【完結】全てが嫌いな不憫Ωの少年が初恋相手のスパダリαに愛される？ふざけんなお前のことなんか大っ嫌いだ！

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妊娠

「おめでとうございます。妊娠3ヶ月ですよ。」

「あ、ありがとうございますっ。」

朝イチで病院に来て、検査をした。本当にいるんだ。ここに、僕とれおんの子供が。

「ほらこれ見える？これが赤ちゃんよ。まだ小さいけどね。18歳とのことだけど、出産はしますか？」

「はい！！産みます！！」

「うん！元気でよろしい！じゃあ、今日病院が終わったら市役所に母子手帳をもらいに行ってね？」

すごく優しそうな先生でよかった。昨日れおんが口コミのいい産婦人科を探してくれたから。

「そろそろ悪阻も始まると思うわ。どうしてもご飯が食べられなかったり吐いて栄養が取れそうになかったら病院を受診してね？」

悪阻か、、、。

まだちょっと気持ち悪いくらいだけど、これがもっとひどくなるかもしれないのか。

僕は不安でいっぱいな分、れおんは先生に妊娠中に気をつけることなどを聞いてくれてなんだか2人でこれから頑張るって感じがして嬉しくなった。

「いい先生でよかったね。」

「うん！れおん、探してくれてありがとう。」

「俺ができるサポートはなんでもするから言って。体の負担をかけてしまう分出来ることはしたいんだ。」

妊娠が分かってから一貫してそう言ってくれる。妊娠のこと調べてると夫婦間でのトラブルとかも出てきて、それも不安材料の一つになっていたんだけどれおんなら心配ないって自信を持って言える。

「れおん、僕今日学校行ってくる。受験しないって言ってくる。」

「本当に、、いいの？その、ごめん、大学行って欲しいとかそういうんじゃなくて、、、俺は周をこの家に連れてきた時に周がしたいと思ったことは全部して欲しい。そのために全力を尽くすって決めてたから。」

「うん、僕はれおんの力を借りてやりたいことたくさんできたよ。勉強だってできたし、友達もできた。全部欲しかったものだけど、ずっとずっと欲しかったものがある。血の繋がった家族にやっぱりどこか憧れがあった。お義父さんもお義母さんもいるけど、どうしても羨ましく思えてしまった。だから、僕に家族をくれてありがとう！！！」

僕もれおんもまだ18歳。

成人はしたけどお酒も飲めないまだまだ子供と言われる年齢だ。きっと周囲の大人にたくさん頼るんだろうけど今人生で1番幸せ！！！

「お義父さんとお義母さんに報告行かなきゃね！」

「そうだね、週末に体調が良さそうだったら行こうか。」

「うん！」

「橋本さんも村重さんも喜んでくれるかな？」

「そりゃそうでしょ。村重は俺が小さい時から俺のお世話してくれてるし、橋本も周が小さい時から知っててしかも周のお母さんも知ってるんでしょ？泣くんじゃない？」

確かに、、、ありえるな。

妊娠が嬉しくて嬉しくて、マタニティライフ楽しみ～なんて呑気なことを考えてる僕だった。