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言いたくない
しおりを挟む「・・・番の人に言わないの?いじめられてること。」
「・・・・・・言わない。」
「なんでか聞いても良い?」
「絶対に何か対策してくれるから。れおんにこれ以上迷惑かけられない。」
「きっと頼って欲しいって思ってるんじゃないの?分かんないけどさ。」
うん。れおんならきっとそう思ってる。
だから余計に言えない。家のことでたくさん迷惑かけた。なのに、学校にも通わせてもらってる。その学校が嫌になってるなんて言えないよ。
「僕には恋人がいたことないから分からないけどさ、友達の僕ですら頼って欲しいって思ってるもん。秘密にされるの嫌かもよ?」
「それでも、、言いたくない。」
「そっか。じゃあ僕には辛い時は辛いって言ってくれる?」
「言っても良いの?」
「うん。言って欲しい。僕も言うから。」
「・・・ありがとう。」
先生がなかなか戻ってこないから、鈴木くんは授業をサボってずっと僕と話をしてくれていた。鈴木くんの弟や妹の話が微笑ましくてずっと聞いていられた。
---ガラガラッ
急に扉が開いたから少し驚きながら扉に目をやると、
「君は、神谷くん?」
そこには神谷くんが立っていた。あ、僕のカバン持ってきてくれたのかな?
「かばん。早退するから荷物持ってけって先生が。他の奴らならちゃんと持ってこねえだろうから俺が持ってきただけ。」
「あ、ありがとう!!」
「・・・鈴木もいたんだな。特待生2人がそろって授業サボるなんてな。」
確かに、特待生だから真面目なはずなのに2人揃ってここでおしゃべりしてたもんな。
「・・・うん、、。増田くんが心配だったから。」
「怪我したんだっけか?大丈夫なのか?」
「うん、一応これから病院行ってくる。」
神谷くんってこんなに喋る子だっけ?
ほとんど初めて話したんだけど、すっごい話してくれる。これまで翔くんとしか話してこなかったからクラスメイトと話してるって感じがして嬉しい。
「そうか。大事にな。鈴木は次の授業は戻るんだろ?」
「・・・うん。増田くん、僕行くね!お大事にね!!無理して学校来ちゃダメだよ!!」
「鈴木くん!ありがとう!あ、神谷くんも!!」
「・・・増田。あいつらは、常習犯だ。しかも、複数でやってるから罪の意識がない。もっとひどくなるかもしれねえぞ?」
「・・・うん。大丈夫。」
2人がいなくなった保健室は静かだ。
学校ってこんなに静かだったんだなって今初めて思った。
さっき神谷くんが言ってた常習犯って言葉、少し気になるな。
---ガラガラッ
「周!!!!」
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