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ザブマギウムの奇跡とは?
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唖然とした表情で私を見ているリサの額に口づけした。そうでもしないと 名残が消えない。
リチャードは なんとか思い止まった自分を誉めたい。どうも リサを前にすると誘惑に負けてしまいそうになる。
(危なかった……。よく我慢した!)
せっかく準備したのに 台無しにするところだった。
「デートしよう」
そう言ってテラスに視線を動かす。しかし、浮かない顔でリサが自分の姿を見下ろす。
***
私の為にわざわざ準備してくれたと思うと胸が膨らむ。
人生初のデートだ。だけどシーツ姿では……。
リチャードは気にしてないようだけど、私としては少しでも着飾りたい。贅沢は言わない。せめて女の子らしい服に着替えたい。
そう思っていると、
「もう買ってあるよ」
「えっ?」
リチャードがバチンとウインク
すると、クローゼットに消えて行く。
サラリと言ったけど、用意周到過ぎて怖い。どんな気持ちで買い物したのか想像すると 怖いような、おもしろような、変な気分だ。
もしかして私を口説き落とせる自信があったとか?
(………)
どちらにせよ、人間の服を買っておいてくれたことは、本音を言えばありがたい。
「リサ これ着てみて」
リチャードがクローゼットから洋服一式を持って出て来た。
大きな化粧箱の上には靴も乗っている。
「何時買ったの?」
「実はこの前街へ行った時内緒で買っておいたんだ」
気恥ずかしそうにポリポリと鼻の頭を掻いて私の視線を避ける。
(まぁ、せっかくの好意だし……)
着替えるからと部屋からリチャードを追い出す。いくら親しくても やはり恥ずかしい。
どんな物を買ったのかと手渡された化粧箱を開ける。
「素敵……」
こっちに来て初めて服を着る。
デイドレスって言うやつかな?
スクエアカットの襟にウエストがキュッと締まった、ふんわりしたスカート。子供っぽいデザインだけどレースやプリントされている花の模様が大人っぽさを表している。綺麗な服を着られて楽しい。
(こう言うのってセンスがでるのよね……)
下着まである。驚いたが、抜かりが無いのがリチャードらしい。
キャミソールみたいなものだ。ブラジャーが無いと、何となく心もとない。それでも 久々に人間の服に袖を通すと安心する。
(やっぱりこう言う方がしっくりする)
ドレスと同じ色の華奢なミュールもマッチして良い感じ。
鏡の前で一回転するとスカートが遅れて付いて来る。
こう言う服は着慣れない。ドレスなど、結婚式か謝恩会に出席する時しか着ない。
リチャードの見立てだけど、似合っているか心配だ。
(自分では良いと思うけど……)
リチャードはどう思うかな?
ドアを開けて着替えを待っていたリチャードと合流する。
「着替えは終わったかい」
「……ええ」
リチャードが部屋に入って来ると私を見て目を見開く。
「とっても似合ってるよ」
見た途端、熱っぽく言われて嬉しくて口角が上がる。
「あっ……ありがとう」
何時も猫の姿だから、こうしておめかしした姿で会うと気恥ずかしい。意味も無くドレスの皺を伸ばす。こういう時何て言って良いのか分からない。戸惑う私とは反対に慣れた仕草で私に手を差し出す。
「お手をどうぞ」
「はい」
こう言うところがジェントルマンだ。
**
空には月、夜風がそよそよと吹いて髪をなでる。目の前にはスパダリ。 手にはワイン。完璧な大人のデートだ。
それなのにリチャードが 残念そうな顔をする。
「初デートが ここですまない。村ならレストランがあるんだけど行きづらくて……」
「私は ここで十分よ」
そんなの気にしないと首を横に振る。一番重要なのは誰とするかということだ。スウェットの上下を着て、公園で缶ビールでも相手がリチャードなら構わない。
「村に行くと四季の森へ案内しろと 付きまとわれてるんだ」
(四季!?)
