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【完結】九蓮宝灯【S/鬼畜】
2
顔を上げた先には誰もいなかった。
そりゃあもう半狂乱になって走って家に帰った。怖すぎる。
部屋のドアをバタンとしめて、ドアにもたれかかる。
心臓が壊れそうなほどバクバク言ってるのは、普段しない全力疾走をしたせいか、それとも未知との遭遇に心が怖気づいているのか。多分両方だ。
「なんなのあれ、こわ、なに、怖い」
質の悪いドッキリか何かか。いやでも俺なんかドッキリさせても誰にも何の得にもならねぇだろ。
未だにバクバクと煩い心臓に手を当てて深呼吸をする。
そう、こういう時は深呼吸だ。いつでもそう、偉い人が言ってる。知らんけど。
「なんだったの…」
脳に酸素が回って少し落ち着いて、改めて先ほどの出来事を振り返る。
麻雀で負けて、帰り道で妙な女を介抱したら、女が「ワタシマジョナノ」とか言い出して、怖くて言われるがまま願い事を言ったら手が熱くなって誰もいなかった。
駄目だ、全くわからない。とにかく怖い。
こういう時はもう何も考えずに風呂入って寝るに限る。
「♪風呂入って速攻寝る計画~♪ってね…」
紛らわすように陽気な歌を歌いながら湯船に湯を溜める。
とっとと服を脱いで、待ってる時間にシャワーで髪と身体を洗う。俺はどんなに疲れてても湯船には浸かりたいタイプなんだ。
そういや、ジャケット盗られた。いやまぁ、あげるつもりだったからいいんだけど。頭がおかしくなかったらな。匂いとかで家まで割り出されそうで怖い。
湯船に浸かって、なんか熱くされた手のひらは皮が剝けそうなくらいゴシゴシしといた。一応、なんの異変もないようだ。
濡れた髪をおざなりに乾かしてからそのままベッドに潜り込む。
転居当時、付き合ってた子と一緒に寝れるように買ったダブルベッド。毎週末の朝帰りで浮気を疑われてあっという間にフラれた彼女は元気だろうか。
そういえばもう別れて2年かぁ…。思えばそんなに滅茶苦茶好きでもなかったのかな。当時はそれなりに凹んだけど、今ではいい思い出だ。彼女はそうじゃないだろうけど。
一応結婚も考えてて、結婚後もしばらくは住む予定で2LDKにしたけど、いい加減独り身らしい部屋に引っ越さないとな。家賃もったいないし。2万ほど浮くから、その分麻雀に費やせる予算が増えるな。いや、こういうとこだぞ。趣味を優先しすぎるから毎回振られるんだ。そういえば今日の収支をつけてないや。でもホント、今日の流れは最悪だった。こういう流れの時は聴牌してもリーチかけたらいかんな。全然ツモれなくて、遅れて聴牌した相手の当たり牌ばっか掴むんだもん。あの、「あぁ~これは通らない」って思いながら打つツモ切りの遣る瀬無さよ。まぁ、勝っても負けても楽しいし、あそこのからあげ丼は美味いんだ。
眠る前特有の取り留めもない思考に飲まれて、徐々に瞼が落ちてくる。
『私魔女なの』
一瞬覚醒しかけた思考を寝返りで振り払って、ゆっくりと目を閉じた。
明日、というか今日は土曜日。昼過ぎまで寝よう。そしたらこの混乱も少しは収まってるはず。そしたら適当にその辺で昼飯食って、夕方になったらまた「ゆかり」に行こう。
晩飯は久々にカツカレーにしよう。サラダのドレッシングが青じそしかないのは気に入らないし、「当然かけるよね?」って調子でソースが添えられてるのも異議を申し立てたいところだけど、あそこのママは揚げ物の天才だ。酒も元プロだけあって…
そこで思考は途絶えた。
そりゃあもう半狂乱になって走って家に帰った。怖すぎる。
部屋のドアをバタンとしめて、ドアにもたれかかる。
心臓が壊れそうなほどバクバク言ってるのは、普段しない全力疾走をしたせいか、それとも未知との遭遇に心が怖気づいているのか。多分両方だ。
「なんなのあれ、こわ、なに、怖い」
質の悪いドッキリか何かか。いやでも俺なんかドッキリさせても誰にも何の得にもならねぇだろ。
未だにバクバクと煩い心臓に手を当てて深呼吸をする。
そう、こういう時は深呼吸だ。いつでもそう、偉い人が言ってる。知らんけど。
「なんだったの…」
脳に酸素が回って少し落ち着いて、改めて先ほどの出来事を振り返る。
麻雀で負けて、帰り道で妙な女を介抱したら、女が「ワタシマジョナノ」とか言い出して、怖くて言われるがまま願い事を言ったら手が熱くなって誰もいなかった。
駄目だ、全くわからない。とにかく怖い。
こういう時はもう何も考えずに風呂入って寝るに限る。
「♪風呂入って速攻寝る計画~♪ってね…」
紛らわすように陽気な歌を歌いながら湯船に湯を溜める。
とっとと服を脱いで、待ってる時間にシャワーで髪と身体を洗う。俺はどんなに疲れてても湯船には浸かりたいタイプなんだ。
そういや、ジャケット盗られた。いやまぁ、あげるつもりだったからいいんだけど。頭がおかしくなかったらな。匂いとかで家まで割り出されそうで怖い。
湯船に浸かって、なんか熱くされた手のひらは皮が剝けそうなくらいゴシゴシしといた。一応、なんの異変もないようだ。
濡れた髪をおざなりに乾かしてからそのままベッドに潜り込む。
転居当時、付き合ってた子と一緒に寝れるように買ったダブルベッド。毎週末の朝帰りで浮気を疑われてあっという間にフラれた彼女は元気だろうか。
そういえばもう別れて2年かぁ…。思えばそんなに滅茶苦茶好きでもなかったのかな。当時はそれなりに凹んだけど、今ではいい思い出だ。彼女はそうじゃないだろうけど。
一応結婚も考えてて、結婚後もしばらくは住む予定で2LDKにしたけど、いい加減独り身らしい部屋に引っ越さないとな。家賃もったいないし。2万ほど浮くから、その分麻雀に費やせる予算が増えるな。いや、こういうとこだぞ。趣味を優先しすぎるから毎回振られるんだ。そういえば今日の収支をつけてないや。でもホント、今日の流れは最悪だった。こういう流れの時は聴牌してもリーチかけたらいかんな。全然ツモれなくて、遅れて聴牌した相手の当たり牌ばっか掴むんだもん。あの、「あぁ~これは通らない」って思いながら打つツモ切りの遣る瀬無さよ。まぁ、勝っても負けても楽しいし、あそこのからあげ丼は美味いんだ。
眠る前特有の取り留めもない思考に飲まれて、徐々に瞼が落ちてくる。
『私魔女なの』
一瞬覚醒しかけた思考を寝返りで振り払って、ゆっくりと目を閉じた。
明日、というか今日は土曜日。昼過ぎまで寝よう。そしたらこの混乱も少しは収まってるはず。そしたら適当にその辺で昼飯食って、夕方になったらまた「ゆかり」に行こう。
晩飯は久々にカツカレーにしよう。サラダのドレッシングが青じそしかないのは気に入らないし、「当然かけるよね?」って調子でソースが添えられてるのも異議を申し立てたいところだけど、あそこのママは揚げ物の天才だ。酒も元プロだけあって…
そこで思考は途絶えた。
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