力で遠慮する。縦ロールより遠慮する。びしっと親指でヘルメットを指す。
「俺は人助けをするのが趣味なのさッ」
「でも」
「食い下がるなんて、まさか俺が好きとか~~~?」
「それはないです。ごめんなさい。顔が分からないし声もくぐもってて分からないし、話し方もタイプじゃない」
「あ、はい」
自分でふざけといてなんだけど、告白してないのに振られた感じになって非常に切ない。中の人、俺です。
でも、振られたのか。今まで由奈に辛辣な態度を取られたことがなくて戸惑ったけど、間接的に振られたんじゃん。これでバッドエンドルートに入らないかな。入らないか。
「それに、私」
「ん? なになに」
「ううん。何でもない」
気になるじゃん。話し始めて途中で止めることってたまにあるけど、そのたびに気になってるからね。数日気になってるからね。
でもさ、この流れで「それに」って。もしかして、もしかしなくてもそうなんじゃ。
悩んでいる風の様子が心配なのもある。それを超えて興味が口から飛び出した。
「続き、よかったら教えて」
「えぇ……」
ものすっごい嫌な虫見つけた時の顔をされた。害虫じゃないです。早まり過ぎたか。帰ればよかったかも。由奈が苦虫顔のまま顔を近づけてきた。
「聞いてきたのはそっちですからね」
「うん……そうだね……」
そんなに覚悟がいること?
「誰にも言わないで」
こくり。
返事するのすら怖くて道端化した。何度も頷いてみせればようやく納得したらしく、由奈がこっそり教えてくれた。
「好きな人がいるの」
「…………すっ」
すっ。
すッ。
すきなひとがいるの……?
えっ……?
なんとなくそういうことなのかもって思ったけど、実際言葉にされると信じられない。だって、本来なら来月には俺と出会って、怒涛のアピールをしてくる由奈だぞ。それが四月までは別の奴が好きって。それとも、五月も好きで、それが俺と出会って運命が変わったとか……?
これも俺がループしまくった弊害?
「いつから好きなの?」
「う~ん、十年以上かな」
「十年以上!? 幼馴染!?」
「そんなとこ」
さすがに予想外なんですけど!
どんだけ過去が変わってるんだ! 俺が知らないだけで変わってないのかもしれないけど!
「へぇ~すごいじゃん。純愛ィ。どういうとこが好きなの」
「可愛くてカッコイイところ、優しいところ、私の言うこと聞いてくれるところ」
「いいねぇ」
そこはかとなく闇を感じる部分があったけど、とにかく優しい人らしい。
「そんなにその子のことが好き、なんだ」
「……う……ん」
由奈がはにかんで頷く。
うっそ。
この反応。
ほんとに好きな人いるんだって実感する。
俺とは出会ってないのに。
いるんだ。
優しい幼馴染が。
んん?
……ってことは!
その人と結ばれれば、完全にバッドエンドルートだ!!
「今日は良い天気だね~」
「そうですね。あったかい」
たった今、近所のおばちゃんや顔見知りの店員さんがすぐ今日の天気について話しかけてくる理由を明確に理解した。それしかないんだ。誰に言っても通じて、誰に言っても失礼じゃない話題。
「そうだ。この前は有難う御座いました。今回も」
「えっそんなの気にしなくていいのに!」
真面目なイイコちゃんだ。純粋に良い意味で。どんどん狂っていく由奈ばかり目にしていたから、新鮮で体中がくすぐったい。どうしちゃったんだよ。模範生徒みたい。
「お礼とか」
「いらないいらないいらない」
由奈から何かもらうのは恐ろしいので全力で遠慮する。縦ロールより遠慮する。びしっと親指でヘルメットを指す。
「俺は人助けをするのが趣味なのさッ」
「でも」
「食い下がるなんて、まさか俺が好きとか~~~?」
「それはないです。ごめんなさい。顔が分からないし声もくぐもってて分からないし、話し方もタイプじゃない」
「あ、はい」
自分でふざけといてなんだけど、告白してないのに振られた感じになって非常に切ない。中の人、俺です。
でも、振られたのか。今まで由奈に辛辣な態度を取られたことがなくて戸惑ったけど、間接的に振られたんじゃん。これでバッドエンドルートに入らないかな。入らないか。
「それに、私」
「ん? なになに」
「ううん。何でもない」
気になるじゃん。話し始めて途中で止めることってたまにあるけど、そのたびに気になってるからね。数日気になってるからね。
でもさ、この流れで「それに」って。もしかして、もしかしなくてもそうなんじゃ。
悩んでいる風の様子が心配なのもある。それを超えて興味が口から飛び出した。
「続き、よかったら教えて」
「えぇ……」
ものすっごい嫌な虫見つけた時の顔をされた。害虫じゃないです。早まり過ぎたか。帰ればよかったかも。由奈が苦虫顔のまま顔を近づけてきた。
「聞いてきたのはそっちですからね」
「うん……そうだね……」
そんなに覚悟がいること?
「誰にも言わないで」
こくり。
返事するのすら怖くて道端化した。何度も頷いてみせればようやく納得したらしく、由奈がこっそり教えてくれた。
「好きな人がいるの」
「…………すっ」
すっ。
すッ。
すきなひとがいるの……?
えっ……?
なんとなくそういうことなのかもって思ったけど、実際言葉にされると信じられない。だって、本来なら来月には俺と出会って、怒涛のアピールをしてくる由奈だぞ。それが四月までは別の奴が好きって。それとも、五月も好きで、それが俺と出会って運命が変わったとか……?
これも俺がループしまくった弊害?
「いつから好きなの?」
「う~ん、十年以上かな」
「十年以上!? 幼馴染!?」
「そんなとこ」
さすがに予想外なんですけど!
どんだけ過去が変わってるんだ! 俺が知らないだけで変わってないのかもしれないけど!
「へぇ~すごいじゃん。純愛ィ。どういうとこが好きなの」
「可愛くてカッコイイところ、優しいところ、私の言うこと聞いてくれるところ」
「いいねぇ」
そこはかとなく闇を感じる部分があったけど、とにかく優しい人らしい。
「そんなにその子のことが好き、なんだ」
「……う……ん」
由奈がはにかんで頷く。
うっそ。
この反応。
ほんとに好きな人いるんだって実感する。
俺とは出会ってないのに。
いるんだ。
優しい幼馴染が。
んん?
……ってことは!
その人と結ばれれば、完全にバッドエンドルートだ!!
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