「もしかして 春夏秋冬が ぐるりと 取り囲んでるところ?」
「ああ そうだ。もしかしてリサ……」
「はい。そこから来ました」
やっぱりあそこが転生者を連れてくる場所だったんだ。だから奇跡の猫と言われるのかも。
ワインを飲んでいたはずなのに気付けば膝枕されていた。
(酔っぱらちゃたかな)
リチャードが私の髪を摘まんではサラサラと落として弄んでいる。
「リサは昔の事を何も話さないけど、忘れてしまった訳じゃないんだろう」
そう聞かれ初めて元の世界に帰りたいとか、両親は心配しているんじゃないかとか、考えた事が一度も無かった事に気付いた。
(どうしてだろう……)
もう二度と会えないと悲しんだり、絶望したりする気持ちも無い。心は凪いでいる。
「多分。自分が死んだって言う自覚が無いからかな」
髪の毛の色以外、瞳も体も声も前の世界のままだ。転生と言うより転送? ……召喚? に近いのかな? だから、何時でも帰れるって思っているかもしれない。
「もし……」
リチャードの一瞬の沈黙からくる恐れを感じる。
「戻れるなら戻りたいかい?」
う~ん。どうだろう? 親が恋しくないかと聞かれたら恋しい。
だけど、それにこだわって今ある生活をないがしろにしたくない。
薄情なようだが、 リチャード達が私の家族だ。
「ううん。残る」
「約束だよ」
リチャードがそう言って髪を一房掴むと髪にキスした。冗談めかして言っているけど目は真剣だ。
クルリと体を反転させるとリチャードの鼻先にチュッとキスをする。
「約束」
しかしリチャードが不満そうな顔で自分の唇を指差す。
「それならこっち」
そう言って催促するように唇を突き出す。おかしな我儘に付き合って唇にチュッとキスした。
すると、リチャードが満足気な顔をする。それがおかしくて、ぷっと噴出してしまった。キスする場所など何処でも同じなのに。
鳥のさえずりに目を開けると、寝る前までは確かに人間の姿だったのに猫の体に戻っている。
(頭が痛い…… 二日酔いだ)
調子に乗って 何か仕出かして
ないといいけど……。
***
ジャンプしてベッドにダイブした。ぽふっと 跳ね返ってくる。
一度してみたかったのよね。気持ち良い。キングサイズのベッドを独り占め。
大の字になって天井を見上げる。
(………)
その楽しい気持ちも直ぐに消えてしまった。惰眠をむさぼるのも一週間もすると、このペット生活に飽きた。
「暇だー」
ゴロゴロと両手両足を伸ばして人間みたいにベッドの端から端まで転げまわる。
人間の娯楽を知っている私にとって 寝たり 虫を追い駆けたりする生活はすぐ興味が失せた。
自然を謳歌するのは三日で良い。根っからの都会人だ。
夏休みや正月休みの長期休暇かも、暇潰すものがあるからもっと休みたいと思うんだ。
だけど、ゲームもスマホもテレビも本もマンガも小説もない。
つまり人間にとっての娯楽が無い。
(こっちの文字が読めないから新聞も読めない)
ひとり遊びしようにも道具が無い。猫が構って欲しがる気持ちがよく分かる。猫も暇なのだ。このままじゃ暇で死にそう。
(………)
そうだ。
マーカスの所へ行こう。大人たちは忙しくても、子供のマーカスなら相手にしてくれる。
マーカスの部屋を訪ねた。こっちの世界の貴族の子息は十二歳になったら寄宿学校に行く。それまでは自宅で家庭教師をつけて勉強するらしい。勉強中かな? そっとドアを押し開けて中を覘く。
自習しているのか本を読んでいる。私に気付くと直ぐに手招きすした。
「リサ、ここを見て」
マーカスがそう言いて説明文の箇所を指差す。
そう言われても文字が読めない。
「ここには奇跡って書いてあるでしょ。リサはどんな奇跡を起こせるの?」
『………』
そんな事を言われても……私の方こそ知りたい。マーカスの期待している目にたじろぐ。ザブマギウムだと自覚したばかりだ。
答えられるはずがない。でも、秘密の匂いがする。前脚で立ちあがると自分も図鑑を見る。
「う~ん」
マーカスが腕を組んで考え出した。普通に考えれば聖なる力みたいなものかな? でも、猫の私にそんな力が?
マーカスが図鑑に目を落とすと、解説文を指でなぞりながら読み始めた。
「猫の見た目、犬の忠誠心、人間の知恵。それと」
大人しく膝を折って座ると、それを見ていたが、途中で読むのを止めると顎に指を当てて考え込んだ。他にも何か気になる文でも書いてあったのだろうか?
深刻そうな顔だ。
「う~ん」
どうしたのと首を傾げて見ると、急にスクッとマーカスが立ち上がると、パタンと図鑑を閉じた。
そして、小脇に抱えると部屋を出て行ってしまった。
何? 何? 何処へ行く気だろう。
自分も部屋を出ると、トトン、トトンと スキップするみたいに興味津々でマーカスの後をついて行く。一体どこへ行く気だろう? すると、立ち止まった。
リチャードは なんとか思い止まった自分を誉めたい。どうも リサを前にすると誘惑に負けてしまいそうになる。
(危なかった……。よく我慢した!)
