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それは 愛なのか?
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人間ばかりの中で、居心地悪さを感じながらも フローラを待っていると、 見知らぬ老人に声をかけられた。
「それなのに痛くないのは、何故か? 」
「何故だ」
答えが知りたくて身を乗り出して聞くと、老人が面白そうに笑う。
「笑ってないで、さっさと言え! 」 「そんなの 、決まっているだろう。 お互いに愛しているから受け入れられるんだ」
「そんなはずない! 」
ジャックはテーブルを打ち付けて、その答えを強く否定する。
( 嘘だ。 嘘だ。 嘘に決まってる)
そんなこと言ったら、出会った時からお互いに愛し合っていたことになる。
大きな声では言えないが、フローラの体に指骨を刺したのは 一度や、二度じゃない。
でも……それ以外に説明がつかない。
ならやはり、この老人の言う通りなのか? いや、でも……俺を騙しても何の得になる?
混乱したジャックは、見極めるように老人に視線を向ける。
ただの酔っ払いにしか見えない。
俺の視線にも、老人は素知らぬ顔で酒を飲んでいる。
つまり俺たちが、お互いに望めば 結婚して子供が生まれるのか?
自分の中に希望の光を見た。
しかし、すぐに常識というモノが、その光を遮る。
嘘なのか? ……真実なのか? どっちだ?
何も知らなければ、こんな切ない気持ちにならないのに……。
その年なら、 人に期待を持たせることが どんなに罪なことか 知らないわけじゃないだろうに。
「何で、そんな話を俺にする」
「言っただろう。 ひい爺さんに似てるって」
「………」
そんな言葉が信じられるものか。
心の奥底に閉じ込めていた気持ちが流れ出す。 今、溢れ出したしたら、もうの二度と閉じ込められない。
叶わぬ夢と諦めていたのに……。何の権利があって俺の心をかき乱す。
「いいから答えろ! 」
「………」
(本当のことを話せ!)
殺す気になれば殺せるんだぞと、殺意のこもった目で老人の胸ぐらを掴む。
しかし、老人は平然としている。 逆に楽しそうだ 。その態度にジャックは歯牙を擦り合わせる。
俺の無言の脅しにも、拷問を耐え抜いた男だ 。屈したりはしない。
ジャックは投げ捨てるように老人の手を離す。 食えないやつだ。
アンデッドの恐ろしさを知っているくせに、妙に達観している。むしゃくしゃする。
「ジャック? 」
「っ! 」
不意に聞こえてきたフローラの声に息が止まる。
話を聞かれたか? 振り替えって確かめる。困惑した顔をしているだけで、 聞いていた様子はない。 そのことに安堵する。
(良かった……)
*****
画廊の帰り道 ジャックが物陰でなく、 日の当たるところで 老人と同じテーブルに居ることに目を疑う。
目立たない事を信条にしてるのに。
知り合いなのだろうか? それなら紹介してもらおうと、 声をかけただけなのに ひどく驚かれた。その反応に私も驚く。
いつも余裕があるのに、 今は動揺している。 そもそも人間と酒を飲んでいることに、さらに驚く。
何かあったのかと、老人に問いかけるように視線を向けると、 知らないと肩をすくめられた。
明らかに、この老人との間には何かがある。 まさか、正体をばらすと脅されてたの? そういう事なら、黙ってられない。
「ジャック。何かあったの? 」
「 いいから、行こう 」
ジャックが逃げるように私の手を掴む。
「でも……」
「いいから」
二人を交互に見ながら、このまま立ち去っていいものか悩む。
従わないでいるとジャックが私の手を離して、 さっさと行ってしまう。
足早に去っていくジャックの後ろ姿を見て、フローラの胸に不安の種が落ちる。 何か良くないことを耳にしたに違いない。 このままでは、そのことを胸にしまってしまう。
フローラは聞き出そうとジャックの前に回り込んで、足を止めさせる。
「話してください。何があったんですか? 」
「何もない。心配ない」
そう言うと私を避けてまた歩き出す。
平坦な声を出そうと努力している。
そこまで秘密にしたいことは何?
