【完結】全てが嫌いな不憫Ωの少年が初恋相手のスパダリαに愛される？ふざけんなお前のことなんか大っ嫌いだ！

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調査内容 橋本side

「では、調査した結果をお伝えします。」

私のすぐ近くには先程再開した周様。以前の食事も満足に与えられず、暴力も受けボロボロだった体はれおん様と暮らしたことでまだまだ細いが健康な体になった周様は年々奥様に似てきている。

笑った顔は特に。

今後は周様のおそばでお仕えできる。こんな幸せなことはない。

あの日、村重さんが私に証言を頼むため尋ねてきた日。

あの日から私の運命は変わった。家族を人質にされいうことを聞くしかできなかったあの日々から抜け出すことができた。私の罪は一生をかけて償っていくものだが、こうして近くで償えることは幸せに思う。


「あの家の借金の額は1億ほどございました。周様との養子縁組は南家の財産目当てで間違いないかと思われます。増田の家に私が勤めていたとき、奥様が生きておられた間あの方々が訪ねてきたのは一度だけです。奥様が嫁いで間もない頃、少し金を工面してくれというものでした。奥様はお断りしていましたが、その頃から少しずつ事業が傾いていたのでしょう。それに、、、」

少し言いづらく、口が篭る。

「僕に言いづらいことですか？いいよ、大丈夫だから。」

そう周様がおっしゃるので電話をしていた奥様の話をした。

「実は、周様が産まれて半年ほどが経ったときに奥様が孫を見にこないかと電話をされたんですがお2人は金を工面してくれない娘とはもう会わないと言って電話を切られてしまったようでした。寝ている周様に向かっておじいちゃんおばあちゃんに会わせれなくてごめんねと言っているのを聞きました。」

周様は少し落ち込んでいたが、すかさずれおん様が手を握ったことで周様の頭はみんなの前で手を握られているという恥ずかしさでいっぱいになったようでれおん様に怒っていた。



---ねぇ、橋本？周の初恋の相手、れおん君っていうんだって。その子でも誰でもいいから、将来周が結婚する相手は周のことを幸せにしてくれる相手だといいな。私はその相手を見られないだろうから、橋本が周に相応しいかちゃんと見てよね！！ダメなやつだったらちゃんと周に反対してね！私の代わりに！！

亡くなる前に奥様がそう言っていた。奥様、周様は初恋のお相手のれおん様と幸せに暮らしています。卒業されてからのご結婚のようですが、反対なんてとんでもない。お似合いのお二人です。

「周様、れおん様とお幸せそうで何よりです。奥様もきっと喜んでますね。」

2人の姿が微笑ましくてついそう言ってしまった。

「うん！！！」

その笑顔が本当に、奥様に似ていた。




---ピンポーン

この家にアポ無しのお客様なんて珍しい。