せっかく準備したのに 台無しにするところだった。
「デートしよう」
そう言ってテラスに視線を動かす。しかし、浮かない顔でリサが自分の姿を見下ろす。
***
私の為にわざわざ準備してくれたと思うと胸が膨らむ。
人生初のデートだ。だけどシーツ姿では……。
リチャードは気にしてないようだけど、私としては少しでも着飾りたい。贅沢は言わない。せめて女の子らしい服に着替えたい。
そう思っていると、
「もう買ってあるよ」
「えっ?」
リチャードがバチンとウインク
すると、クローゼットに消えて行く。
サラリと言ったけど、用意周到過ぎて怖い。どんな気持ちで買い物したのか想像すると 怖いような、おもしろような、変な気分だ。
もしかして私を口説き落とせる自信があったとか?
(………)
どちらにせよ、人間の服を買っておいてくれたことは、本音を言えばありがたい。
「リサ これ着てみて」
リチャードがクローゼットから洋服一式を持って出て来た。
大きな化粧箱の上には靴も乗っている。
「何時買ったの?」
「実はこの前街へ行った時内緒で買っておいたんだ」
気恥ずかしそうにポリポリと鼻の頭を掻いて私の視線を避ける。
(まぁ、せっかくの好意だし……)
着替えるからと部屋からリチャードを追い出す。いくら親しくても やはり恥ずかしい。
どんな物を買ったのかと手渡された化粧箱を開ける。
「素敵……」
こっちに来て初めて服を着る。
デイドレスって言うやつかな?
スクエアカットの襟にウエストがキュッと締まった、ふんわりしたスカート。子供っぽいデザインだけどレースやプリントされている花の模様が大人っぽさを表している。綺麗な服を着られて楽しい。
(こう言うのってセンスがでるのよね……)
下着まである。驚いたが、抜かりが無いのがリチャードらしい。
キャミソールみたいなものだ。ブラジャーが無いと、何となく心もとない。それでも 久々に人間の服に袖を通すと安心する。
(やっぱりこう言う方がしっくりする)
ドレスと同じ色の華奢なミュールもマッチして良い感じ。
鏡の前で一回転するとスカートが遅れて付いて来る。
こう言う服は着慣れない。ドレスなど、結婚式か謝恩会に出席する時しか着ない。
リチャードの見立てだけど、似合っているか心配だ。
(自分では良いと思うけど……)
リチャードはどう思うかな?
ドアを開けて着替えを待っていたリチャードと合流する。
「着替えは終わったかい」
「……ええ」
リチャードが部屋に入って来ると私を見て目を見開く。
「とっても似合ってるよ」
見た途端、熱っぽく言われて嬉しくて口角が上がる。
「あっ……ありがとう」
何時も猫の姿だから、こうしておめかしした姿で会うと気恥ずかしい。意味も無くドレスの皺を伸ばす。こういう時何て言って良いのか分からない。戸惑う私とは反対に慣れた仕草で私に手を差し出す。
「お手をどうぞ」
「はい」
こう言うところがジェントルマンだ。
**
空には月、夜風がそよそよと吹いて髪をなでる。目の前にはスパダリ。 手にはワイン。完璧な大人のデートだ。
それなのにリチャードが 残念そうな顔をする。
「初デートが ここですまない。村ならレストランがあるんだけど行きづらくて……」
「私は ここで十分よ」
そんなの気にしないと首を横に振る。一番重要なのは誰とするかということだ。スウェットの上下を着て、公園で缶ビールでも相手がリチャードなら構わない。
「村に行くと四季の森へ案内しろと 付きまとわれてるんだ」
(四季!?)
