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第三章 出会いは風のごとく
⑭
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客室でのまったりとしたくつろぎにも限界があって、もともと人と顔を付き合わせて長々と話をするのが苦手な僕は、ちょっと外の空気を、などとお決まりの言い訳を置き去りにして、デッキに出た。
船の後方にある手すりにもたれ、すでに豆粒ほどに小さくなっている陸地に目を向ける。大きな海と比べると、陸地のなんと小さなことか。まるでパンケーキの真ん中にポツンと垂らしたチョコレートシロップ。僕は、あんな小さなところに住んでいるのか。あんな小さなところで偉そうなことを言っているのか。ぬるま湯程度のわがままをまき散らしながら。
船の上とはいえ、海のまっただ中を運ばれている今の僕に自由はない。この船が僕を海に放り投げて、「さあ、生意気盛りの高校生よ。わがまま好き放題を言えるものなら言ってみな」と冷笑すれば、お願いです助けてくださいと懇願するしかないだろう。それなりに生意気でわがままを言う高校生なんて、場所が変わればそんなものだ、プールに投げ込まれたアリのほうがよっぽど頼もしい存在だということが、ここに立っていれば理解できる。
もとはと言えば、僕のわがままから始まったプチ家出。それが、こんな展開になるなんて。
今僕は、どうして船に乗っているんだろうな。改めてそう考えたとき、急におかしさがこみ上げてきた。手すりに両腕を乗せ、その上にアゴを乗せてクツクツ笑っていたとき、菜々実が近づいてきた。
「なによ、気持ち悪いよ、公彦」菜々実が真横に立ち、僕の焦った顔をのぞき込む。「海を見て思い出に浸っているわけ? 女の一人旅的シチュエーションは、あんたには似合わないよ」
「ほっといてくれ」僕は赤面しているのをごまかすために、反対を向いた。熱い頬に潮風が優しい。「菜々実こそ、お菓子はもういいのか? 今のうちに食べておかないと、忙しくなるかもしれないよ」
「だいじょうぶ、あたしはどんな状況下に置かれても、食べるときは食べますから」菜々実が手すりにもたれたまま笑った。
数秒間の沈黙を破ったのは菜々実だ。
「ねえ公彦。静香さんに聞いたんだけど、このドライブのきっかけは、あんただってね」菜々実が首だけ僕のほうへ向ける。「どうして? そんなこと、ぜんぜん言っていなかったじゃない。急に思いついた?」
「いや、僕が企画したっていうか、計画したのは、プチ家出だよ。ドライブじゃない」
「家出? あんた家出をする気だったの?」驚いた菜々実が体ごとこっちを向く。「どうして?」
「家出じゃなくてプチ家出」僕は横目で菜々実をにらんだ。「プチをつけてくれ、プチを」
「わかったわかった。プチね、プチ家出ね」菜々実が面倒くさそうに手を振った。「で? そのプチ君をやろうと思ったわけは?」
僕は海を見つめた。波が白い腹を見せながら遠ざかっていく。菜々実がじっと僕の答えを待っているのを横顔に感じた。
「っておい、この間はやめてくれ。タメを作って期待させるほどのことなんて、なんにもないよ」僕はまた赤面する。「そんな、たいしたことじゃない。ただ、ちょっとさ、最近カッタルいことが多いから、気分転換にというか」
「へえ。あんた、気分転換で家出をするタイプだったっけ」菜々実が首をかしげる。「あ、ごめん。プチ家出だったね」
「そんなこと、改めて聞かないでくれよな。恥ずかしいだろ」僕は唇を尖らせた。「別に説明するほどのこともないんだよ。ほんとに、ちょっとした気分転換みたいなもので。それで、あの」
「高校生だもんね。気分なんて、あそこに浮かんでいる板切れのようなものでしょ」菜々実が波に揉まれながら漂っている木片を指差した。「あたしだってそんな気になること、しょっちゅうだし。みんなそうでしょ。ただ、やるかやらないかの問題でしょ。とはいっても、やる、やらないの間には、このくらいの隔たりがあるけどね」菜々実が両手を目一杯に広げた。Tシャツの袖から海風が侵入し、胸元をばたつかせた。