ジャックの横を歩きながら追求する。
「話してください。どんな話でも驚きません」
「………」
心配するなと言われて、はいそうですかと引き下がる性格ではない 。
でも、それ以上にジャックは秘密主義だ。
いい加減、私を信用して欲しい。
フローラはジャックの背中に向かって叫ぶ。
「これ以上、秘密が増えるのが嫌なんです! 」
「秘密? 」
ジャックが立ち止まると不思議そうに言う。
「エマのことです。 何かあった事は知ってます。ザップにジャックが言うまで待てと釘を刺されました」
「くそっ! 余計なことを」
嫌悪の表情を見せるジャックは、いつもとは別人のようだ。
「お願いです。絶対に秘密にします。約束します。だから、私を信じてください」
「…… しつこい」
食い下がる私にジャックの迷惑そうな声が グサリと突き刺さる。
初めての拒絶に、 胸に剣を突き立てられたからように痛む。
こんな風に言われたことなど、一度もなかった。 だからこそ解る。
ジャックにとって、それは触れて欲しくないほどの重大なことがあったんだと。その辛さを分かち合いたい。
それに、諦めないのが私の取り柄。
フローラはジャックの手を掴んで 路地に引きずり込む。
驚くジャックを壁に押し付けると、逃げられないように顔の両手に手をつく。
「なっ! 」
「話してくれるまで、どこへも行かせません」
春の空のような青い瞳が 暗く陰っている。 やっぱり予感が的中した。
フローラは少しの感情も見逃すまいと 瞳を覗き込む。
すると、 話をしたくないジャックが
視線をそらす。
「………」
「ジャック、私たちは……」
フローラは続く言葉に何と言えばいいのか分からない。
兄? ……でも、血が繋がってない。
種族も違う。
友?…… 一緒に育ってないし、 歳の差がありすぎる。
恋人? ……男女の情けがあるかと聞かれたら、 よく分からない。 男の人を好きになったこともない私に、 そんな機微など知りようもない。
確かなのは 苦楽を共にした仲、
私のために貴重な時間も、お金も惜しみなく与えてくれる優しい男ということ。
( 私が一方的に迷惑をかけているだけだけど……)
「私は、ジャックの力になりたいんです。何か困っていることがあるなら言って欲しい」
どうしても答えを知りたいフローラは ジャックと強引に視線を合わせる。
すると、無言のままジャックが私の両肩に手を置くと押し返そうとする。
その力強さにジャックが 逃げようとしているのが伝わる。フローラは、逃がすまいと、その事を拒むように体重をかけて押し戻す。
「話してください」
「………」
ジャックの顔が苦悩の表情に変わる。 こんな風に感情を表すのは珍しい。
それでも口は重く、何も言ってはくれない。
何かが体の中に入ってくる感触に 眉間にしわを寄せる。
痛くはない。 でも入っていることは分かる。ジャックの息を飲む行為に視線をかす。
「どうしたんですか? 」
「………」
ジャックの視線が私の肩のあたりを彷徨う。見るとジャックの指が 手袋を突き破って私の肩に刺さっている。
(変な感触)
刺さっているのに血も出ていない。
ジャックが指を抜くと、 この世の終わりのようにジャックが項垂れる。
「すっ、済まない」
「気にしないでください。無理やり聞き出そうとした私が悪いんですから」
人間なら強く掴まれて、青痣が出来た
と言ったところだろう。
襟をずらして肩を見ると 丸い赤い痣
が等間隔で四つ並んでいる。 それを見てフローラは ジャックのお父さんの言葉を思い出した。 言っていた通り、あの痣をつけたのはジャックだと納得する。
「……痛くないのか? 」
「 平気です」
ジャックが不安そうに聞いてくる。
そう聞くのは、すごく当然のことだ。 だって普通に考えれば、痛いはずだ。 肩に4本 、両肩で8本の指が突き刺さったんだから。 でも、痛みがないせいか、驚きもないし、当たり前のことのように感じる。
「何も感じないのか?」
「感触はありますよ」
「どんな感触だ? 」
「そうですね………」
どんなと言われても、言葉にするのは難しい。初めてのことで、よく分からない。と言うのが答えだ。
「分かりません」
ジャックが肩すかしを受けたようにガクッとする。
「だって、自分の体に他人の体の一部が入ったことなんか、ありませんから。 こんなことをされたのはジャックが初めてです」
正直に答えるとジャックが 口をパクパクする。何か言いたいことでもあるの?
