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第五十七集
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天祐は全力で走っていた 。
息が上がる。緊張しているのか 足がこわばり もつれそうになる。しかし、目と耳に全神経を集中させていた。
「ハァ、ハァ、ハァ」
自分の吐く息さえ邪魔だった。
ストーカーの男の縄張りは、ここではなかった。激昂し、その感情のままの行動なら突発的犯行になる。それならば近所の公園や 工事現場だとアドバイスされた。土地勘のあるところのでの犯行は計画的 もしくは監禁、死体遺棄。
頭の中で何度も繰り返し見た地図を広げ、下見で見つけた 公園のトイレに飛び込む。
居ない!
「クソッ」
ここじゃない。
次の工事現場へと方向を変えた。
(早く、早く見つけないと)
気ばかり焦る。
もしかしたら……と、悪い予感が頭をよぎる。
そんな考えを首を振って追い出した。
容容の居ないこの時代には何の価値もない。金も才能も分かち合う人がいればこそだ。彼女こそが生きる全て。彼女こそが私を幸せに導いてくれる。
ザッザッと乾いた土を歩く音に混じって カンカンと何かがぶつかる 金属音が耳に入ってきた。
ここか!?
侵入を拒むように壁に閉ざされている。外から中の様子が見えないように高さ二メートルほどの白い鉄板で囲われていた。
足場になるものを探していると、黄色地に黒字で『侵入禁止』と書いてある立て看板を見つけた。
「フン」
それを立て掛け、そのわずかな出っ張りにつま先を使って乗り越えた。だだっ広い 開けた土地に 資材が積んである。そこに不釣り合いの赤いものがあった。
徐有蓉が首を絞められていた。その手を激しく叩いている。間に合った。
脱兎のごとく駆け出す。
「おりゃー!」
大声に男の気がそれる。その隙をついて腕を
殴りつけた。ミシッという音を立てたかと思うと最初に腕、続いて頭と胴体。最後に足の順で飛ばされ、ズサササッと 地面を滑るように男が倒れた。
その頃の東岳国。
若渓は小さい震えていた。話には聞いていた。 信じていなかったわけではない。
だけど、それが真実になるのは、また別の話 。一瞬で黒い髪が血をかぶったかのように赤くなった。その赤髪の女がこちらを見た。
「っ!」
その顔を見て息を飲んだ。
徐有蓉!
髪も化粧も違うが本人に違いない。この人を見下した様な冷たい目。
本当に入れ替わったんだ。そうなると分かっていても、いざ現実になると驚きで体が動かない。薄い唇が不機嫌そうに歪む。背中を冷たい物が流れる。その凄みに思わず後ずさる。
すると、徐有蓉が立ち上がった。つられて目を動かす。徐有蓉が馬鹿にしたように鼻で笑うと退けと言うように私の肩にぶつかって横を通り過ぎる。それがっきかけで我に返った。逃げないように捕まえなくちゃ。
「まっ、待ちなさい」
その後ろ姿にそう言っても停まるはずがない。出た声はかすれて弱弱しかった。
これでは負けている。それでは駄目だ。
俊豪様が来るまで何としてもこの家に留めて置かなくてわ。兄上の無念も晴らせない。待てと徐有蓉の衣を掴む。振り返った徐有蓉が自分の衣を掴んで切るように衣を引っ張った。あっさりと手が外れる。
「あっ」
もう一度だ。離さないとばかりにもう一度両手で掴む。ここで逃がしたら一生自分を許せない。そこへ、ちょうど小橘が戻って来た。良かった。後は俊豪様が来るのを待つだけだ。
「絶対逃がさないわよ」
「小橘手伝って」
「かしこまりました」
「離せと言っているでしょ!」
徐有蓉が恫喝して来るけど怯んでは駄目だ。効き目がないと分かると私の手を叩いた。
それでもしがみ付いていると徐有蓉が私の髪を掴んで引き剥がそうとする。
「お嬢様!」
小橘が徐有蓉の手を外そうとするけど手を離そうとはしない。
皮膚が剥がれそうな痛みに涙が滲む。それでも痛みに耐える。
「観念しなさい。もうすぐ俊豪様が来るんだか」
「五月蝿い!」
俊豪様が来るまで耐えて見せる。絶対外に出さない。着物に指を捲き込むように深く握った。
「お嬢様に手出しはさせません」
小橘がそう言うと徐有蓉の手に噛みついた。
「痛っ」
痛みに手を離した。
ギロリと睨むと腹いせのように若渓の頬を平手打ちした。衝撃で目から星が飛ぶ。殴られた事など無かったから自分に何が起こったのか理解できなかった。だけどジンジンと頬が痛い。そして、口の中に血の味が広がった。痛む頬に手を当てた。
(私……殴られた……)
「お嬢様大丈夫ですか?」
呆然としながら殴った相手の徐有蓉を見ようとした。しかし、気付いた時には徐有蓉が逃げよう門に向かっていた。
大変!