「いや、だからそんなたいしたことは」と僕はいいかけてやめた。この海の上には似つかわしくない言い訳だろうから。僕は少しだけ菜々実とベクトルの方向を近づけることにした。
「まあ、ネギのようなもんだよ」僕はくるりと海に背を向けて手すりにもたれた。目の下を人差し指でかく。
「ネギ? なにそれ」
「うちの母さんは味噌汁にネギを入れるのが大嫌いでさ。でも、逆に僕はネギが大好きときたもんだ。そこで好みが分かれる」
「意見が違うっていうの? なによ、そんなの、後で入れればいいだけの話じゃない。食べるときに、パッとネギだけ放り込めば」
「そういうことじゃなくてさ、なんていうか、物足りないんだと思う。人がこれがいいと思っているものが、僕には物足りない。母さんの完成品は、僕には物足りない。父さんの意見は、一応頭では理解してできる限り尊重するけど、しっくりこないことも多い。そんなことが多すぎるんだと思う。中学生の時に比べて、それは何倍もに膨れあがったように感じるんだ。まあ、自分の意見を言えばすむことなんだろうけど、それすらカッタルいことも多いし。だから、その」
「だから、プチ家出ってことなのね」菜々実が僕の言葉を引き継いだ。「それって、大人から見ればばかばかしくてたいしたことじゃないと思えるんだよね。でも、あたしたちにとってはそうじゃない」菜々実が微笑んだ。「あたしはわかるよ、その感覚。ま、ひとえにあんたが優しすぎるから余計に悩むのでしょうけど」
「そんなことはないけどさ」僕はまたそっぽを向いた。海風が方向を変えた。菜々実のシャンプーの香りが鼻をくすぐる。「SNS、趣味なんだけど。ツイッターとか」
「うん、知ってる」菜々実が歌うように言う。
「ああいうところって、言いたいことがなんでも言えて、意見を同じくする者同士で肩を組み、意見が異なる者とはガチに議論する。それをコクのあるラーメンとするなら、現実のふれあいは、家族にしても友人にしても、病院食のような薄味のラーメンなのかも知れない。カッタルさと物足りなさがない交ぜになって、もういい加減にしてくれとラーメン鉢をひっくり返しそうになるときがあるんだ」
「あ、その感覚、わかるかも」菜々実が腕を組む。「濃い味付けになれた人は、薄味の食事なんて食べられたものじゃないって、よく言うからね」
菜々実が僕の隣りに並んで手すりに背中をあずける。腕と腕が、微かに触れ合った。お互いが意識してのことなのか、数秒間の沈黙が僕と菜々実の間を流れた。
「ねえ公彦」菜々実が客室のほうを見ながら尋ねる。「あたしたち、付き合ってるよね?」
「え? うん、そうだね」僕は鼻の頭をかいた。目を向けたところに、缶コーヒーを飲む立石さんが見えた。
「あたしと付き合ってても、物足りない?」菜々実が自分の足元に視線を落とした。「あたしって、公彦にとって物足りない女の子なのかな」
僕は菜々実に目を向けた。彼女の首筋でほつれ毛が遊んでいる。ダメだ、口が麻痺したように、動かない。
なぜ、すぐに答えない? はやく答えろよ公彦。僕は自分を責めた。答えは言うまでもないことなのに。心の中で「そんなことない」と百回繰り返しても、すぐに答えられなかったことに対して「ごめん」と二百回繰り返しても、言葉が音となって口から出てこないのはなぜなんだろう。
それでも僕は歯を噛みしめて菜々実に向き直った。でも、言葉を発するよりも、彼女の動きのほうが速かった。
「ストップ!」菜々実は両手を前に出して僕を止めた。「ストップ、ストップ。言わなくていい。今度、聞くから。今はいいよ」
そう言って、菜々実が向こうを向いた。僕は自分を殴りたくなった。
そのとき、花ちゃんがデッキに出てきた。ミニひまわりのプランターを持っている。
「この子たちに海と空を見せてあげようと思って」花ちゃんが僕と菜々実を交互に見る。「あ、お邪魔でしたか?」
「ううん、ぜんぜん」菜々実が花ちゃんに駆け寄った。「ひまわり、太陽が大好きだものね。喜ぶね」
