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使用人

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「旦那様から聞いております。今日からゴミ出しと寝具の洗濯の仕事をしてください。」

「わかりました。」

洗濯は服なら家の中にある洗濯機で行うが、シーツは屋外の洗濯機で行い、外に干す。ゴミ出しも力もいるし家から離れたところにあるゴミ出し上まで持っていかなければならない。

「1日1回、昼食が出ますが午前中に仕事が終わらなければ食事はなしと仰せつかっております。」

そもそも一食ってことか。今回のことは相当父様怒っているってことか。
僕関与してないし、結婚も父様が決めたのに。

そんなこと考えても仕方ないからと早速仕事に取り掛かる。
外での作業は本当に辛い。肌寒い季節になってきたから手が悴む。

手を真っ赤にしながら作業を終わらせ何とか昼食にありつけた。

渡された昼食は食パン一切れに野菜のみのスープ、少量の焼き魚、ヨーグルト。

明日の昼までこれで持たせなければいけない。勝俣さんのところに行く前は同じような食事だったんだから大丈夫。
勝俣さんは3食用意してくれたが僕は食べられなかった。何年もの生活で胃の容量が少ないんだと思う。

今日の仕事は終わったので昼食を持って小屋に帰る。

「ただいま」

そう言って小屋に入ると2匹がすり寄ってきてくれた。

「お前たちにも餌あげるからな~」

僕は昨日買っておいた猫の餌を2匹にあげる。
焼き魚も骨を取って2匹の餌皿に入れてやる。

「お。食いつきいいな。魚美味しいか?明日は魚かわからないけど、また魚だったらあげるからな~」

猫の体温が暖かいので撫でていると悴んだ手が少しマシに思えてくる。

夜になる前に風呂入るか。

俺が使っていい風呂は家族が使う風呂ではなくて、玄関横に設置されている水道だ。囲いがされているので外から見えることはない。そこにホースを繋げて洗車などをするための水道。

もちろん、お湯なんて出ない。お義母様たちがきてからはずっとこれを使っている。だから勝俣さんのところでお湯を使えたのは本当に嬉しかった。

また水に逆戻りだ。

だから僕は火が傾く前に風呂に入る。
特に冬場は夜に入ると死んでしまうから。

「う、冷た、、」

冷たいのを我慢して我慢して入る。
早く小屋に戻って暖を取りたい。
猫たちを抱きしめると僕が冷たすぎてあの子たちが風邪をひいたらダメだから、体温が少し上がってから抱きしめよう。

きっと死ぬまでこんな日々が続く。
お母さん、早く迎えにきて。
僕もう、辛いかどうかもわからなくなっちゃったよ。

明日が楽しみとか、憂鬱とか、そんなことも思わない。
ただただ時間が過ぎていくだけだ。
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