「待ちなさい!」
追いかけた。呼び止めると立ち止まった。
(どうしたて?)
私の言葉に従う人じゃない。その視線の先を見ると俊豪様達が立っている。
(間に合った……)
後は俊豪様たちに任せよう。
安心してその場にへたり込んだ。
4の38
若渓からの連絡を受けて駆け付けた俊豪だったが目の前に立っている女が本人だとは思えない。それほど程様変わりしている。
妖にもなったつもりか?
しかし、私を見るこの目つきは本人で間違いない。何度もこの目で見下された。
「これは、これは……。まるで妖婦だな」
「………」
舐めまわすように見ると徐有蓉が顎を上げる。何処までも負けん気が強い。
「この家の周りには既に私の配下が待ち構えている。逃げようとしても無駄だ。観念しろ!」
「………」
逃げ場はない。そう分かっているはずなのに睨みつけられたままだ。
往生際の悪い。本当に、生への執着は人の倍はある。目を合わせたまま徐有蓉がジリジリと下がる。徐有蓉が自供してくれないと天祐の無罪が晴れない。抵抗されるのは分かっている。出来れば殺したくない。
此処からが一番大事だ。機転の利く徐有蓉は我々の思いもよらぬ方法で何度も逃げ切られている。油断は禁物。
首を振って応時に後ろに回り込めと指示する。俊豪は自分との距離を測る。二人の間の距離は十歩。五歩だ。五歩。
五歩距離を詰らられば捕まえられる。
武芸の心得はない。
悟られないように慎重に間合いを詰める。
(一、二、三……)
今だ!
地面を蹴った。しかし、それと同時に徐有蓉が背を向け走り出した。逃げられて堪るか!
取り囲めと配下たちに合図する。ところが急に立ち止まった。
何だ? どうした? どうする気だ? 建物の中を通って外に出る気か?
予想外の事に配下たちに戸惑いが広がる。
すると、徐有蓉が宴に用意されていた酒瓶を掴むと卓にぶつけて割った。
何だ? 戦おうと言うのか? それとも自害する気か? 緊張がその場を支配する。
徐有蓉の行動から誰もが目を放せない。
くるりと振り返った徐有蓉が身を寄せ合ったている若渓の腕を掴んで立たせると、その首に破片を押し付けた。
「何をする。止めろ!」
「私にこれ以上近づいたらこの女を殺める」
まさか若渓を人質に取るとは思わなかった。最初に徐有蓉と引き放しておけば、こんなことにはならなかった。安全な場所に避難させなかった私の失敗だ。
そのうえ、気付いたば髪は乱れ叩かれたのか頬が赤くはれ、口の端が切れて血が出ている。こんなになるまでして徐有蓉を引きとめてくれたのに……。その苦労を無駄にした自分に腹が立つ。
「分かった。分かった」
形勢逆転。徐有蓉に主導権を握られてしまった。詰めの甘い自分を呪う。歯がゆい思いをしながら徐有蓉の出方を待つしかない。
徐有蓉が若渓の首に破片を押し付けたまま門へと向かう。それを見て他の配下の者に攻撃しないように皆に指示をだした。若渓の命の方が大事だ。それに、何時までも若渓を連れては逃げらなない。何処かで一人になるはずだ。機会を待とう。焦りは禁物だ。
そう苛立つ自分を宥めた。
息が上がる。緊張しているのか 足がこわばり もつれそうになる。しかし、目と耳に全神経を集中させていた。
「ハァ、ハァ、ハァ」
自分の吐く息さえ邪魔だった。
ストーカーの男の縄張りは、ここではなかった。激昂し、その感情のままの行動なら突発的犯行になる。それならば近所の公園や 工事現場だとアドバイスされた。土地勘のあるところのでの犯行は計画的 もしくは監禁、死体遺棄。
頭の中で何度も繰り返し見た地図を広げ、下見で見つけた 公園のトイレに飛び込む。
居ない!
