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【完結】探偵物語【甘め】
1
「先生!またですか!」
8:30 先生を叩き起こす。
「ほら貴女も!もう開所なんですからとっとと出てって!」
8:45 身繕いさせた女性を追い出す。
「ここは連れ込み宿じゃないんですけどね?!」
8:50 コーヒーを点てて、砂糖を2杯。
「先生の事務所ですから?!」
8:55 事務所中の窓を開けて籠った匂いの換気をする。
「100歩譲って連れ込んでもいいとしても!」
8:59 ドアプレートをひっくり返して「OPEN」にする。
「せめて僕が来るまでに後始末までしといてくださいよ!」
9:00 開所
「おお、今日はお説教スムーズにできたね」
肩で息を吐く僕の顔をニコニコと眺めながら、嬉しそうに小さく拍手する男。
彼がここ「一色探偵事務所」の所長、一色 奏先生だ。
先生は僕が点てたコーヒーをちびちび飲みながら、依頼人用のソファにだらしなく膝を立てて座って新聞を広げた。
ちなみにそこはさっきまで半裸の女性が寝ていた場所でもある。
「ちょっと、自分のデスクがあるでしょう」
そこに居られるとファブリーズできない。
先ほどまで部屋にいた、昨晩先生とめくるめく魅惑の一夜を過ごしたのであろう女性は、香水の匂いが少しきつかった。
相談者が来る前に残り香を根絶しておかなければ事務所の信用に関わる。思いっきり移り香を纏っている先生の信用はどうでもいい。
それでなくても、うちの依頼の8割を占める浮気調査の依頼人にとって、香水の匂いなんて特大の地雷の可能性があるのだ。
何を好き好んで地雷を連れ込んでんだこの人は。
僕のお小言を完全に無視して新聞に没頭し始めた先生の、背もたれを挟んで後ろに立つ。
そこは僕のお小言ポジションだ。
「いつも言ってますけど、あなた上に住んでるんだから事務所でそういうことするのやめてくださいよ」
大変乱れた一夜だったんでしょう。ボサボサになったままの髪を手櫛で整える。
先生は短く「うん」とだけ返事をした。
「連れ込むなら連れ込むで、後始末をちゃんと考えてから連れ込んでくださいよ」
僕の面倒が増えないように!
髪をどうにか見れるくらいまで整えてから、先生の側頭をぺちんと軽く叩く。
それを合図に、先生はざっとだけ読んだ新聞を畳みながら上を向いて僕を見た。
「連れ込み宿、って、今時通じるのかな」
「知りませんよ!とっとと準備してください!」
8:30 先生を叩き起こす。
「ほら貴女も!もう開所なんですからとっとと出てって!」
8:45 身繕いさせた女性を追い出す。
「ここは連れ込み宿じゃないんですけどね?!」
8:50 コーヒーを点てて、砂糖を2杯。
「先生の事務所ですから?!」
8:55 事務所中の窓を開けて籠った匂いの換気をする。
「100歩譲って連れ込んでもいいとしても!」
8:59 ドアプレートをひっくり返して「OPEN」にする。
「せめて僕が来るまでに後始末までしといてくださいよ!」
9:00 開所
「おお、今日はお説教スムーズにできたね」
肩で息を吐く僕の顔をニコニコと眺めながら、嬉しそうに小さく拍手する男。
彼がここ「一色探偵事務所」の所長、一色 奏先生だ。
先生は僕が点てたコーヒーをちびちび飲みながら、依頼人用のソファにだらしなく膝を立てて座って新聞を広げた。
ちなみにそこはさっきまで半裸の女性が寝ていた場所でもある。
「ちょっと、自分のデスクがあるでしょう」
そこに居られるとファブリーズできない。
先ほどまで部屋にいた、昨晩先生とめくるめく魅惑の一夜を過ごしたのであろう女性は、香水の匂いが少しきつかった。
相談者が来る前に残り香を根絶しておかなければ事務所の信用に関わる。思いっきり移り香を纏っている先生の信用はどうでもいい。
それでなくても、うちの依頼の8割を占める浮気調査の依頼人にとって、香水の匂いなんて特大の地雷の可能性があるのだ。
何を好き好んで地雷を連れ込んでんだこの人は。
僕のお小言を完全に無視して新聞に没頭し始めた先生の、背もたれを挟んで後ろに立つ。
そこは僕のお小言ポジションだ。
「いつも言ってますけど、あなた上に住んでるんだから事務所でそういうことするのやめてくださいよ」
大変乱れた一夜だったんでしょう。ボサボサになったままの髪を手櫛で整える。
先生は短く「うん」とだけ返事をした。
「連れ込むなら連れ込むで、後始末をちゃんと考えてから連れ込んでくださいよ」
僕の面倒が増えないように!
髪をどうにか見れるくらいまで整えてから、先生の側頭をぺちんと軽く叩く。
それを合図に、先生はざっとだけ読んだ新聞を畳みながら上を向いて僕を見た。
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「知りませんよ!とっとと準備してください!」
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