「それなのに痛くないのは、何故か? 」
「何故だ」
答えが知りたくて身を乗り出して聞くと、老人が面白そうに笑う。
「笑ってないで、さっさと言え! 」 「そんなの 、決まっているだろう。 お互いに愛しているから受け入れられるんだ」
「そんなはずない! 」
ジャックはテーブルを打ち付けて、その答えを強く否定する。
( 嘘だ。 嘘だ。 嘘に決まってる)
そんなこと言ったら、出会った時からお互いに愛し合っていたことになる。
大きな声では言えないが、フローラの体に指骨を刺したのは 一度や、二度じゃない。
でも……それ以外に説明がつかない。
ならやはり、この老人の言う通りなのか? いや、でも……俺を騙しても何の得になる?
混乱したジャックは、見極めるように老人に視線を向ける。
ただの酔っ払いにしか見えない。
俺の視線にも、老人は素知らぬ顔で酒を飲んでいる。
つまり俺たちが、お互いに望めば 結婚して子供が生まれるのか?
自分の中に希望の光を見た。
しかし、すぐに常識というモノが、その光を遮る。
嘘なのか? ……真実なのか? どっちだ?
何も知らなければ、こんな切ない気持ちにならないのに……。
その年なら、 人に期待を持たせることが どんなに罪なことか 知らないわけじゃないだろうに。
「何で、そんな話を俺にする」
「言っただろう。 ひい爺さんに似てるって」
「………」
そんな言葉が信じられるものか。
心の奥底に閉じ込めていた気持ちが流れ出す。 今、溢れ出したしたら、もうの二度と閉じ込められない。
叶わぬ夢と諦めていたのに……。何の権利があって俺の心をかき乱す。
「いいから答えろ! 」
「………」
(本当のことを話せ!)
殺す気になれば殺せるんだぞと、殺意のこもった目で老人の胸ぐらを掴む。
しかし、老人は平然としている。 逆に楽しそうだ 。その態度にジャックは歯牙を擦り合わせる。
俺の無言の脅しにも、拷問を耐え抜いた男だ 。屈したりはしない。
ジャックは投げ捨てるように老人の手を離す。 食えないやつだ。
アンデッドの恐ろしさを知っているくせに、妙に達観している。むしゃくしゃする。
「ジャック? 」
「っ! 」
不意に聞こえてきたフローラの声に息が止まる。
話を聞かれたか? 振り替えって確かめる。困惑した顔をしているだけで、 聞いていた様子はない。 そのことに安堵する。
(良かった……)
*****
画廊の帰り道 ジャックが物陰でなく、 日の当たるところで 老人と同じテーブルに居ることに目を疑う。
目立たない事を信条にしてるのに。
知り合いなのだろうか? それなら紹介してもらおうと、 声をかけただけなのに ひどく驚かれた。その反応に私も驚く。
いつも余裕があるのに、 今は動揺している。 そもそも人間と酒を飲んでいることに、さらに驚く。
何かあったのかと、老人に問いかけるように視線を向けると、 知らないと肩をすくめられた。
明らかに、この老人との間には何かがある。 まさか、正体をばらすと脅されてたの? そういう事なら、黙ってられない。
「ジャック。何かあったの? 」
「 いいから、行こう 」
ジャックが逃げるように私の手を掴む。
「でも……」
「いいから」
二人を交互に見ながら、このまま立ち去っていいものか悩む。
従わないでいるとジャックが私の手を離して、 さっさと行ってしまう。
足早に去っていくジャックの後ろ姿を見て、フローラの胸に不安の種が落ちる。 何か良くないことを耳にしたに違いない。 このままでは、そのことを胸にしまってしまう。
フローラは聞き出そうとジャックの前に回り込んで、足を止めさせる。
「話してください。何があったんですか? 」
「何もない。心配ない」
そう言うと私を避けてまた歩き出す。
平坦な声を出そうと努力している。
そこまで秘密にしたいことは何?