大好きという言葉が、妙に強調されて聞こえたのは気のせいだったのだろうか。
でも、もうそんなことを考える場面は終わった。ページはめくられ、僕たちのドラマは次々と進んでいくのだろう。
僕はミニひまわりのうれしそうな表情を見るために、プランターの前にかがみ込んだ。
船の後方にある手すりにもたれ、すでに豆粒ほどに小さくなっている陸地に目を向ける。大きな海と比べると、陸地のなんと小さなことか。まるでパンケーキの真ん中にポツンと垂らしたチョコレートシロップ。僕は、あんな小さなところに住んでいるのか。あんな小さなところで偉そうなことを言っているのか。ぬるま湯程度のわがままをまき散らしながら。
船の上とはいえ、海のまっただ中を運ばれている今の僕に自由はない。この船が僕を海に放り投げて、「さあ、生意気盛りの高校生よ。わがまま好き放題を言えるものなら言ってみな」と冷笑すれば、お願いです助けてくださいと懇願するしかないだろう。それなりに生意気でわがままを言う高校生なんて、場所が変わればそんなものだ、プールに投げ込まれたアリのほうがよっぽど頼もしい存在だということが、ここに立っていれば理解できる。
もとはと言えば、僕のわがままから始まったプチ家出。それが、こんな展開になるなんて。
今僕は、どうして船に乗っているんだろうな。改めてそう考えたとき、急におかしさがこみ上げてきた。手すりに両腕を乗せ、その上にアゴを乗せてクツクツ笑っていたとき、菜々実が近づいてきた。
「なによ、気持ち悪いよ、公彦」菜々実が真横に立ち、僕の焦った顔をのぞき込む。「海を見て思い出に浸っているわけ? 女の一人旅的シチュエーションは、あんたには似合わないよ」
「ほっといてくれ」僕は赤面しているのをごまかすために、反対を向いた。熱い頬に潮風が優しい。「菜々実こそ、お菓子はもういいのか? 今のうちに食べておかないと、忙しくなるかもしれないよ」
「だいじょうぶ、あたしはどんな状況下に置かれても、食べるときは食べますから」菜々実が手すりにもたれたまま笑った。
数秒間の沈黙を破ったのは菜々実だ。
「ねえ公彦。静香さんに聞いたんだけど、このドライブのきっかけは、あんただってね」菜々実が首だけ僕のほうへ向ける。「どうして? そんなこと、ぜんぜん言っていなかったじゃない。急に思いついた?」
「いや、僕が企画したっていうか、計画したのは、プチ家出だよ。ドライブじゃない」
「家出? あんた家出をする気だったの?」驚いた菜々実が体ごとこっちを向く。「どうして?」
「家出じゃなくてプチ家出」僕は横目で菜々実をにらんだ。「プチをつけてくれ、プチを」
「わかったわかった。プチね、プチ家出ね」菜々実が面倒くさそうに手を振った。「で? そのプチ君をやろうと思ったわけは?」
僕は海を見つめた。波が白い腹を見せながら遠ざかっていく。菜々実がじっと僕の答えを待っているのを横顔に感じた。
「っておい、この間はやめてくれ。タメを作って期待させるほどのことなんて、なんにもないよ」僕はまた赤面する。「そんな、たいしたことじゃない。ただ、ちょっとさ、最近カッタルいことが多いから、気分転換にというか」
「へえ。あんた、気分転換で家出をするタイプだったっけ」菜々実が首をかしげる。「あ、ごめん。プチ家出だったね」
「そんなこと、改めて聞かないでくれよな。恥ずかしいだろ」僕は唇を尖らせた。「別に説明するほどのこともないんだよ。ほんとに、ちょっとした気分転換みたいなもので。それで、あの」
「高校生だもんね。気分なんて、あそこに浮かんでいる板切れのようなものでしょ」菜々実が波に揉まれながら漂っている木片を指差した。「あたしだってそんな気になること、しょっちゅうだし。みんなそうでしょ。ただ、やるかやらないかの問題でしょ。とはいっても、やる、やらないの間には、このくらいの隔たりがあるけどね」菜々実が両手を目一杯に広げた。Tシャツの袖から海風が侵入し、胸元をばたつかせた。
「いや、だからそんなたいしたことは」と僕はいいかけてやめた。この海の上には似つかわしくない言い訳だろうから。僕は少しだけ菜々実とベクトルの方向を近づけることにした。