「もしかして 春夏秋冬が ぐるりと 取り囲んでるところ?」
「ああ そうだ。もしかしてリサ……」
「はい。そこから来ました」
やっぱりあそこが転生者を連れてくる場所だったんだ。だから奇跡の猫と言われるのかも。
ワインを飲んでいたはずなのに気付けば膝枕されていた。
(酔っぱらちゃたかな)
リチャードが私の髪を摘まんではサラサラと落として弄んでいる。
「リサは昔の事を何も話さないけど、忘れてしまった訳じゃないんだろう」
そう聞かれ初めて元の世界に帰りたいとか、両親は心配しているんじゃないかとか、考えた事が一度も無かった事に気付いた。
(どうしてだろう……)
もう二度と会えないと悲しんだり、絶望したりする気持ちも無い。心は凪いでいる。
「多分。自分が死んだって言う自覚が無いからかな」
髪の毛の色以外、瞳も体も声も前の世界のままだ。転生と言うより転送? ……召喚? に近いのかな? だから、何時でも帰れるって思っているかもしれない。
「もし……」
リチャードの一瞬の沈黙からくる恐れを感じる。
「戻れるなら戻りたいかい?」
う~ん。どうだろう? 親が恋しくないかと聞かれたら恋しい。
だけど、それにこだわって今ある生活をないがしろにしたくない。
薄情なようだが、 リチャード達が私の家族だ。
「ううん。残る」
「約束だよ」
リチャードがそう言って髪を一房掴むと髪にキスした。冗談めかして言っているけど目は真剣だ。
クルリと体を反転させるとリチャードの鼻先にチュッとキスをする。
「約束」
しかしリチャードが不満そうな顔で自分の唇を指差す。
「それならこっち」
そう言って催促するように唇を突き出す。おかしな我儘に付き合って唇にチュッとキスした。
すると、リチャードが満足気な顔をする。それがおかしくて、ぷっと噴出してしまった。キスする場所など何処でも同じなのに。
鳥のさえずりに目を開けると、寝る前までは確かに人間の姿だったのに猫の体に戻っている。
(頭が痛い…… 二日酔いだ)
調子に乗って 何か仕出かして
ないといいけど……。
***
ジャンプしてベッドにダイブした。ぽふっと 跳ね返ってくる。
一度してみたかったのよね。気持ち良い。キングサイズのベッドを独り占め。
大の字になって天井を見上げる。
(………)
その楽しい気持ちも直ぐに消えてしまった。惰眠をむさぼるのも一週間もすると、このペット生活に飽きた。
「暇だー」
ゴロゴロと両手両足を伸ばして人間みたいにベッドの端から端まで転げまわる。
人間の娯楽を知っている私にとって 寝たり 虫を追い駆けたりする生活はすぐ興味が失せた。
自然を謳歌するのは三日で良い。根っからの都会人だ。
夏休みや正月休みの長期休暇かも、暇潰すものがあるからもっと休みたいと思うんだ。
だけど、ゲームもスマホもテレビも本もマンガも小説もない。
つまり人間にとっての娯楽が無い。
(こっちの文字が読めないから新聞も読めない)
ひとり遊びしようにも道具が無い。猫が構って欲しがる気持ちがよく分かる。猫も暇なのだ。このままじゃ暇で死にそう。
(………)
そうだ。
マーカスの所へ行こう。大人たちは忙しくても、子供のマーカスなら相手にしてくれる。
マーカスの部屋を訪ねた。こっちの世界の貴族の子息は十二歳になったら寄宿学校に行く。それまでは自宅で家庭教師をつけて勉強するらしい。勉強中かな? そっとドアを押し開けて中を覘く。
自習しているのか本を読んでいる。私に気付くと直ぐに手招きすした。
「リサ、ここを見て」
マーカスがそう言いて説明文の箇所を指差す。
そう言われても文字が読めない。
「ここには奇跡って書いてあるでしょ。リサはどんな奇跡を起こせるの?」
『………』
そんな事を言われても……私の方こそ知りたい。マーカスの期待している目にたじろぐ。ザブマギウムだと自覚したばかりだ。
答えられるはずがない。でも、秘密の匂いがする。前脚で立ちあがると自分も図鑑を見る。
「う~ん」
マーカスが腕を組んで考え出した。普通に考えれば聖なる力みたいなものかな? でも、猫の私にそんな力が?
マーカスが図鑑に目を落とすと、解説文を指でなぞりながら読み始めた。
「猫の見た目、犬の忠誠心、人間の知恵。それと」
大人しく膝を折って座ると、それを見ていたが、途中で読むのを止めると顎に指を当てて考え込んだ。他にも何か気になる文でも書いてあったのだろうか?
深刻そうな顔だ。
「う~ん」
どうしたのと首を傾げて見ると、急にスクッとマーカスが立ち上がると、パタンと図鑑を閉じた。
そして、小脇に抱えると部屋を出て行ってしまった。
何? 何? 何処へ行く気だろう。
自分も部屋を出ると、トトン、トトンと スキップするみたいに興味津々でマーカスの後をついて行く。一体どこへ行く気だろう? すると、立ち止まった。
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