「クソッ」
ここじゃない。
次の工事現場へと方向を変えた。
(早く、早く見つけないと)
気ばかり焦る。
もしかしたら……と、悪い予感が頭をよぎる。
そんな考えを首を振って追い出した。
容容の居ないこの時代には何の価値もない。金も才能も分かち合う人がいればこそだ。彼女こそが生きる全て。彼女こそが私を幸せに導いてくれる。
ザッザッと乾いた土を歩く音に混じって カンカンと何かがぶつかる 金属音が耳に入ってきた。
ここか!?
侵入を拒むように壁に閉ざされている。外から中の様子が見えないように高さ二メートルほどの白い鉄板で囲われていた。
足場になるものを探していると、黄色地に黒字で『侵入禁止』と書いてある立て看板を見つけた。
「フン」
それを立て掛け、そのわずかな出っ張りにつま先を使って乗り越えた。だだっ広い 開けた土地に 資材が積んである。そこに不釣り合いの赤いものがあった。
徐有蓉が首を絞められていた。その手を激しく叩いている。間に合った。
脱兎のごとく駆け出す。
「おりゃー!」
大声に男の気がそれる。その隙をついて腕を
殴りつけた。ミシッという音を立てたかと思うと最初に腕、続いて頭と胴体。最後に足の順で飛ばされ、ズサササッと 地面を滑るように男が倒れた。
その頃の東岳国。
若渓は小さい震えていた。話には聞いていた。 信じていなかったわけではない。
だけど、それが真実になるのは、また別の話 。一瞬で黒い髪が血をかぶったかのように赤くなった。その赤髪の女がこちらを見た。
「っ!」
その顔を見て息を飲んだ。
徐有蓉!
髪も化粧も違うが本人に違いない。この人を見下した様な冷たい目。
本当に入れ替わったんだ。そうなると分かっていても、いざ現実になると驚きで体が動かない。薄い唇が不機嫌そうに歪む。背中を冷たい物が流れる。その凄みに思わず後ずさる。
すると、徐有蓉が立ち上がった。つられて目を動かす。徐有蓉が馬鹿にしたように鼻で笑うと退けと言うように私の肩にぶつかって横を通り過ぎる。それがっきかけで我に返った。逃げないように捕まえなくちゃ。
「まっ、待ちなさい」
その後ろ姿にそう言っても停まるはずがない。出た声はかすれて弱弱しかった。
これでは負けている。それでは駄目だ。
俊豪様が来るまで何としてもこの家に留めて置かなくてわ。兄上の無念も晴らせない。待てと徐有蓉の衣を掴む。振り返った徐有蓉が自分の衣を掴んで切るように衣を引っ張った。あっさりと手が外れる。
「あっ」
もう一度だ。離さないとばかりにもう一度両手で掴む。ここで逃がしたら一生自分を許せない。そこへ、ちょうど小橘が戻って来た。良かった。後は俊豪様が来るのを待つだけだ。
「絶対逃がさないわよ」
「小橘手伝って」
「かしこまりました」
「離せと言っているでしょ!」
徐有蓉が恫喝して来るけど怯んでは駄目だ。効き目がないと分かると私の手を叩いた。
それでもしがみ付いていると徐有蓉が私の髪を掴んで引き剥がそうとする。
「お嬢様!」
小橘が徐有蓉の手を外そうとするけど手を離そうとはしない。
皮膚が剥がれそうな痛みに涙が滲む。それでも痛みに耐える。
「観念しなさい。もうすぐ俊豪様が来るんだか」
「五月蝿い!」
俊豪様が来るまで耐えて見せる。絶対外に出さない。着物に指を捲き込むように深く握った。
「お嬢様に手出しはさせません」
小橘がそう言うと徐有蓉の手に噛みついた。
「痛っ」
痛みに手を離した。
ギロリと睨むと腹いせのように若渓の頬を平手打ちした。衝撃で目から星が飛ぶ。殴られた事など無かったから自分に何が起こったのか理解できなかった。だけどジンジンと頬が痛い。そして、口の中に血の味が広がった。痛む頬に手を当てた。
(私……殴られた……)
「お嬢様大丈夫ですか?」
呆然としながら殴った相手の徐有蓉を見ようとした。しかし、気付いた時には徐有蓉が逃げよう門に向かっていた。
大変!