「まあ、ネギのようなもんだよ」僕はくるりと海に背を向けて手すりにもたれた。目の下を人差し指でかく。
「ネギ? なにそれ」
「うちの母さんは味噌汁にネギを入れるのが大嫌いでさ。でも、逆に僕はネギが大好きときたもんだ。そこで好みが分かれる」
「意見が違うっていうの? なによ、そんなの、後で入れればいいだけの話じゃない。食べるときに、パッとネギだけ放り込めば」
「そういうことじゃなくてさ、なんていうか、物足りないんだと思う。人がこれがいいと思っているものが、僕には物足りない。母さんの完成品は、僕には物足りない。父さんの意見は、一応頭では理解してできる限り尊重するけど、しっくりこないことも多い。そんなことが多すぎるんだと思う。中学生の時に比べて、それは何倍もに膨れあがったように感じるんだ。まあ、自分の意見を言えばすむことなんだろうけど、それすらカッタルいことも多いし。だから、その」
「だから、プチ家出ってことなのね」菜々実が僕の言葉を引き継いだ。「それって、大人から見ればばかばかしくてたいしたことじゃないと思えるんだよね。でも、あたしたちにとってはそうじゃない」菜々実が微笑んだ。「あたしはわかるよ、その感覚。ま、ひとえにあんたが優しすぎるから余計に悩むのでしょうけど」
「そんなことはないけどさ」僕はまたそっぽを向いた。海風が方向を変えた。菜々実のシャンプーの香りが鼻をくすぐる。「SNS、趣味なんだけど。ツイッターとか」
「うん、知ってる」菜々実が歌うように言う。
「ああいうところって、言いたいことがなんでも言えて、意見を同じくする者同士で肩を組み、意見が異なる者とはガチに議論する。それをコクのあるラーメンとするなら、現実のふれあいは、家族にしても友人にしても、病院食のような薄味のラーメンなのかも知れない。カッタルさと物足りなさがない交ぜになって、もういい加減にしてくれとラーメン鉢をひっくり返しそうになるときがあるんだ」
「あ、その感覚、わかるかも」菜々実が腕を組む。「濃い味付けになれた人は、薄味の食事なんて食べられたものじゃないって、よく言うからね」
菜々実が僕の隣りに並んで手すりに背中をあずける。腕と腕が、微かに触れ合った。お互いが意識してのことなのか、数秒間の沈黙が僕と菜々実の間を流れた。
「ねえ公彦」菜々実が客室のほうを見ながら尋ねる。「あたしたち、付き合ってるよね?」
「え? うん、そうだね」僕は鼻の頭をかいた。目を向けたところに、缶コーヒーを飲む立石さんが見えた。
「あたしと付き合ってても、物足りない?」菜々実が自分の足元に視線を落とした。「あたしって、公彦にとって物足りない女の子なのかな」
僕は菜々実に目を向けた。彼女の首筋でほつれ毛が遊んでいる。ダメだ、口が麻痺したように、動かない。
なぜ、すぐに答えない? はやく答えろよ公彦。僕は自分を責めた。答えは言うまでもないことなのに。心の中で「そんなことない」と百回繰り返しても、すぐに答えられなかったことに対して「ごめん」と二百回繰り返しても、言葉が音となって口から出てこないのはなぜなんだろう。
それでも僕は歯を噛みしめて菜々実に向き直った。でも、言葉を発するよりも、彼女の動きのほうが速かった。
「ストップ!」菜々実は両手を前に出して僕を止めた。「ストップ、ストップ。言わなくていい。今度、聞くから。今はいいよ」
そう言って、菜々実が向こうを向いた。僕は自分を殴りたくなった。
そのとき、花ちゃんがデッキに出てきた。ミニひまわりのプランターを持っている。
「この子たちに海と空を見せてあげようと思って」花ちゃんが僕と菜々実を交互に見る。「あ、お邪魔でしたか?」
「ううん、ぜんぜん」菜々実が花ちゃんに駆け寄った。「ひまわり、太陽が大好きだものね。喜ぶね」
大好きという言葉が、妙に強調されて聞こえたのは気のせいだったのだろうか。
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