ジャックの横を歩きながら追求する。
「話してください。どんな話でも驚きません」
「………」
心配するなと言われて、はいそうですかと引き下がる性格ではない 。
でも、それ以上にジャックは秘密主義だ。
いい加減、私を信用して欲しい。
フローラはジャックの背中に向かって叫ぶ。
「これ以上、秘密が増えるのが嫌なんです! 」
「秘密? 」
ジャックが立ち止まると不思議そうに言う。
「エマのことです。 何かあった事は知ってます。ザップにジャックが言うまで待てと釘を刺されました」
「くそっ! 余計なことを」
嫌悪の表情を見せるジャックは、いつもとは別人のようだ。
「お願いです。絶対に秘密にします。約束します。だから、私を信じてください」
「…… しつこい」
食い下がる私にジャックの迷惑そうな声が グサリと突き刺さる。
初めての拒絶に、 胸に剣を突き立てられたからように痛む。
こんな風に言われたことなど、一度もなかった。 だからこそ解る。
ジャックにとって、それは触れて欲しくないほどの重大なことがあったんだと。その辛さを分かち合いたい。
それに、諦めないのが私の取り柄。
フローラはジャックの手を掴んで 路地に引きずり込む。
驚くジャックを壁に押し付けると、逃げられないように顔の両手に手をつく。
「なっ! 」
「話してくれるまで、どこへも行かせません」
春の空のような青い瞳が 暗く陰っている。 やっぱり予感が的中した。
フローラは少しの感情も見逃すまいと 瞳を覗き込む。
すると、 話をしたくないジャックが
視線をそらす。
「………」
「ジャック、私たちは……」
フローラは続く言葉に何と言えばいいのか分からない。
兄? ……でも、血が繋がってない。
種族も違う。
友?…… 一緒に育ってないし、 歳の差がありすぎる。
恋人? ……男女の情けがあるかと聞かれたら、 よく分からない。 男の人を好きになったこともない私に、 そんな機微など知りようもない。
確かなのは 苦楽を共にした仲、
私のために貴重な時間も、お金も惜しみなく与えてくれる優しい男ということ。
( 私が一方的に迷惑をかけているだけだけど……)
「私は、ジャックの力になりたいんです。何か困っていることがあるなら言って欲しい」
どうしても答えを知りたいフローラは ジャックと強引に視線を合わせる。
すると、無言のままジャックが私の両肩に手を置くと押し返そうとする。
その力強さにジャックが 逃げようとしているのが伝わる。フローラは、逃がすまいと、その事を拒むように体重をかけて押し戻す。
「話してください」
「………」
ジャックの顔が苦悩の表情に変わる。 こんな風に感情を表すのは珍しい。
それでも口は重く、何も言ってはくれない。
何かが体の中に入ってくる感触に 眉間にしわを寄せる。
痛くはない。 でも入っていることは分かる。ジャックの息を飲む行為に視線をかす。
「どうしたんですか? 」
「………」
ジャックの視線が私の肩のあたりを彷徨う。見るとジャックの指が 手袋を突き破って私の肩に刺さっている。
(変な感触)
刺さっているのに血も出ていない。
ジャックが指を抜くと、 この世の終わりのようにジャックが項垂れる。
「すっ、済まない」
「気にしないでください。無理やり聞き出そうとした私が悪いんですから」
人間なら強く掴まれて、青痣が出来た
と言ったところだろう。
襟をずらして肩を見ると 丸い赤い痣
が等間隔で四つ並んでいる。 それを見てフローラは ジャックのお父さんの言葉を思い出した。 言っていた通り、あの痣をつけたのはジャックだと納得する。
「……痛くないのか? 」
「 平気です」
ジャックが不安そうに聞いてくる。
そう聞くのは、すごく当然のことだ。 だって普通に考えれば、痛いはずだ。 肩に4本 、両肩で8本の指が突き刺さったんだから。 でも、痛みがないせいか、驚きもないし、当たり前のことのように感じる。
「何も感じないのか?」
「感触はありますよ」
「どんな感触だ? 」
「そうですね………」
どんなと言われても、言葉にするのは難しい。初めてのことで、よく分からない。と言うのが答えだ。
「分かりません」
ジャックが肩すかしを受けたようにガクッとする。
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正直に答えるとジャックが 口をパクパクする。何か言いたいことでもあるの?
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