「待ちなさい!」
追いかけた。呼び止めると立ち止まった。
(どうしたて?)
私の言葉に従う人じゃない。その視線の先を見ると俊豪様達が立っている。
(間に合った……)
後は俊豪様たちに任せよう。
安心してその場にへたり込んだ。
4の38
若渓からの連絡を受けて駆け付けた俊豪だったが目の前に立っている女が本人だとは思えない。それほど程様変わりしている。
妖にもなったつもりか?
しかし、私を見るこの目つきは本人で間違いない。何度もこの目で見下された。
「これは、これは……。まるで妖婦だな」
「………」
舐めまわすように見ると徐有蓉が顎を上げる。何処までも負けん気が強い。
「この家の周りには既に私の配下が待ち構えている。逃げようとしても無駄だ。観念しろ!」
「………」
逃げ場はない。そう分かっているはずなのに睨みつけられたままだ。
往生際の悪い。本当に、生への執着は人の倍はある。目を合わせたまま徐有蓉がジリジリと下がる。徐有蓉が自供してくれないと天祐の無罪が晴れない。抵抗されるのは分かっている。出来れば殺したくない。
此処からが一番大事だ。機転の利く徐有蓉は我々の思いもよらぬ方法で何度も逃げ切られている。油断は禁物。
首を振って応時に後ろに回り込めと指示する。俊豪は自分との距離を測る。二人の間の距離は十歩。五歩だ。五歩。
五歩距離を詰らられば捕まえられる。
武芸の心得はない。
悟られないように慎重に間合いを詰める。
(一、二、三……)
今だ!
地面を蹴った。しかし、それと同時に徐有蓉が背を向け走り出した。逃げられて堪るか!
取り囲めと配下たちに合図する。ところが急に立ち止まった。
何だ? どうした? どうする気だ? 建物の中を通って外に出る気か?
予想外の事に配下たちに戸惑いが広がる。
すると、徐有蓉が宴に用意されていた酒瓶を掴むと卓にぶつけて割った。
何だ? 戦おうと言うのか? それとも自害する気か? 緊張がその場を支配する。
徐有蓉の行動から誰もが目を放せない。
くるりと振り返った徐有蓉が身を寄せ合ったている若渓の腕を掴んで立たせると、その首に破片を押し付けた。
「何をする。止めろ!」
「私にこれ以上近づいたらこの女を殺める」
まさか若渓を人質に取るとは思わなかった。最初に徐有蓉と引き放しておけば、こんなことにはならなかった。安全な場所に避難させなかった私の失敗だ。
そのうえ、気付いたば髪は乱れ叩かれたのか頬が赤くはれ、口の端が切れて血が出ている。こんなになるまでして徐有蓉を引きとめてくれたのに……。その苦労を無駄にした自分に腹が立つ。
「分かった。分かった」
形勢逆転。徐有蓉に主導権を握られてしまった。詰めの甘い自分を呪う。歯がゆい思いをしながら徐有蓉の出方を待つしかない。
徐有蓉が若渓の首に破片を押し付けたまま門へと向かう。それを見て他の配下の者に攻撃しないように皆に指示をだした。若渓の命の方が大事だ。それに、何時までも若渓を連れては逃げらなない。何処かで一人になるはずだ。機会を待とう。焦りは禁物だ。
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