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当日 れおんside
しおりを挟むパーティーの当日。
俺は泰生と共に会場に来ていた。
俺も泰生も日本のトップ財閥の長男。
将来的には俺たちがそのトップに立つことになる。
そのため会場についてすぐには挨拶回りに忙しい。だがその中でも気を張って奴らがどこにいるのかをチェックする。
「南君。久しぶりだね。」
「はい。いつもお世話になっています。お久しぶりです。」
「若い君がこんなにしっかりしているなら南財閥も安泰だな。・・君はまだ婚約者がいなかっただろう?今日は娘も連れてきているから挨拶にと思ったんだが、どうかね?」
はぁ、今日何回目だよこれ。
「申し訳ありませんが、公表していないだけで心に決めた相手がおりますので」
この言葉言うも何回目だよ。
俺には周以外いらないのに。
「れおん、さっき接触した。お前のとこにもくるかもしれねえぞ?」
「何て言ってきた?」
「お前の予想通りだ。処理に困ったら使える奴がいるがどうかってな。」
反吐が出る。
怒りでどうにかなりそうだがココは抑えろ。
「南財閥の南れおんさんですな?私増田コーポレーションの代表取締役の増田宗二と申します。以後お見知り置きを。」
「南れおんと申します。こちらこそ、よろしくお願い致します。」
周の、父親。
「日本に最近帰って来られたとか?いやぁ、私としましては、今後も南財閥様と仲良くしていきたいと考えておりまして、お近づきの印に我が家の次男を貸し出そうかと。」
「貸し出し?」
「はい、10歳の頃から下の方を仕込んでおりますので、若い方もご満足いただけるかと、何人もの方のお墨付きを頂いてますよ?」
「つまり、娼婦のように扱っていいと?」
「えぇ、死にさえしなければ何をしても構いません。あまり表にできないようなご趣味を持つ方に大変人気でございまして、ここだけの話、蓮見様から引き取りたいとも言っていただけているほどです。」
蓮見、、あいつの元に行き無事に帰ってきたやつはいないと聞く。
屋敷内で何が行われているか誰もわからないが、いい噂は聞かない。
そんなところに平気で自分の子供をやろうというのか。
反吐が出る。
周、お前と血が繋がっているかもしれないがお前を傷つけた時点で俺の敵なんだ。
---バシャッ
「反吐が出る。」
周りがざわざわしている。そりゃそうだろ。俺がこの男の頭にワインをかけたのだから。
「っ、!きさま!!何をする!!失礼だろうが!!!!」
「どちらが失礼だ。お前の方が私の何倍も失礼だと思うが?
おい、!」
「はい。こちらにお持ちしています。」
先程の会話をマイク越しに再生すると、周りのざわめきが大きくなった。
目の前の増田宗二は顔面蒼白。
まさか録音されているとは思っていなかったんだろう。
日本の要人も多く集まるこのパーティーで自分のしたことをばらされたのだから。
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